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学長室から:大学案内

平成29年度 大学院修了式

2018年3月23日
福田 喬

大学院情報理工学研究科および大学院情報システム学研究科修了生の皆さん、修士並びに博士の学位取得おめでとうございます。

ご来賓の本学同窓会目黒会の 野々村欽造 会長、当法人監事団の 松山優治 監事、並びに本学名誉教授の先生方、そして列席の役員、副学長、各部局長、さらに教職員、在校生とともに、修士論文あるいは博士論文のための研究に取り組まれて来た努力と成果に心から敬意を表します。
参列されているご家族、ご友人、ご関係の皆様にも心よりお慶び申しあげます。

本日、修士号を授与された方は、情報理工学研究科が485名、情報システム学研究科が7名の合計492名です。博士号を授与された方は、情報理工学研究科が14名、情報システム学研究科が7名の合計21名です。
なお、本学では、博士号学位授与を6月、9月、12月の各期でも行っており、それらを合わせますと、今年度(平成29年度)課程博士号を授与された方はトータルで35名となります。
また、博士号授与については、課程に在籍せずに学位申請論文を本学に提出し、審査を経て学位が授与される、課程修了によらない学位申請、通称、論文博士申請、というシステムもあり、今年度は1名の方がこの論文博士学位を授与されています。
したがって、本学に大学院が開設されて以来の累計をお示ししますと、修士号を授与された方は13,333名、博士号を授与された方は、課程博士939名、論文博士138名、合計1,077名となっています。

ところで、今年度修士号を取得された492名の中には31名の留学生の方が、博士号を取得された35名の中には12名の留学生の方が、それぞれいらっしゃいます。言葉はもちろんのこと、文化や制度、習慣や常識など様々な面で大きく異なる環境の下で研究に取り組まれるのは大変であったろうと思います。それを乗り越えて学位を取得されたことに対して、皆さんを称えたいと思います。
さらに、今年度の博士学位取得者の中には、4名の社会人の方がいらっしゃいます。社会に出られた後に学位取得を目指して大学院に戻ろうと決断された理由はいろいろであろうと思いますが、社会人としての立場を維持しつつ学位研究を完遂されて、見事に学位を取得されたそのご努力に敬服するとともに、改めてお祝い申し上げます。

また、本日の博士後期課程の学位記授与の後で、「スーパー連携大学院コンソーシアムによるイノベーション修士サーティフィケート」の授与がありました。このことについて、すこし補足しておきます。
スーパー連携大学院というのは独立した大学院ではなく、全国の複数の大学、北海道から九州まで広域に分布する6大学ですが、それが連携して推進しているイノベーション修士、イノベーション博士を養成する特別プログラムです。連携している各大学の大学院生の中から、学位取得に挑戦して修士又は博士になったら、企業や行政機関などアカデミア以外の広い分野で活躍することを志す人を、プログラム受講生として募集し、志願者の中から志の高い人を審査した上で受け入れるというプログラムです。
このプログラムには、連携大学だけでなく連携する企業や行政機関等の協力を得て、幅広い知見を得るためのカリキュラムが用意されています。受講生はそれを履修して単位を取得し、一定以上の成績を収めなければなりません。また、学位論文のための研究は、産業界や大学以外の研究機関との共同研究として行われるものでなければなりませんし、その審査は、在籍大学の教員以外に他大学の教員や産業界の専門家を含む委員会で行われることになります。そして学生は、在籍する各大学での審査と、スーパー連携大学院での審査の両方に合格すると、各大学から授与される修士号、博士号のほかに、イノベーション修士サーティフィケート、イノベーション博士サーティフィケートが授与されることになります。
これらサーティフィケートは、実社会で創造的能力を発揮し活躍できる人材であるとの保証書であり、もって、現代社会が必要としているイノベ―ションの創出、それを担う人材の養成という機能を、このプログラムは担っています。本日はそのイノベーション修士の資格を得た1名の方に、それを証明する「イノベーション修士サーティフィケート」を授与した次第です。
本プログラムは2011(平成23)年度から受講生を受け入れており、これまでの7年間で、連携6大学を合わせて、イノベーション修士サーティフィケートを16名の方に、イノベーション博士候補サーティフィケートを8名の方に、イノベーション博士サーティフィケートを2名の方に授与しています。

ところで、本日皆さんは、修士、博士の課程を修了され、見事に学位を取得されて、新しいスタートラインに立たれました。ただ、皆さんが踏み出そうとされている社会では、人口減少と少子高齢化の急速な進展が構造的問題として現実のものになってきており、その課題解決を視野に入れて構築されたといっても過言では無い第5期科学技術基本計画に関する具体の動きは、もう一段も2段もギヤアップしなければならない状況にあるようです。
また、視点を地球規模に移せば、「ミレニアム開発目標(MDGS)」の後継として、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する日本の取組の遅れが、諸外国で気にされ始めているようです。
このような時期、皆さんのような、高度専門技術者・研究者には、未来社会の牽引者としての大きな期待が、社会から掛けられているということを認識して頂きたいと思います。

先ほど皆さんに、修士や博士の学位記をお渡ししました。皆さんの資質・能力・成果に関する厳しい審査の下でそれらを認め、研究者、開発技術者のリーダー足りうる者として授与したものです。事あるときには、学位研究を成し遂げる過程で傾けた努力や体験した悩みや成し遂げたときの喜びなどを思い出し、専門を深く穿ち、他人が成し得なかった独創的な仕事を成し遂げたという誇りと自信を持って、社会が皆さんに掛ける期待を越える程の活躍をと願います。臆することなく、自ら輝き、その光で社会全体をよきものに変える力としてください。それが皆さんに課された使命に他なりません。

ところで、今年2018年は、本学にとっていよいよ創立100周年の年となります。今年の創立記念日の12月8日には100周年祝賀の式典を行う予定であり、それに向けてのカウントダウンが、皆さんも目にされていると思いますが、キャンパス沿いに立てたボード上で刻まれています。今日、そのカウントダウンクロックは、祝賀式典の12月8日まであと260日となっている筈です。
この記念すべき節目において来し方を振り返るとともに、次の節目に向けて本学・電気通信大学の存在価値をさらに高めるべく、いろいろな視点に基づく機能強化を進めてゆく所存です。そしてその為に、この100周年の節目と、それを越えて更なる先を目指すためのスローガンとして「ひらけ、INNOVATION!」を掲げています。スローガン冒頭の「ひらけ」はわざわざ“ひらがな”表示としています。これは“漢字”をあてはめることによって、それこそ、いろいろな意味を取り込めるからという目論見です。例えば、「門を開く」「花が開く」といった「新しく始める」という意味、「未来を拓く」「運命を拓く」といった「今まで無かったことに挑戦する」という意味、「知識を啓く」「悟りを啓く」といった「解らないことを理解できるようにする」という意味、「書物を披く」「押し披く」「あらわし示す」といった意味、などなどです。
その「ひらく」を、「INNOVATION」に向けて被せて、『電気通信大学は、教育・研究のダイナミズムの下、“知”の創造拠点であり続けるとともに、グローバル社会にそれらの“知”を還元し続けます』という意を込めています。
皆さんもぜひ、この周年記念のスローガン「ひらけ、INNOVATION!」を心に留めて、今後も卒業生としての本学へのサポートをどうかよろしくお願いします。

また、100周年とは独立ですが、大学と卒業生の絆をさらに強固にするために、本学は生涯メイルシステムを起動しています。このシステムは、卒業生・修了生・退職教職員のすべてにUEC生涯メイルアドレスを無料で提供するもので、生涯にわたり、様々な電通大関連情報の配信や、恩師、同窓生、友人などからの連絡を受け取ることができるメイル転送サービスです。大学を去られる前にぜひ、生涯メイルへの登録を済ませておいて頂けるようお願いいたします。
本学ではさらに、大学の財政基盤をより強固にして、学生諸君への奨学支援や国際交流支援などを充実させたいとするUEC基金を立ち上げています。その基金への募金にもぜひご協力ください。ただ、学生時代に貸与型奨学金を受けていて、その返済が始まるので寄附は無理だという方もおいででしょう。そのような場合はUEC基金への募金呼びかけ活動に、ぜひご協力いただきたく、お願いいたします。

最後になりましたが、電気通信大学は、新しいスタートラインに立つ皆さんをこれからも応援していきます。卒業後も、ときに母校を訪ね、この電気通信大学を人生の基軸の一つとして、多くの友人や教職員と語らい、また、同窓活動の場、生涯の学習の場として、積極的に活用してください。そして、母校を温かく見守り、今後も、本学の教育研究活動の強化発展に向け、ご支援いただけますようお願いいたします。

皆さんがそれぞれに選んだ新しいステージで、伸び伸びと活躍されることを祈念して、私のお祝いのことばとさせて頂きます。

本日は、修士並びに博士の学位取得、誠におめでとうございます。

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