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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
冨澤 研究室

地震電磁気現象、電離圏電子密度擾乱、
衛星通信、スキー滑走抵抗計測、ものづくり教育

所属 宇宙・電磁環境研究センター
メンバー 冨澤 一郎 准教授
所属学会 球電磁気・地球惑星圏学会、電子情報通信学会、米国地球物理連合、日本天文学会、日本スキー学会
研究室HP http://ssro.ee.uec.ac.jp/lab_tomi/index_j.html
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掲載情報は2015年8月現在

冨澤 一郎
Ichiro TOMIZAWA
キーワード

電磁波計測、地球物理現象、地震電磁気現象、電離圏擾乱、衛星通信、摩擦計測、菅平宇宙電波観測所、ものづくり、スキー滑走抵抗計測

研究概要

地球物理現象研究で開発した先端的電磁波観測技術を活かして多様な研究を展開中

当研究室の主たる研究テーマは2つある。1つは地震にともなう電磁気現象研究、もう1つは、電離圏擾乱研究である。この2つの地球物理研究を効果的に遂行するために、ELF帯からUHF帯まで広範囲の電磁波観測技術の開発を行ってきた。
地球周辺では、地震・大気・電離圏・磁気圏・太陽が原因となり、時々刻々、さまざまな電磁気的変動を起こしているが、それらの地球物理現象を研究するためには最先端の電磁波観測技術が必要となる。
当研究室では、研究過程で獲得した微弱電磁界計測、測位衛星電波受信、信号処理、遠隔観測制御に関する先端技術を活かし、広く電磁波の計測研究に取り組んでいる。

地震に伴う電磁気現象の研究

私たちの生活の大きな脅威である地震と電磁気的現象の関わりについては、1980年から研究を行い、いくつかの電波雑音増加現象を報告してきた。神戸淡路大震災の震源である野島断層では地中伝搬実験を行って、地中500mからの送信信号の検出に成功し、地震との関連性を窺わせる結果を得ている。さらに深部からの電磁気信号の伝搬実験を行い、地震電磁気現象理解への貢献を目指している。

電離圏擾乱の研究

これも当研究室の重要な研究テーマである。電離圏は100~1000km上空に位置し、そこでは、太陽紫外線やX線により大気を構成する原子や分子がイオン化している。そのため電離圏は、太陽変動や台風などの大気変動、オーロラなどの磁気圏変動まで、非常に多くの地球物理変動を写す鏡として働き、地球物理研究で非常に重要な領域となっている。この電離圏を観測することで、その観測データを太陽や地球活動の研究に活かすことができるのである。

アドバンテージ

先端的観測技術、地球物理的研究

当研究室は、調布キャンパス内から高安定短波帯電波を送信し、その反射電波のドップラシフトや到来方向の変動を菅平の他、9カ所の国内観測点で常時受信している。またETS︲8やGPSなどの測位衛星から送信されるUHF帯電波強度変動も24時間絶え間なく受信している。こうして、常時、電離圏領域変動をモニタしており、そのモニタ情報は、一般にもリアルタイムで提供されている。
このように、地球という大きな対象を研究する先端的な電磁波観測技術とさまざまなノウハウに立脚して、地球物理的研究を推進していることが、当研究室の大きな特徴である。

素晴らしい環境と設備を誇る菅平宇宙電波観測所

人工衛星追尾用3.6m∅パラボラアンテナ
(菅平宇宙電波観測所)
短波電離層擾乱観測用送信局JG2XA
(ルビジウム原子発振器を基準)

何と言っても菅平宇宙電波観測所(長野県)という専用研究施設を全面的に活用できることが、当研究室の利点であり独自な点である。直径3.6mパラボラアンテナ2基の他、多様な衛星電波受信アンテナと衛星追尾システムも備えている。夏季の宇宙通信工学の授業では、この人工衛星追尾システムを用いて実際に人工衛星を動かしてみるという実習も行っている。
また、菅平では、スキー滑走抵抗の計測といった研究も行っている。積雪環境に恵まれた菅平ならではの研究である。スキー研究の方は他の研究室との共同研究であるが、当研究室の計測のノウハウを活かして、摩擦計測システムの開発、滑走雪面物性と滑走抵抗との関連性研究といった側面で貢献している。
菅平宇宙電波観測所は、学内はもちろん、広く学外の教育関係の方々などに開放されている。興味のある方は、是非、一度訪れて研究施設の全容を見てほしい。

今後の展開

先端技術教育に注力、企業との共同研究の端緒に

研究とともに力を入れていきたいのは、先端技術教育である。
当研究室では、計測機器などもほとんど自前で製作している。こうした「ものづくり」といったことは、実は理系的センスを養う上でも大切で、どのような分野であっても自立的・独創的な研究をするには、実験目的に合わせた機器を自分で発案・設計する能力が不可欠なのである。
当研究室は地球物理学という直接製品化には関わらない分野で研究を行っているが、課題を研究する過程を通じて、自分で問題を考え抜き、自分で実験装置等を作れる「自立した理系学生」の育成を目指している。そして、このような理系学生を送り出すことで、企業社会にも貢献できるのではないかと考えている。
地球内部や太陽、宇宙といったロマン溢れる研究を行いつつ、どんな企業でも通用する幅広い実用的応用知識を身に付けることができる。それが当研究室の目指している姿である。

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