ユニーク&エキサイティング研究探訪
電気通信大学の各研究室では、実に広範囲かつユニークな研究開発が行われています。その中から、受賞や注目プロジェクトに採用されスポットライトを浴びた研究を取り上げ紹介します。
- 注:内容、および研究者の肩書は、取材時点(文末に表示)のものです。
No.13 燃料電池イノベーション研究センター長・岩澤康裕特任教授の次世代燃料電池触媒の研究
放射光XAFS計測を駆使し、次世代燃料電池触媒の設計指針開発を目指す
電通大に「燃料電池イノベーション研究センター(センター長・岩澤康裕特任教授)」が設立されてから1年半経つ。同センターは、学内に燃料電池の研究教育施設を持つだけでなく、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8に電通大専用の「先端触媒構造反応リアルタイム計測ビームライン」を新設、次世代燃料電池用触媒の具体的な設計指針の開発を目指している。
No.12 知能機械工学専攻・新誠一教授の2自由度制御応用技術
自動車など、動く機械のマイコン制御で先導役を果たす
現在の自動車には数十個のマイコンが搭載されている。電子スロットル制御、後輪操舵システム、アクティブ・スタビライザ、エアバッグ制御、追突時の衝撃吸収のためのヘッドレスト制御…等々、自動車はマイコンによる電子制御の塊だ。知能機械工学専攻の新誠一教授は、この自動車のマイコン制御の開発で先導役を果たしてきた。新教授の専門分野は制御工学。
No.11 ホタル発光系材料の研究(先進理工学専攻 牧昌次郎助教ら)
多色化を実現し、生体深部を観測可能にする赤色長波長発光試薬を事業化へ
情報理工学研究科先進理工学専攻・牧昌次郎助教らの開発した赤色長波長のホタル発光系材料が、今春いよいよ工業化される。これは、ライフサイエンス(生命科学)など様々な研究分野で、現象を可視化する標識材料として幅広く使われている“ホタル発光系試薬”の材料になるもの。今回事業化されるのは発光波長675nmという、天然ホタルのそれ(560nm)よりもずっと長波長領域で発光する材料である。波長の長い光は透過性がよく、生体深部を可視化できるため、長波長領域の発光材料が望まれていた。牧助教らはユニークな手法で長波長発光材料を開発した。
No.10 情報メディアシステム学専攻・冨沢哲雄助教らの自律走行ロボットの開発
日常生活で人間と共存できるロボットの開発を目指す
人が往き来し、自転車が走りまわる公道で自律して目的地に行けるような「自律走行ロボット」を、情報メディアシステム学専攻・冨沢哲雄助教らが開発している。2010年に開発したロボット(電動カート)は、茨城県つくば市の公道で行われた公開試験「つくばチャレンジ2010」で1.2kmのコースを見事完走し、つくば市長賞を受賞した。
No.09 武田研究室のフーリエ変換法とその応用展開
キャリア縞信号を用いた様々な測定分野で世界的に応用が広がる
国際光工学会(SPIE)の国際賞である2010年度Dennis Gabor Awardを武田光夫教授(先進理工学専攻)が受賞した。この賞は、ホログラフィーの発明でノーベル賞を受賞したDennis Gabor博士の功績をたたえて国際光工学会が1983年に創設したもので、光の干渉を応用した計測技術や、ホログラフィー開発などの分野で卓越した研究業績をあげた研究者(毎年一人)に与えられている。
No.08 「エンターテインメントと認知科学研究ステーション」を母体とする思考ゲーム普及啓発活動
思考ゲーム科学技術の普及啓蒙に貢献
「思考ゲーム科学技術の普及啓発」に顕著な功績をあげたという理由で、情報・通信工学科・伊藤毅志助教、同・村松正和教授、総合情報学科・西野哲朗教授、同・西野順二助教(それに、他大学では公立はこだて未来大学・松原仁教授)が、平成22年度の文部科学大臣表彰科学技術賞(「理解増進部門」)を受賞した。
No.07 児玉幸子准教授(メディアアート&デザイン研究室)の磁性流体アートプロジェクト
科学技術を題材として“美”を表現する
科学技術やテクニカルな素材それ自体を芸術作品の題材に据える「デバイスアート」と呼ばれる新しい芸術分野を日本の研究グループが提案している。情報理工学研究科の児玉幸子准教授は、そうした21世紀の新たな芸術潮流を牽引するパイオニアの一人だ。
No.06 白田研究室の「ポリマーナノ光ファイバーによる量子フォトニクス情報通信技術の開発」
量子暗号通信システムに組み込み可能な実用技術の開発を目指す
白田耕藏教授らの提案した「ポリマーナノ光ファイバーによる量子フォトニクス情報通信技術の開発」が、JST(科学技術振興機構)の平成21年度「戦略的イノベーション創出推進事業」に採択された。戦略的イノベーション創出推進事業というのは、平成21年度から始まった、実用技術の開発を目指す制度。
No.05 情報メディアシステム学専攻 佐藤准教授の視覚に関する研究
視覚の機能をコンピュータでシミュレーション可能に
情報メディアシステム学専攻 佐藤俊治准教授の論文が、平成21年度日本神経回路学会論文賞を受賞し、その功績により理研理事長(野依良治博士)から感謝状を授与された。対象になった論文は、盲点の充填知覚の働きを数式化してコンピュータでシミュレーションできるようにし、それが画像処理に応用できることを明らかにしたものだ。
No.04 髙玉研究室のカーゴレイアウトシステム
宇宙ステーション補給機(HTV)の貨物配置決めに採用
わが国初の宇宙ステーション補給機(HTV=H-Ⅱ B Transfer Vehicle)が、2009年9月11日に打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に大量の物資(食糧、水、備品など)を届けて、代わりに廃棄物資を回収、11月2日未明に大気圏に再突入して、無事役割を果たしたが、このHTVに搭載する荷物の配置を決めるのに、人間コミュニケーション学科・髙玉圭樹准教授が開発したカーゴレイアウトシステムが採用され、重要な役割を果たした。
No.03 豊田研究室の希少金属代替触媒材料の研究
白金触媒の反応メカニズムの解明と代替触媒の可能性を探る
豊田研究室はこのほど、日産自動車などと共同でNEDOの平成21年度「希少金属代替材料開発プロジェクト」の委託を受けた。このプロジェクトは自動車エンジンの排ガス浄化に使われている白金触媒を、使用量を減らしたり、代替材料を開発したりするプロジェクトである。
No.02 豊田研究室の量子ドット利用太陽電池の研究
次々世代太陽電池――夢の超高効率実現への挑戦
豊田研究室とジャウメ1世大学(スペイン)との研究交流課題「ナノスケールで設計された低価格半導体ナノ結晶増感太陽電池の研究」が、このほどJST(科学技術振興機構)が実施する戦略的国際科学技術協力推進事業「日本―スペイン研究交流」に採択された。
No.01 レーザー新世代研究センターのセラミックレーザー研究
セラミックレーザー開発の原点は重力波研究
レーザー新世代研究センター所長の植田憲一教授がさきごろ平成21年度科学技術分野の文部科学大臣賞を受賞した。永年に渡るセラミックレーザーの研究に対する貢献を、共同研究者の神島化学工業・柳谷高公氏と一緒に顕彰された。












