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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】時系列推定に有効な動的モード分解法のベイズ推論化に成功

2021年07月02日

庄野逸教授(情報学専攻)らの研究グループは、流体力学解析などの時系列データ解析に有効な手法である動的モード分解(DMD; Dynamic Mode Decomposition)にベイズ推定法を導入し、センサデータの不具合や、ノイズなどを含むケースでも自然なDMDを構成することに成功しました。

ポイント

*流体力学などの時系列データ解析に有効な動的モード分解(DMD)にベイズ推論を導入
*不確実性を含むセンサーデータからでもDMDが構成可能
*センサデータの欠損などがあっても、自然なDMDが適用できる
*少数パラメータ記述による安定した推定が行える

概要

これにより、流体などの時系列データ解析において、不確実さや曖昧さが含まれるような観測データからでも、DMDによってその欠損の主要因を推論することができるようになります。また、少数のパラメータによる記述でも安定した推定が可能になります。
DMDは行列分解に基づいてデータからダイナミクスを推定する手法で、流体力学解析などの時系列データ解析に有効な方法です。一方で、データに欠損などがあると取り扱いにくいという欠点がありました。
今回、少数のパラメータで構成する確率モデリングであるベイズ推定法をDMDに導入し、欠損データなども扱える新しい手法を提案しました。これを導入することにより、例えば、非線形シュレーディンガー方程式などで記述される流体データからでも主要成分を確信度付きで抽出できるようになると考えられます。
今後、オンラインアルゴリズムを適用すれば、より効率的な計算が可能になると思われます。さらに非線形性の強い系も扱えるようにしたいと考えています。

本成果は人工知能のトップ会議である AAAI-21 において発表されました。

変形行列分解法を用いたベイズ動的モード分解BDMD-VMFの提案

変形行列分解法を用いたベイズ動的モード分解BDMD-VMFの提案

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