データ関連人材育成拠点 研究室紹介
正解のない問題を解くAI――宇宙、ロボットから医療応用まで
名前 | 髙玉圭樹(たかだまけいき)教授 |
---|---|
所属 | 大学院情報理工学研究科 情報学専攻 |
OPAL-RING | https://www.uec.ac.jp/research/information /opal-ring/0005156.html |
研究室ホームページ | http://www.cas.hc.uec.ac.jp/ |
研究概要
現在の人工知能(AI)の多くは答えが決まっている問題を解いている。これに対し、予測のつかない問題に素早くかつ的確に答えるエージェントAIを開発する。必ずしも最適解を求めず、未知の環境に適応し、刻々と変化する状況に柔軟に対応する複雑適応システムを「進化計算」や「強化学習」などを使って構築し、社会へ適用する。
研究テーマ
宇宙・ロボット
複数のロボットを自律的に連携させ、宇宙太陽光発電システムを宇宙で組み立てるAIを開発した。過去には、国産ロケット「H2B」に搭載された無人物資補給機「HTV」に積む荷物を適切に配置する計算システムを考案したほか、宇宙線に当たるほど賢く“進化”する、大学で開発した小型人工衛星を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」と共に金星へ打ち上げた。
現在は、JAXAが2020年度に月面の目標地点に誤差100メートル以内のピンポイント着陸を目指す、月面着陸機「SLIM」計画などに参加している。
交通など
災害時などに、帰宅困難者を最小限に抑える路線バスの最適な運行経路などを算出する。同様の手法を使い、航空機の経路や着陸順の最適化、プリント基板内の部品の最適配置なども研究する。
医療・介護
睡眠をモニタリングし、快眠を導く音のリズムを追究する。リハビリや入浴といった行動履歴のデータと睡眠データを組み合わせることで、睡眠の質を向上し、高齢者の見守りや介護支援などにつなげる。教育への応用では、トランプゲームによって交渉力やリーダーシップを磨くAIを開発中。
- SLIM計画
経歴
全日本空輸出身。パイロットや飛行機の効率的な配置などの業務経験から、現場で役立つAIを志向する。「三人寄れば文殊の知恵」ならぬマルチエージェントシステムの工学応用を目指す。