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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】振動による害虫防除と栽培へのダブル効果! -化学農薬に依存しない新たな技術の実用化へ-

2022年01月31日

ポイント

*害虫のコナジラミ類に対して、振動により防除する技術の特許を取得しました
*振動発生装置を設置したトマト栽培施設において、振動が害虫の密度を低減させることを明らかにしました
*振動はトマトの受粉を促進させる効果もあったため、栽培と害虫防除のダブル効果を持つ可能性があります
*振動による防除技術は、化学農薬への依存からの脱却につながり、様々な農林業害虫への応用が期待されます

概要

電気通信大学、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所、東北特殊鋼株式会社、宮城県農業・園芸総合研究所、琉球大学、神奈川県農業技術センター、兵庫県立農林水産技術総合センターの研究グループは、害虫のコナジラミ類に対して振動により防除する技術の特許を取得しました。近年、化学農薬だけに頼らない新たな害虫防除技術を用いた環境保全型農業が望まれています。トマト栽培施設において、磁歪材料(磁場の変化により伸縮する材料)による振動発生装置からの振動が、害虫の密度を大幅に低減する防除効果を持つことを明らかにしました。また、この振動にはトマトの受粉を促進させる効果もあったため、生産性の向上と害虫防除のダブル効果を持つ可能性があります。昆虫は振動に対して敏感に反応する習性があるため、振動による防除技術は他の様々な農林業害虫への応用が期待されます。本研究成果は、国内特許として2021年12月10日(金)に登録されました。この振動発生装置は2023年度を目途に製品化の予定です。

図1 磁歪材料による振動発生装置(東北特殊鋼株式会社製)をパイプに設置したトマト栽培施設(JA全農内の展示圃場)

磁歪材料による振動発生装置(東北特殊鋼株式会社製)をパイプに設置したトマト栽培施設(JA全農内の展示圃場)

(特許情報)
発明の名称:振動による害虫防除及び作物受粉の方法
発明者:高梨琢磨、小池卓二、田山厳、小野寺隆一、小野利文、阿部翔太、細川昭、関根崇行、猪苗代翔太、立田晴記、柳澤隆平、大矢武志、植草秀敏、八瀬順也、冨原工弥 特許第6991488号(2021年12月10日取得)

(外部資金情報)
本研究は、内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産創造技術」、生研支援センター・イノベーション創出強化研究推進事業「害虫防除と受粉のダブル効果!スマート農業に貢献する振動技術の開発」、文部科学省科学研究費補助金(19KT0040)、積水化学・自然に学ぶものづくり研究助成による支援を受けて行われました。

詳細はPDFでご確認ください。