第7号 急がば回れ:教育投資こそ起死回生の道
2010年07月22日
政府は、来年度概算要求の総額を71兆円以下とする基準を決めたものの、政策的経費を一律約10%減にしようとする方針への反発も大きいようです。われわれ国立大学としても運営費交付金のこれ以上の削減は断じて認めることはできません。
先秋、フィンランドの大学を訪問する機会がありました。彼らの口から何度か発せられたのは、教育費は投資であり費用ではないという発言でした。現在のフィンランドは福祉国家であり、教育水準の高い国であることが知られています。それは、長期的な国家戦略として思い切った教育投資を断行した結果なのです。
1991年にソ連邦が崩壊した後、それまでソ連経済に頼っていたフィンランド経済は危機に見舞われ、国家財政も逼迫しました。このとき、弱冠29歳の教育相が、このような危機の時こそ、教育に投資することが将来の経済成長を生み、雇用を確保できるのだと説き、教育費の大幅増額を断行したのです。それが今日のノキアに代表される世界的企業を生み、福祉大国、教育大国として実を結んだことはよく知られています。日本だって、「米百俵」の話は有名です。
日本のように、天然資源がなく、人材のみが頼りの国が、多くの国が教育費を増額しているときに、教育費を削減するなんてことは、国を滅ぼすつもりなのでしょうか?お金がないことは分かっています、そんな時だからこそ、今何に集中しなければならないのか?
急がば回れで、基本に帰ってほしいものです。
