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国立大学法人 電気通信大学

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学域(学部)・大学院Ⅲ類(理工系)

教育方針

Ⅲ類(理工系)の教育目的

現代社会は、自然界の真理・原理を探る理学と知識を技術へ展開する工学の統合から生まれる科学・技術によって支えられている。実際、生産・輸送・流通・通信・情報などに関わる多くの産業では、メカトロニクスに基づく高度な機械システムが重要な役割を果たしており、そこには電子や光などに関する要素技術とその開発成果がふんだんに利用、応用されている。Ⅲ類では、理工学において主要な構成分野である「電子工学」、「光工学」、「物理工学」、「化学生命工学」と、最新の要素技術を用いてものづくりを行う「機械システム」の、計5つのプログラムで構成される。基盤となる理学を基礎から応用まで幅広く学び、さらに新しい機械システムを解析・設計する工学の実践的応用力を身に付けることで、急速に変転する多様なニーズへ対応できる技術者・開発者としての能力を養成する。

Ⅲ類(理工系)の学修・教育目標

1、2年次に配置された「初年次導入科目」および「理数基礎科目」を通して、情報・理工学科目の理解に必須の数学および自然科学の基礎を学ぶ。2年次に設けられた「類共通基礎科 目」では、本類に共通の専門分野に関する基礎を学修する。
3年次以降は、「機械システム」、「電子工学」、「光エ学」、「物理工学」、「化学生命工学」の5プログラムに分かれて専門教育を受ける。各教育プログラムに設けた専門分野に関わる広範な講義科目と演習と専門実験を通して、自ら問題を提起し、多面的な視点から問題を解決する実践能力を涵養する。自身の考えを他者と共有するためのコミュニケーション能力も養う。

Ⅲ類(理工系)のカリキュラムの特徴

それぞれのプログラムには代表となる必修科目を設けているが、理工系科目の主要なものは、Ⅲ類の全学生が履修すべきものである。講義と演習を一体化した講義科目の他、別途実験・演習科目を用意している。これらは、講義の理解を深め、自然科学を基礎とする工学の研究手段の修得に不可欠である。

  • (1)基礎:1・2年次には専門科目の十分な理解に必要な数学と物理学の他、化学、生物学、機械工学と関連の情報工学に関する基礎科目を学ぶ。また、基礎科目を発展させたレベルの数学、力学、電磁気学、熱力学を修得する。
  • (2)専門:3年次以降は「機械システム」、「電子工学」、「光工学」、「物理工学」、「化学生命工学」に分かれてそれぞれの専門分野を学ぶ。将来の技術革新に対応するためには幅広い理工学の基礎知識が必要であり、他プログラムの講議(実験、演習を除く)の受講を推奨し可能としている。
  • (3)卒業研究:4年次には、研究室に配属され、教員の指導のもとに輪講と卒業研究を行う。これまで身につけた知識や文献調査をもとに、具体的な研究課題を分析し、解決方法を探求し、実験や理論的予測の検証を遂行する。論文作成およびプレゼンテーションを経験して、技術者・科学者としての総合的な実力を養う。なお、より専門性の高い内容を大学院連携科目として学ぶことができる。本類で学ぶ「理工学」は深淵であるので、学問の道を深め、技術者・科学者として一層高度な専門能力を修得したい者は、大学院においてさらに学修を続けるなど、自主的な学修を継続することを強く勧める。

機械システムプログラム

鉄道、自動車、航空機、エネルギー機器、家電機器などの機械システムは、高性能化・高機能化が進行している。新たな機械システムは、材料・熱・流体・振動の力学や制御工学などの 基礎知識を設計工学や生産システム学などで統合することで生み出される。
本プログラムでは、機械システムとその構成要素のデザイン・製造・評価・診断・制御に関する基礎力を修得し、安全・安心で豊かな持続可能な社会にものづくりで貢献できる人材を育成する。
(カリキュラムの特徴)
材料力学、機械力学、熱力学、流体力学など物理的諸現象の解析に関する機械システムの基礎科目、設計基礎工学、生産システム工学、メカノデザインなどのものづくりの科目に加えて、電磁気学、電気・電子回路、基礎制御工学などの電子工学の科目も体系的に修得できるように配置されており、講義だけでなく、演習や実験を通して理解を図る。

電子工学プログラム

情報化社会を担うハードウェア技術では、半導体電子デバイスを基本要素とするディジタル集積回路を中核とし、種々の電子材料を利用した超高速応答の高機能電子デバイスを組み合わせたシステムが用いられている。
本プログラムでは、高機能・高性能な情報処理を行うシステムの設計・開発を担う人材の育成を目指し、電子材料の物性とその電子デバイスへの応用と共に、アナログ応用やディジタル応用に用いられる電気回路・電子回路に関して体系的な教育・研究を行う。
(カリキュラムの特徴)
材料から回路応用までを体系的に学べるように科目を配置する。
電子工学の基本となる、電磁気学、電気回路、電子回路について、体系的な科目配置に加えて、演習・実験による体験を通して理解を図る。
電子材料の物性に関する講義と実験、さらに電子デバイスの構造や作製方法に関する講義と実験により、電子デバイスの動作原理や基本特性の理解を図る。
プログラム横断の授業科目により広範囲な電子工学に関する理解を深め、根幹である電子デバイスの物性と応用に加えて、システム応用までの道筋をもカバーする人材の育成を図る。

光工学プログラム

ネットワーク社会における情報の伝送・処理・記録には光通信・光配線・光ディスクなどの光工学が大きな技術基盤となっていることは周知のことである。加えて、基礎自然科学、医学、 エネルギー、ナノテクノロジー、加工・プロセスなど諸分野においてもレーザーを中心とした光工学技術が大きな役割を果たしており、光工学技術のニーズは増え続けている。
本プログラムでは、このような社会のニーズに応えるべき広い視野と知識を備えた実践的な専門技術を有する人材の養成を目的として、光工学技術の基盤となる光機能材料、光デバイス、光通信・情報処理システムに関する幅広い基礎教育を行う。
(カリキュラムの特徴)
光波の干渉や回折などの光学現象、物質中の光波伝搬特性、レンズや種々の光学素子による結像特性、レーザー光や光導波路中の光波伝搬特性、物質の光学特性や光との相互作用、レーザー、光デバイス作製技術、光通信/情報処理システム、光計測技術など、光工学に関連する基礎的な専門科目を開設する。
光学現象や光デバイスの動作原理を理解するために専門実験を行う。

物理工学プログラム

本プログラムでは、科学・技術が依拠する様々な物理現象を理解するために必要な基礎的概念の学修から、多様な応用に要求される高度な知識と技術の修得までを系統的に行う。情報通信でコア技術として実用化された機能性デバイスの原理の解析と理解に基づき、新しい機能を発見し、新技術を創成出来る能力を育成する。コンピュータを駆使した理論解析の能力も培う。
(カリキュラムの特徴)
最先端の極限技術を理解し、展開させる能力を養うために、基礎学力の定着を図り幅広い教養とバランスのとれた専門知識と先端技術に対する知見を教授するカ リキュラムを構築している。
専門実験、専門科目の演習を行い、物理工学プログラムについての実践的な学修をとおして問題を理解し、解決する能力を育成する。

化学生命工学プログラム

自然界に存在する優れた生体機能や物質から学び、化学と生物学の原理を工学的に応用することにより、低環境負荷、資源循環、医療向上に資する科学技術の創生が可能となる。本プログラムでは、先端科学技術の物質的基盤となる化学と、人間を含む生命科学の基盤学問である生物学を総合的に学修し、さらに電子工学、材料工学、生命工学、医用工学、環境工学など幅広い分野への工学的応用の基礎を身に付け、広い視野と異分野コミュニケーション・討議能力、問題解決能力を持った人材の育成を目指す。
(カリキュラムの特徴)
化学生命工学の工学的応用・実践の際には、化学と生物学、材料工学と生命工学のみならず、数学、物理学、電気・電子回路学、情報工学、機械工学の融合が必須である。本プログラムでは、化学と生物学の専門科目、演習、専門実験による専門分野の深化を基軸に、関連理工学分野も系統的かつ融合的に学べるカリキュラムを提供する。