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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
森田 研究室

情報データ解析学の構築と実践

所属 大学院情報システム学研究科
情報ネットワークシステム学専攻
メンバー 森田 啓義 教授
眞田 亜紀子 助教
所属学会 IEEE、ACM、電子情報通信学会、情報処理学会、情報理論とその応用学会
研究室HP http://www.appnet.is.uec.ac.jp/
印刷用PDF

掲載情報は2015年8月現在

森田 啓義
Hiroyoshi MORITA
キーワード

情報データ、画像データ、情報理論、MPEGシーン解析、モデル化、反辞書符号

研究概要

情報データの伝送・保存を効率化

IT社会の進展に伴い、私たちの生活はさまざまな情報データに囲まれている。この情報データの素性・本質を解明し、伝送・保存技術を効率化するとともに応用の幅を広げるのが「情報データ解析学」である。
情報データの中でも一般に馴染み深いのは映像データだろう。当研究室では、この映像データの伝送・保存・応用について、次の研究・開発に取り組んでいる。

スケーラブルビデオのマルチキャスト通信

スケーラブル(拡大・縮小可能)なビデオは、IT分野ではシステムの規模にかかわらず幅広く適用できるので、ハイビジョンから携帯電話のワンセグまで、1本のビデオストリームで各機器に合わせて配信できる通信技術を研究開発している。ビデオ映像が伝送されるプロセスを解明し、ビデオ配信を効率化する仕組みをネットワーク上に実装するのが目標である。

分散ハッシュテーブル(DHT)の解析とITSへの応用

P2Pネットワーク上で情報の求め先となるホストを検索するシステムとして注目を浴びるDHTの挙動を解析し、アドホックネットワークへの応用を探る研究である。

MPEG2/4ビデオ監視ネットワークシステム

MPEGは映像や音声データの圧縮方式の1つで、マルチメディア符号化の規格である。MPEG1~MPEG4、さらにコンテンツ記述のためのMPEG7と、それぞれ用途が決まっている。
MPEG2はDVDやハイビジョンなど、MPEG4はストリーミングやデジタルカメラの動画などに使われている圧縮方式である。このMPEG2とMPEG4の動き補償の仕組みを利用して、侵入者検出ネットワークシステムの開発を目指している。

ハイライトシーンの自動検出

MPEG2とMPEG4を使った様々なビデオの中から見たいシーンを自動的に検出するシステムの開発や、MPEG情報を振動パターンに変化させてAV機器などの視聴システムの臨場感を高める研究である。
また、情報理論分野の研究にも取り組んでいる。

木構造の符号化とデータ圧縮

全文検索に用いられる「サフィックス木」「サフィックス配列」と、テキストに現れない単語を登録した「反辞書」の関係を探り、その結果をデータ圧縮法の効率化に応用することを目指している。

秘密共有システムの構築

特定の複数ユーザーが持っている情報をすべて合わせると秘密情報の内容が判明するが、1人でも欠けると秘密情報が漏洩しないというシステム理論の構築と、ネットワークへの応用が、目標である。

整数符号を用いた符号化変調

振幅位相変調と符号化を同時に行う環上で定義された符号について研究を進めている。特定の平面パターンの誤りを訂正できる「整数符号」を初歩的な数論の知識だけで構成・訂正できるパターンを拡大するのが目的である。

WBAN(Wireless Body Area Network)における最適符号化

眞田助教が中心になって取り組んでいるテーマで、人体に取り付けたセンサーの消費電力と計算コストを抑えるために簡単なXOR演算を用いてデータ伝送時のパケットロス率を最小に抑える符号をグラフ理論を用いて構築する。
当研究室では研究発表中心の全体ゼミのほか、情報データ解析とネットワーク関連のテキスト輪講を笠井裕之研究室と一緒に実施している。新M1の学生はネットワーク、ビデオ解析、情報理論のいずれかのグループに参加して、ディスカッションをしながら研究方法を学ぶことになっている。研究方針が決まるまでの期間は半年から1年が目安で、研究テーマや方針が決まった後は、定期的に進捗状況を報告しながら各自研究を進めていく。

WBANシステムの概要

アドバンテージ

ハイライトシーンの自動検出技術で特許出願中

MPEG2で圧縮されたビデオ画像(スポーツ映像)をサンプルに、必要なシーンだけ、見たいところだけ見られる「シーン検索機能」について研究している。サッカーの画像をワンショットずつパターンで振り分け、シーン検出を行った結果、シーン検出の再現・適合率は「シュートシーン」がそれぞれ約75%、約81%、「ゴールシーン」は約84%、約76%であった。ショットの分類法については、特許出願中である。
これ以外にも高臨場感システムとして、MPEGデータ中の特定シーンに反応して振動するチェアなども開発している。

物体の交差後も追跡が継続している例
MPEG2から取り出した物体情報を加工・表示
MPEG2を直接利用した物体追跡の研究-計算量の少ない実時間処理に適した複数物体の追跡

今後の展開

情報データ解析学の体系化を目指す

情報データ解析学の探究を始めてから30年以上が経過した。
1970年代後半に「情報理論」からスタートし、これまでに算術符号や辞書式符号、整数符号やフレーム同期などを研究した。
また80年代初めから90年にかけて、ファクシミリや心電図などのデータを圧縮したり、光を当てて表面の形状を計測する3次元物体表面の非接触計測といった「図形・画像処理」に取り組んだ。
現在は情報理論に加え、90年代半ばから取り組んでいる多重ビデオ伝送やMPEGデータのモデル化が主な研究テーマになっている。少しずつ情報データ解析学に関するさまざまなファクターが揃いつつある。
今後もさらに新分野を開拓して、将来的には情報データ解析学を体系化したいと考えている。

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