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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】一般社団法人手話言語等の多文化共生社会協議会を設立~きこえない人ときこえる人を結ぶ新たな社会基盤の構築へ~

2022年10月26日

国立大学法人電気通信大学(東京都調布市、学長:田野 俊一)、国立大学法人筑波技術大学(茨城県つくば市、学長:石原 保志)、国立大学法人九州工業大学(福岡県北九州市、学長:三谷 康範)、国立大学法人名古屋工業大学(愛知県名古屋市、学長:木下 隆利)とソフトバンク株式会社(東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:宮川 潤一)は、きこえない人ときこえる人がより円滑なコミュニケーションを実現する新たな社会基盤の構築に向けて、「一般社団法人手話言語等の多文化共生社会協議会」(以下「本協議会」)を設立しました。

今後、一般財団法人全日本ろうあ連盟様のご助言をいただきながら、大学、研究機関、企業、自治体、団体など関係機関に広く参加を呼びかけ、手話言語等の多文化共生社会の実現を目指します。

キックオフ会合での石原会長の挨拶(手話)

キックオフ会合での石原会長の挨拶(手話)

キックオフ会合の様子

キックオフ会合の様子

設立の背景と目的

現在の社会システムでは、学校やオフィス、病院などでの情報伝達やコミュニケーションは音声言語を前提に構築・運用されています。一方、音声言語がきこえない人は全世界で約7,000万人、国内では約35万人と言われており、日々の生活や仕事をする中で、コミュニケーションの不自由さを感じる局面が多々あります。特に、自然災害やコロナ禍などのパンデミックの発生時には、必要十分な情報をタイムリーに得ることが困難であり、二次災害などを招く可能性が高い状況にあります。また、きこえない人の活動を支援する手話通訳士は、国内では約4,000人(きこえない人の約1%)であり、手話通訳を必要とするすべての要望に対応することが困難な状況です。手話通訳士は、さまざまな通訳の中で、より専門的で複雑な場面に注力し、そうではない場面ではデジタル技術も活用しながら、人材の有効活用を図るなどの社会的な仕組みを構築することも必要です。

本協議会では、きこえる人ときこえない人の自由闊達で円滑なコミュニケーションに資する技術の研究開発を基盤として、双方に新たな学びと創造、社会貢献に資する環境を提供し、きこえない人が不自由さを意識することなく社会参画し、伸びやかに自己実現できる共生的かつ共創的なコミュニケーション・プラットフォームの基盤を構築することを目的とします。

システムの基本構成

システムの基本構成

主な活動概要

本協議会では、きこえない人ときこえる人が円滑なコミュニケーションを実現する社会基盤を構築するために、以下の活動に取り組みます。

  1. 手話言語と音声言語を翻訳し、双方向に伝達するプログラムの研究開発事業
  2. 上記プログラムの研究開発および実用化を促進する人材育成事業
  3. 手話言語と音声言語の双方向コミュニケーションシステムの普及・促進事業
  4. その他本協議会の目的を達成するために必要な事業

今後の予定と期待される成果

第1フェーズ(2022年11月1日から2027年3月31日)では、手話言語のデータベースの構築、手話言語の認識率の向上、口話認識の導入、モバイル端末の開発と実用化などに取り組み、全国の自治体の10%以上で利用頂ける環境の構築を目指すとともに、協議会に参加する会員企業による自社内コミュニケーションでの実証実験や、自社サービスとしてのきこえない人への支援ツールとしての実験利用を通して、改善点等のフィードバックを研究開発活動に活用します。

第2フェーズ(2027年4月1日から2032年3月31日)では、手話言語翻訳アルゴリズムの研究、手話言語認識と連動した口話認識手法の開発、手話言語から直接音声合成する研究および実用化などに取り組み、全国の自治体の30%以上で利用頂ける環境の構築を目指すとともに、会員企業内においても最終的に実用化へとつなげます。

これらの取り組みにより、以下の成果が期待されます。

  1. きこえない人が不自由さを意識することなく社会参画し、伸びやかに自己実現できる。
  2. 自然災害や感染症などのパンデミックの発生時にも、きこえない人が必要な情報をタイムリーに取得できる。
  3. ビッグデータの活用により、きこえない人ときこえる人が双方において、社会活動におけるデジタル化を加速することができる。

詳細はPDFでご確認ください。