脳科学ライフサポート研究センターセミナー【7月12日開催】
2018年06月14日
私達の睡眠・覚醒リズムは約一日の生物時計 (概日時計) によって生み出されており、その基本的なメカニズムを担う時計遺伝子の発見は、2017年のノーベル医学生理学賞の対象となりました。本分野は遺伝子と行動の因果関係が明瞭な神経科学領域であり、現状は社会応用への期待が高まっている研究フェーズです。私達はこれまで、概日時計の周期や振幅、時刻を制御する種々の化合物を見出し、時計の分子メカニズムを解明してきました。加えて本セミナーでは、非24時間睡眠覚醒症候群を紹介します。本患者は、日毎に約一時間づつ睡眠覚醒サイクルが遅れていきますが、この病態に酷似した表現型を示す動物がヒト以外に一種のみ知られています。私達は、カリフォルニアマウス (Peromyscus californicus, 一夫一妻性げっ歯類) の日本初のクローズドコロニーを樹立し、睡眠障害変異体Free runnerの解析を進めているところです。参考文献:(1) de Groot & Rusak. Neurosci Lett. 327, 203-7 (2002). (2) Kon et al. Nat Cell Biol. 10, 1463-9 (2008). (3) Kon et al. Genes Dev. 28, 1101-10 (2014).
日時 | 2018年7月12日(木)14時40分から16時10分 |
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場所 | 電気通信大学 東3号館306会議室
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講師 | 金 尚宏(東京大学大学院・理学系研究科生物科学専攻・特任助教) |
司会 | 仲村 厚志 助教 |
題目 | 生物時計のサイエンス:時計遺伝子の働きから睡眠障害の理解まで |
参加費 | 無料(予約不要) |
問い合わせ先 | 山田 幸生(脳科学ライフサポート研究センター 特任教授) メールアドレス:yukioyamada@uec.ac.jp 電話:042-443-5220 |
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