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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
野崎・内田 研究室

化合物半導体材料・デバイスと半導体ナノロッドの作製・応用

所属 大学院情報理工学研究科
先進理工学専攻
メンバー 野崎 眞次 教授
内田 和男 教授
所属学会 American Physical Society、Materials Research Society、Electrochemical Society、IEEE、応用物理学会
研究室HP http://www.w3-4f5f.ee.uec.ac.jp/
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掲載情報は2015年8月現在

キーワード

ナノテクノロジー、化合物半導体、LSIプロセス、MOVPE、LED、HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)、酸化物半導体、DLTS

野崎 眞次
Shinji NOZAKI
内田 和男
Kazuo UCHIDA

研究概要

高性能半導体デバイス、ナノロッドの作製

当研究室が掲げる主な研究テーマは大きく2つ。「化合物半導体材料・デバイス」と「半導体ナノロッドの作製・応用」だ。
具体的にはMOVPE(有機金属気相成長)装置や化学合成で、次世代半導体材料や半導体ナノロッドをつくり、その機能を生かした高性能電子・光デバイスの開発に取り組んでいる。MOVPE装置は、GaAsやInPなどのIII-V族化合物半導体用、次世代半導体材料として注目される酸化物半導体用、そして青色発光ダイオードの材料であるGaNなど窒化物半導体材料用の3台有し、幅広い化合物半導体デバイスの研究を行っている。

化合物半導体材料・デバイス

最近の注目すべき研究成果は、信頼性の高いInP/InGaAs, InGaP/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの開発に成功したことだ。これらのヘテロ接合バイポーラトランジスタは、大電流、高周波動作といった特徴を備え、携帯電話、光通信などのパワー素子としての応用が期待される。
従来のバイポーラトランジスタは、ベースを高濃度にできず高周波動作が困難であったが、エミッタにワイドギャップ半導体と呼ばれる材料をもちい、ベースのP形不純物にカーボンを用い、この欠点を克服した。また、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの高性能化にはエミッタとベースに異なる材料を用いるためその界面を高品質化する必要がある。当研究室では、半導体デバイスの欠陥評価としてラプラス変換Deep Level Transient Spectroscopy(DLTS)やCharge Transient Spectro-scopy(QTS)などを独自に開発し、各種半導体デバイスの高性能化に活用している。
また、高濃度のベースをもつヘテロ接合バイポーラトランジスタは、大電流での動作中に劣化する問題があるが、エミッタの形を変えたレッジパッシベーションという構造をトランジスタに加えることにより信頼性を向上させることに成功した。
光デバイスでは、当研究室は、赤、黄、青、赤外、紫外の高輝度LEDの開発を行っている。赤、黄色はInGaP、青はInGaN、赤外はGaAsそして深紫外にはAlNという半導体を使っている。LEDは、長寿命、低消費電力という環境に優しい発光デバイスとして注目されるが、高輝度青色LEDの開発はまだまだ不十分である。また、医療を含む様々な分野での利用が期待される深紫外LED材料として高品質なAlNのMOVPE成長を行い、照明用高輝度の紫外光LEDの開発に力を入れている。
また、当研究室では、ワイドギャップ半導体材料として高品位な各種金属酸化物半導体の作製を可能とするMOVPE装置を独自に開発した。P形のニッケル酸化物NiOとN形の亜鉛酸化物ZnOを使って紫外光LEDの作製も行っている。

リソグラフィー用クラス100クリーンルーム

当研究室では、塗布ガラスを紫外光照射下で低温でさらに酸化し、高品位なゲート酸化膜を作製するUV酸化法を開発し、そのUV酸化法を利用して金属を酸化し、酸化物半導体を低温で作製する技術を確立した。この技術は次世代エレクトロニクスとして注目されるプリンテッドフレキシブルエレクトロニクスに応用が期待される。現在はこのUV酸化法を用いて、印刷技術により堆積した各種金属を低温で酸化して酸化物半導体集積回路をフレキシブル基板上に作製するプリンテッド・フレキシブルエレクトロニクスの基盤技術を開発している。

半導体ナノロッドの作製・応用

当研究室では、化学合成によりNiOやZnOのナノロッドを作製している。ZnOナノロッドを指定した箇所のみに作製する選択成長技術などを開発し、P形NiOとN形ZnOナノロッドを積層したPN接合を用いた紫外光LEDやディテクターの開発を行っている。

アドバンテージ

企業に引けを取らない設備とベンチャー企業を持つ

アメリカでの大学院と企業での長い研究経歴を有する野崎と内田は、応用研究に比重を置いている。大学の研究室というと基礎研究に力点を置き、実用化に至る過程はあまり視野に入れていないイメージがあるが、ここでは上流から下流まで、つまり基礎研究から実用化まで、一貫して手がけている。
それを支えているのが充実した実験施設と設備。レベルの高いクリーンルームを持ち、そのなかにMOVPE装置をはじめとする各種設備が整然と並んでいる。その内容は大学の一研究室のものではなく、企業と比べても引けを取らないレベルだ。
さらにユニークなことに、当研究室は大学発ベンチャー企業も持っている。株式会社ナノテコ(http://www.nanoteco.com/)は、ヘテロ接合高周波バイポーラトランジスタや白色を含む可視光、赤外LEDの製造販売など、野崎・内田研究室の研究成果を民間に移転する役割を担っている。

半導体プロセス用クラス10000クリーンルーム(1)
半導体プロセス用クラス10000クリーンルーム(2)

今後の展開

酸化物半導体のヘテロ接合デバイスと化合物半導体ナノワイヤーを使った環境発電MEMSの開発

化合物半導体デバイス作製用MOCVD
(有機金属気相成長)装置

最近開発したMOVPE装置を活用して、NiO、ZnOなどの各種酸化物半導体を組み合わせたヘテロ接合の作製、酸化物半導体のドーピングによる伝導型やキャリア濃度の制御を行い、新規酸化物半導体ヘテロ接合デバイスを開発していく予定である。また、これまでに高性能ヘテロ接合バイポーラトランジスタやフォトトランジスタの作製に成功しており、今後は、トランジスタを電池なしで動作させるナノワイヤーを使った環境発電素子と組み合わせたMicro Electro Mechanical System(MEMS)の開発も行なっていく。
現在は半導体の研究が中心だが「おもしろいことはなんでもやる!」というのが当研究室のモットーだ。今後も、驚くような研究成果が発表されるにちがいない。

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