学長挨拶

学長挨拶

電気通信大学は2018年に創立100周年を祝います

電気通信大学長 福田 喬
電気通信大学長 福田 喬

本学は、1918年に創設された社団法人電信協会管理「無線電信講習所」をルーツとしています。
1942年には、通信士養成の重要性から逓信省に移管されて「官立無線電信講習所」となり、さらに大戦後の1948年には文部省に移管され、それを礎として1949年の国立学校設置法施行により「電気通信大学」が誕生しました。2004年には国立大学法人法の施行に伴い「国立大学法人電気通信大学」となり現在に至っています。

1949年に大学がスタートした頃は、ウィーナー博士がサイバネティックスを、シャノン博士が情報理論を相前後して提唱し、世界の科学技術界がようやく通信の本質に目覚めはじめた時期に相当します。
後にまとめられた本学六十年史によると、当時初代学長であった寺沢寛一先生はいち早くこの情勢を察知し、情報通信に関する命題を本学振興の基本方針として採択されたそうです。
以来、高度経済成長とそれと歩を同じくする高度情報化社会の進展に合わせて大学の改革・拡充がなされ、本学における現在の教育研究分野は、情報・通信・ネットワーク工学・電気電子工学・計算機科学・ロボティクスを含む多くの工学分野から、物理工学・材料科学・バイオサイエンス、さらに広くコミュニケーションに関わる融合領域にまで広がっており、その中には世界のトップレベルに匹敵するとの高評価を受けている光学分野も含まれています。
2013年には、文部科学省が創設した研究大学強化促進事業において、全国の国公私立大学の中から選抜された19の研究大学の1つに選ばれました。

そして本学は、2018年に、礎である「無線電信講習所」の創設から数えて100周年を迎えることになります。この記念すべき節目において来し方を振り返るとともに、次の節目に向けてその存在価値をさらに高めるべく、決意新たに挑戦を続けたいと思います。

挑戦の第一は、大学全体の機能強化を促進して研究大学としての地位を不動のものとすることです。
それに向けて研究推進機構の設置やURAの配置等が行われ、研究力強化に向けた更なる体制がいよいよ整いました。分野融合に基づく本学ならではの新研究センターや、GAL(Global Alliance Laboratory : 国際連携研究室)、国際共同研究拠点等の設置に向けた取組も順調に進んでいます。

2017年3月に竣工予定の100周年キャンパスの活用も、将来への飛躍を目指す重要な事業です。
とくに同キャンパスに建設する共同研究施設棟は、産学連携や、大学発ベンチャー、海外も含む学外諸機関との協働など、新キャンパス開発ビジョン「UEC Port(Unique & Exciting Campus の港)」を具現化するものと位置付けています。同研究棟への企業・機関の招致、入居者の開拓などについて、いろいろな手立てを講じているところです。

また本学は、教育研究の活性化および学生支援、並びに教育研究活動環境の整備等を支える財政基盤の充実を目的として、2012年7月に電気通信大学(UEC)基金を立ち上げました。そして、その第Ⅰ期の基金展開事業の一つとして創立100周年記念事業を掲げており、基金に関する目標達成も重要な取組と考えます。

創立記念事業そのものを企画・推進する中核組織として創立100周年記念事業委員会を設置しています。
そして、傘下に複数の専門委員会を設けて、以下に挙げるような事業の企画と準備を進めています。

1.100周年記念式典、祝賀会の挙行
(礎である無線電信講習所の創設日に合わせて2018年12月8日に開催予定)
2.記念碑建立、記念植樹
3.記念シンポジウム/講演会の開催
4.100年史(本編、資料編)の編纂
5.100年史映像資料、100年史展示パネルの作成

その他にも、記念ロゴマーク、記念グッズの作成や、期間内に本学が開催する各種の行事に冠を付して開催すること、学生グループから祝賀イベントの企画を募集することなどを検討中です。

創立記念事業を通じて来し方を振り返り、更なる高みに向けた挑戦を続けるために、在学生、卒業修了生、教職員の皆さま、さらに本学に少しでも関わりのあった全ての皆さまの、記念事業に対する力強いご支援と参画をお願いいたします。