このページの先頭です

メニューを飛ばして本文を読む

ここから本文です

サイト内の現在位置

研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
角田 研究室

計算機システムにおけるヒューマンインタフェースに関する
定量的(客観的)評価および使いやすいシステムの設計と実現

所属 大学院情報理工学研究科
情報・通信工学専攻
メンバー 角田 博保 准教授
赤池 英夫 助教
所属学会 情報処理学会、日本ソフトウェア科学会、電子情報通信学会、日本認知科学会、ヒューマンインタフェース学会、人間中心設計推進機構
研究室HP http://ltm.cs.uec.ac.jp
印刷用PDF

掲載情報は2015年8月現在

角田 博保
Hiroyasu KAKUDA
キーワード

ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)、入力装置、携帯型キーボード、ポインティングデバイス、タッチパッド、ヒューマンインタフェース、教育支援システム、インタラクティブシステム、ハンドヘルム(Hand-helm)、入力モデル、SHoes

研究概要

より使いやすいユーザーインタフェースの設計・実現

新しい入力装置ハンドヘルム

コンピュータの入力装置といえば、大多数の人が何の躊躇もなくキーボードとマウスを思い浮かべるだろう。しかし、このキーボードとマウスは最良の入力装置かと言われると、実際は初心者に扱いづらいなどの問題も多い。
当研究室では、人とコンピュータを結ぶ部分であるヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)の中から、より使いやすいユーザーインタフェースの設計・実現を目指して研究を進めている。

片手入力機器ハンドヘルムの研究開発

片手入力機器ハンドヘルムの試作機

ユーザーインタフェースの1つとして、まず入力機器の開発を行っている。その一例が片手かな文字入力キーボードだ。これは、母音を人差し指、濁点を親指、残りの指で子音を入力するという全く新しいスタイルの入力機器だ。実際に1分間にかな文字を180字入力できることから、両手打ちと比較しても遜色ないレベルにまで達している。片手打ちの利点としては、片方の手が空いているので、マウスを操作しながら文字入力を行うことができる。
この片手入力キーボードを発展させた形の1つがハンドヘルムである。この入力装置は、円形に配置されたボタンに子音と母音を割り振ってあり、片手で入力することができる。しかも、ボタンは圧力センサーを採用することでカーソル操作や文字の削除等の機能も利用することができる。さらに、内部には横方向の動きを取るためのジャイロと縦方向の動きを取る加速度センサーが装備されており、Wiiリモコンのような操作を可能としている。実際に携帯電話を利用している人なら1時間ぐらいで操作を習得することができるという。

使いやすい入力手法やeラーニングシステムSHoesの研究

この他にも、ペン入力やウェアラブルキーボード、タッチパッド入力など、入力に関するさまざまな手法を研究している。
入力装置以外にも、使いやすいシステムの設計・実現として、教育を支援するためのシステムを研究している。その中でも、講義を支援するためのeラーニングシステムのSHoesは、教育効果を上げることができる講義システムだ。実際に角田の講義でも利用されている。
具体的には、学生のパソコンをネットワークでシステムに接続することで、先生が授業中に使用している講義の資料データを自分のパソコン上に表示できる。つまり、講義資料をノートにとる必要はないし、その上その資料にメモを付けておくことも可能だ。また、このシステムは学生自身が自由にコントロールすることができるので、自身の理解度に合わせて学習ができ、前のページを参照することも可能で、自分のペースを乱されずに学習でき、理解度が高まる。さらに、質問したいときには掲示板機能を使い、画面にタッチすることで、広い教室内でもその場で先生に質問ができる。
先生側が利用できる機能も、工夫されている。学生の理解度を知るための賛成ボタンや、小テストを出して結果を自動集計する機能なども搭載しており、既存の講義のやり方では得られない、大きな付加価値が加わる。しかもこのシステムは、学生側にはネットワークとWebブラウザ(Firefox)さえあれば、他に何も必要としない、非常に汎用性の高いシステムなのだ。

アドバンテージ

パソコン黎明期から蓄積したデータを生かしたソフトウェア開発

角田は、ソフトウェア開発でエディタを作っていた経験を持ち、当時からパソコンでの文字入力に対して効率の悪さを実感していた。なにかいい方法はないかと考え、さまざまな入力方式を考案し、入力に対するデータ収集を行い、それを解析することで、入力が速くなるポイントを見つけるようにしてきた。これらの知見が研究室の財産となっている。

ハードウェア改造も手がけオリジナル機器を製作

 

また、ソフトウェアの開発はもとより、ハードウェアの加工もできることが強みだ。現在ではゲームコントローラなどの既存の入力機器に改造を加えて、オリジナルの入力機器を製作している。そのため、ハードウェア製作関連の企業と共同研究することで、当研究室で生み出したインタラクティブソフトの機能を生かした新しい装置の開発に大きく寄与できるはずだ。

今後の展開

研究室の技術の実製品搭載と入力に関する客観的指標の作成

将来の目標として、当研究室で研究した技術を製品化したいと考えている。たとえば、片手入力のハンドヘルムを携帯電話会社とコラボレーションして、入力部分として導入することにより、モバイルで全く新しい入力環境を提供するといったことを考えている。
もう1つの目標としては、使いやすさを客観的に評価できる指標の作成がある。これは、人を対象とした入力実験データを統計的に解析することと、人の動き(シーケンス)の無駄を極力減らした入力手順を示し、これらから入力モデル(指標)を作る。このモデルにより、実際に入力テストをすることなく、入力時間を算出できるようになることを考えている。

eラーニングシステムのSHoes
研究・産学連携
研究
産学官連携