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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【報告】JSTのさくらサイエンスプランに基づき2年度目の(ASEAN+インド)選抜学生10名が来学、低エネルギー・低炭素社会を目指した先端科学技術を研修

2017年12月26日

科学技術振興機構(JST)のさくらサイエンスプラン「A 科学技術体験コース」に関する本学の複数年度交流計画「低炭素・低エネルギーの将来社会に向けた先端科学技術の考え方と実際を学ぶ」が平成28年度に採択され、本学は第2回目の交流計画を平成29年10月15日から21日までの7日間に亘って実施しました。この計画に向け招聘した学生は帰国後もフォローし、これまでに謝意と同時に建設的意見も回収しています。

この計画では、本学の学部・大学院の国際インターンシップ履修学生を受け入れてきている大学および受け入れる用意のある大学の中で、ASEAN諸国とインドの6カ国から教育水準の高い下記7大学を選び、多数の候補者の中から、学業成績・マナーが良く、我が国の科学技術への関心高く、やる気のある学生を書類選考とSkypeによる国際インタビューで選抜し、招聘しています。今年度も昨年度同様合計10名を選抜、各学生は本学で研修し、さらに研修テーマに関係深い外部機関を訪問することで実践的な知識を修得する機会を得ました。今年度は研修の主軸にIoTの応用を加え、新たな視点からも研修効果を高めるようにしました。

招聘対象とした大学は、タイのモンクット王工科大学ラカバン校(KMITL)、ベトナムの国家大学科学技術大学(VNU-UET)、マレーシアのマルチメディア大学(MMU)および国立サラワク大学(UNIMAS)、カンボジアの王立プノンペン大学(RUPP)、インドネシアのバンドン工科大学(ITB)、インドの国立科学技術大学(NIST)です。渡航前研修として、全学生と本学担当者はSkypeでリンクし、本学から送付した資料やWeb情報を使って参加学生は来日後に備えた、研修課題と日本語・日本文化に関する基礎知識を修得、さらに学生間の自己紹介・日常のコミュニケーションにより相互理解を深めました。来日後の研修では、代表的な研究センターや外部の関連研究機関での受講・研究室見学・教員や研究者との意見交換を通して、我が国における先端科学技術への理解を深めたのみならず、招聘対象の大学で国際インターンシップを経験した学生や各国からの留学生とのコミュニケーションの場を設け、招聘学生の留学への関心を高めました。研修の概要は以下の通りです。

1日目 招聘学生全員が早朝のほぼ同じ時間帯に成田へ到着、宿舎への途上浅草で本学学生と交流し日本文化を体験、宿舎でオリエンテーション、健康管理・危機管理の理解と保険等手続きを完了
2日目 学長表敬、本学の教育・研究、留学制度等の紹介、研究室見学(Energy Harvester・センサネットワーク、地球宇宙電磁環境や地球温暖化等の監視予測、III-V族半導体ヘテロ接合・MOCVD・次世代発光素子)、日本語の基礎研修
3日目 研究室見学(Info-Powered エネルギーシステム、電力網の持続と回復力、電力システムの省エネ、エネルギー予測・AI・量子物理を総合した地球規模のエネルギーソリューション、低炭素社会に向けた科学技術のロードマップ・次世代燃料電池・世界オンリーワン&最高性能解析用ビームラインBL36XUによる燃料電池電極触媒の構造や電子状態の測定、高品質高安定レーザ・Dual Comb Spectroscopy・X線自由電子レーザ施設(SACLA)のX線自由電子レーザ)、日本語の基礎研修、コミュニケーションミュージアムを見学
4日目 兵庫県播磨科学公園都市にある世界最大の大型放射光施設SPring-8、およびSACLAを訪問、公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)から全体像を説明頂き実地見学、SPring-8ではBL36XUでのXAFSによる燃料電池触媒の構造解析などの本学の研究状況を見学
5日目 けいはんなプラザにて、関西文化学術研究都市推進機構から、都市全体の電力システムの省エネ化・車のEV化を図ったけいはんなエコシティープロジェクト、スマートコミュニティ実証実験、熱源最適制御によるCO2排出量削減プロジェクト等を紹介頂き、意見交換
6日目 武蔵小金井にある国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)を訪問、情報通信網を介して遠隔地で体性感覚を実感でき、エネルギーを消耗しない仮想空間での多感覚インタラクション、インターネットでのサイバー攻撃対策システムNICTER、音声会話のリアルタイム自動翻訳システムなどの研究成果を見学・実演、引き続き、お台場にある日本科学未来館を訪問、ロボット工学を応用したアンドロイドや二足歩行のアシモの実演に招聘学生は強い関心
7日目 宿舎で研修を総括、帰国の途へ
研修の総括では、各招聘学生が、さくらサイエンス交流事業に参加でき、我が国の先端科学技術を研修できたことを感謝していました。また招聘学生とは帰国後もGoogle Messengerを使って頻繁に連絡を続けており、招聘学生の最終報告の中で、多くの学生が日本への留学を志向、また帰国後、周辺の学生や後輩のために、このプランが今後も継続するよう強く希望していました。

なお、当該プロジェクトは昨年度から同様に継続されたものですが、本学の取り組みがJST に評価されており、次年度も継続される予定です。

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1.学長表敬、左から3人目中野理事、5人目高橋客員教授(プラン担当者)、後方6人目福田学長、7人目阿部副学長(プラン責任者)、右端庫川留学生係員
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2.石橋教授によるEnergy Harvester・センサネットワークなどの講義
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3. 芳原教授による地球宇宙電磁環境や地球温暖化の監視予測などの講義
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4. 野崎教授による講義の中でMOCVD装置などの実験室の説明を聴き、クリーンルームへ入る招聘学生
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5. i-パワードエネルギー・システム研究センターにて横川准教授、澤田准教授、曽我部准教授による電力プラントの高信頼化・Resilience・ネットワーク制御・量子ドット太陽電池等に関する講義、右上講師は横川准教授
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6. 岩澤教授による低炭素社会に向けた科学技術のロードマップ・次世代燃料電池・BL36XU等に関する講義の後教授を囲んで、左から5人目岩澤教授、8人目高橋客員教授
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7. 岩澤研究室のGabor A. Samjeske特任教授から燃料電池の研究状況を聞く招聘学生
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8. レーザー新世代研究センターにて米田教授による講義に続いて実験室を見学、左端は米田教授
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9. 笠原教授による日本語の講義と会話練習の後、教授を囲んで、前列中央は笠原教授
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10. 電気通信大学コミュニケーションミュージアムを見学、蝋管蓄音機の前で、中央は説明された芳野名誉教授、右から1人目三橋学長特別補佐、2人目中田名誉教授、4人目高橋客員教授、左1人目は国際インターンシップ体験学生の和田さん
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11. SPring-8内部の本学のBL36XU実験施設で.燃料電池触媒のR&Dを見学、右端は同行した国際インターンシップ体験学生の工さん
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12. けいはんなプラザへ向かう前の早朝の時間を利用し、宿舎から徒歩で三十三間堂を見学、サンスクリットを通して招聘各国に共通の文化があることを体験、右から2人目は案内した国際インターンシップ体験学生の工さん
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13. けいはんなプラザにてエコシティの講義の後一同で、左端は講師の矢野事業推進部調査役、中央は重松新産業創出交流センター長、右端は引率した高橋客員教授
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14. NICTにて仮想空間での多感覚インタラクションを体験する招聘学生
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15. 日本科学未来館で、アンドロイドとのコミュニケーションを体験する招聘学生
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16. 研修の最後に日本科学未来館の前で整列、右端は引率した高橋客員教授
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17. 阿部副学長から修了証書を授与された後一同で、後列左から4人目阿部副学長、3人目高橋客員教授、前列左から2人目笠原教授、右端は国際インターンシップ体験学生の和田さん