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国立大学法人 電気通信大学

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イベント情報

脳・医⼯学研究センター 研究セミナー【8月19日、30日オンライン他開催】

2022年08月09日

下記の通り、第96回、第97回研究セミナーを開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。

第96回 CNBE研究セミナー概要

実験心理学的な手法を用いて動物の行動に対する薬物効果を調べる行動薬理学は、神経科学の進歩と共に作用機序の解明の一助としての役割を果たしてきました。行動実験で最も重要なのが肉眼による行動観察であり、この観察結果に基づき薬理効果の大まかな仮説を立て、投与量や解析方法が選定される。動物の行動実験をどのようにすればヒトに外挿できるかについて、行動薬理学的には確たるアルゴリズムは存在しません。しかし、動物実験と臨床知見が相互にヒントを提供し合うことが有意義であると考えます。

薬物依存研究の領域において行動薬理学的手法は多くの進歩を遂げてきました(Koob and Le Moal 2001)。初期の行動薬理学では試行錯誤を繰り返しながら、薬物が行動に及ぼす効果についての知見が積み重ねられてきました。北米では1960年代に麻薬や幻覚剤の乱用が広がり、この問題に対処すべく膨大な予算を組み、動物による薬物の自己投与という新たな研究領域が生み出されました。Headleeら(1955)が最初に薬物の自己投与法をラットで確立し、Weeks(1962) やThompsonとSchuster(1964)もマウスやサルを用いて静脈内自己投与法による実験結果を報告しています。これまでの行動薬理実験の結果からヒトに乱用を引き起こす多くの薬物において、動物の場合でも自己投与が生じ、ヒトに乱用が生じなかった薬物には動物による自己投与も観察できませんでした。近年では自己投与法に加えて様々な手法(条件付け場所嗜好性試験、脳内微小透析法、オープンフィールド試験、自発運動量測定)により薬物依存の研究が進められています。

神経科学の進歩と共に、作用機序解明の一助として行動薬理学の役割は大きいです。薬の効果ばかりではなく、安全性や毒性試験でも行動実験は重要です。しかし、これまで行動実験は女性(雌性)の性周期により研究結果の解釈が複雑になるという理由で、ほとんどが男性(雄性)を対象に行われてきました。臨床データでは精神疾患の発症率、症状や治療効果には性差があるにもかかわらず、雄性のみを対象としたこれまでの研究デザインでは限界があります。私たちは、性差の観点から既存の依存性薬物がどの様なメカニズムで依存を引き起こしたり、有用な効果を発揮するのかを動物行動レベルで研究し、(1)ストレスに起因する物質依存の予防法や治療法の改善、(2)早期からの適切なうつ病の薬物治療、(3)テーラーメイド疼痛治療を目指しています。

第96回 CNBE研究セミナー
開催日時

2022年8月19日(金曜日)13時30分~15時00分

開催方法

Zoomによるオンライン開催

司会

牧 昌次郎(基盤理工学専攻 教授)

講演者

森屋 由紀 氏(公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野 依存性物質プロジェクト研究員)

題目

動物の行動から何が分かるのか~精神疾患のメカニズムを解明するための行動科学的解析方法~

費用

無料

お申し込み方法

下記、お申し込みフォームよりお願いします。

第97回 CNBE研究セミナー概要

今後日本を含む先進国では、国民人口における高齢者割合の増加と現役世代の減少・地域偏在化が想定され、労働力に制約が出てくる中で,どのように医療サービスを持続的に地域間格差なく提供するかが課題となります。2040年には1.5人の現役世代が1人の高齢世代を支えるようになると推定されており、さらに公的医療費の逼迫がすでに問題となっていることから、現状の医療サービスの質を維持していくことは困難になることが危惧されています。そこで産業技術総合研究所 医療機器グループでは、医療・介護者のスキルの多寡にかかわらず、誰もが不安無く質の高い医療・介護を提供できる、また、住む場所に関わらず、災害・緊急時でも、必要十分な医療・介護にアクセスできる、さらには誰もが役割を担うことができるなどの、究極の医療アクセシビリティ「ユニバーサルメディカルアクセス」の実現に向け、IoT・ICT・ロボット技術を駆使した医療機器の研究開発を進めています。本講演では、穿刺治療や超音波画像診断などの施術や検査の自動化・機能化・簡便化を目指した支援技術を紹介します。

第97回 CNBE研究セミナー
開催日時

2022年8月30日(火曜日)13時00分~15時00分

開催方法

東3号館301室およびZoomによるハイブリッド形式開催

司会

小泉 憲裕(機械知能システム学専攻 准教授)

講演者

津村 遼介 氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 健康医工学研究部門研究員)

題目

ユニバーサルメディカルアクセスの実現に向けた治療・診断の自動化・機能化・簡便化

費用

無料

お申し込み方法

下記、お申し込みフォームよりお願いします。

詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

問い合わせ窓口

脳・医工学研究センター 田中 嘉法
電話番号:042-443-5586
メールアドレス:tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp