脳科学ライフサポート研究センターセミナー【1月21日開催】
2015年12月28日
20世紀後半から細胞内カルシウム濃度研究法や二光子レーザー顕微鏡などの技術の発達によって、グリア細胞の新しい機能が浮き彫りにされてきた。このセミナーではグリア細胞がもつ多様な能力について解説し、それを基にグリア細胞の機能を考慮した“正しい”脳機能研究について討論したい。
日時 | 2016年1月21日(木)13:00-14:30 |
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場所 | 東3号館 306教室 (番号:27) |
講師 | 工藤 佳久(東京薬科大学・名誉教授) |
司会 | 丹羽 治樹 特任教授 |
題目 | 脳機能発現におけるグリア細胞の役割 |
参加費 | 無料 |
問い合わせ先 | 山田幸生(脳科学ライフサポート研究センター) E-mail:yamada@mce.uec.ac.jp TEL:042-443-5220 |
概要 | 20世紀末までの神経科学研究によって、脳機能はニューロンが織りなす神経回路から産み出されるものと認識されるようになっている。しかし、脳内にはニューロンをはるかに上回る数の多様なグリア細胞が存在することを忘れてはならない。これらのグリア細胞はニューロンと同時代に発見されているが、電気的には不活性であるためか、これらの細胞の中枢神経系における機能は長い間、過小評価されてきた。もちろん、主要なグリア細胞であるアストロサイト、オリゴデンドロサイトそしてミクログリアには脳内環境維持や神経伝達速度促進など多様な機能が認められ、脳機能発現における脇役としてのその存在意義は認識されている。 しかし、20世紀後半から細胞内カルシウム濃度研究法や二光子レーザー顕微鏡などの技術の発達によって、グリア細胞の新しい機能が浮き彫りにされてきた。グリア細胞が多様な神経伝達物質受容体を発現し、ニューロンの活動に応答すること、自らも伝達物質を遊離することによってニューロン活動を修飾し、シナプスの再編成に積極的関与することなど高次脳機能発現に直接的に関与する事実が相次いで発見されている。 このセミナーではグリア細胞がもつ多様な能力について解説し、それを基にグリア細胞の機能を考慮した“正しい”脳機能研究について討論したい。 |