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研究者情報:研究・産学連携

ユニーク&エキサイティング研究探訪
No.03 豊田研究室の希少金属代替触媒材料の研究

白金触媒の反応メカニズムの解明と代替触媒の可能性を探る

電気通信学部 量子・物質工学科
豊田 太郎 教授

豊田研究室はこのほど、日産自動車などと共同でNEDOの平成21年度「希少金属代替材料開発プロジェクト」の委託を受けた。このプロジェクトは自動車エンジンの排ガス浄化に使われている白金触媒を、使用量を減らしたり、代替材料を開発したりするプロジェクトである。排ガス中のNOXなどを除去する触媒としては、現在ほぼ例外なく白金触媒が使われている。高価なので回収して再利用する試みはなされているが、再利用を重ねると次第に触媒としての性能が劣化するのが悩みの種だった。代替材料を探そうにも、触媒反応のメカニズムや劣化のメカニズムがほとんど解明されておらず、簡単ではなかった。

豊田研究室は、長年、次世代太陽電池の開発にもつながる半導体ナノ粒子の基礎研究と応用研究を続けて来ている。自動車の排ガス浄化とは縁がなかったが、日産自動車から声がかかり、接点ができた。

出会いを作ったのは同研究室が持つ、ナノ粒子の物理現象を解明する基礎技術。半導体ナノ粒子の研究の中で、豊田研究室は微細な半導体ナノ粒子にレーザーパルスを当て、エネルギーをもらった電子がきわめて短い時間(ピコ秒)にどんな動きをするかを解明する技術を育ててきた。ナノ粒子の超短時間の応答特性を観測することは、それが太陽電池の効率にどう関係しているかを見るためにも重要であり、豊田研究室の太陽電池研究に適用されてきた。

日産自動車が、この技術に着目して、触媒に使っている白金で同様のことができないかと打診してきた。豊田研は依頼を受け、2年前から研究をスタートさせた。

これまでに、白金ナノ粒子の粒径の違いによる触媒性能のデータと、豊田研究室で測定した粒径の違う白金ナノ粒子にレーザー光を当てた時の電子の(緩和)応答特性との間には、明らかに相関関係があることが分かったという。

今回のNEDOプロジェクトはその延長線上にある研究開発で、豊田研究室の役割は、白金触媒の働きを電子状態から調べ、解明すること。「それが分かれば、代替材料を探したり、新材料を設計したりする指針になる」(豊田 太郎教授)という。委託開発期間は3年、そのあとさらに2年実用化研究がなされる予定。

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