脳科学ライフサポート研究センターセミナー【7月27日開催】
2016年07月04日
律動性脳活動は多様な神経ネットワークダイナミクスから生じ、脳のあらゆる部位で認められます。この脳活動は、ヒトの行動や認知機能の神経基盤であるとされますが、一方で律動性脳活動と律動性運動(周期的に繰り返される運動)の関係についてはこれまで詳細に検討されていませんでした。我々の最も基本的な律動性運動は歩行です。動物の4足歩行は、脊髄のリズム生成機構や筋・骨格の物理的因子が主体と考えられていますが、ヒト二足歩行では、歩行の中枢化が進んでいるとされています。近年、歩行周期依存性に律動性脳活動が変化することが報告され、ヒト歩行においてより高次中枢の関与が示唆されています。ヒトの頭蓋上から電流強度を周期的に変動させて与える、経頭蓋交流電流刺激(transcranial alternating current stimulation, tACS)や経頭蓋律動性直流電流刺激(oscillatory transcranial direct current stimulation, otDCS)は、律動性脳活動を変化させる事が分かっています。それらは、神経細胞の発火頻度や発火タイミングを律動性に変化させ、内因性律動に近い刺激周波数であれば、律動性活動を刺激周波数に同期させる引き込みが生じます。私たちは歩行中のヒト脳に歩行周期に近似した周波数で経頭蓋律動性電流刺激を与え、歩行律動の制御を可能にしました。本セミナーでは、経頭蓋律動性電流刺激と律動性運動の制御メカニズム、中枢神経疾患リハビリテーション訓練への応用可能性等について、私たちの知見をもとに発表します。
日時 | 2016年7月27日(水曜日)13時00分から14時30分 |
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場所 | 東3号館306会議室
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講師 | 小金丸 聡子(京都大学 高次脳機能総合研究センター 博士研究員) |
司会 | 山崎 匡(助教) |
題目 | 経頭蓋律動性脳刺激による脳活動変化とヒト歩行の変容 |
参加費 | 無料 |
予約 | 不要 |
問い合わせ先 | 山田 幸生(脳科学ライフサポート研究センター 特任教授) メールアドレス:yukioyamada@uec.ac.jp 電話番号:042-443-5220 |
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