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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
田中(一)・田中(基) 研究室

ロボット・制御・生体分野をコラボした機械工学

所属 大学院情報理工学研究科
知能機械工学専攻
メンバー 田中 一男 教授
田中 基康 助教
所属学会 IEEE、計測自動制御学会、日本機械学会、電気学会、日本ファジィ学会、日本ロボット学会
研究室HP http://www.rc.mce.uec.ac.jp/
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掲載情報は2015年8月現在

キーワード

制御、生体、脳波、ファジィ制御理論、飛行ロボット、非線形制御、ヘビ型ロボット、ロボット

田中 一男 Kazuo TANAKA
田中 基康 Motoyasu TANAKA
 

研究概要

飛行ロボット、ヘビ型ロボットから脳波研究まで

当研究室は主に4つのテーマに取り組んでいる。「飛行ロボットの制御」「ヘビ型ロボットの制御」「ファジィ制御路理論とその産業応用」「脳波の工学的応用」だ。

飛行ロボットの制御

パラグライダーロボットのレスキューミッションフライト

パラグライダーロボット(PPG)を用いた無人飛行ロボットシステムの研究を行っている。被災地において上空から情報収集を行う無人飛行情報収集システムの実現が目的だ。PPGはパラシュートを持つため、制御不能時もすぐに墜落せず安全である他に、機体が小型軽量という特徴を持つ。従来の無人飛行体は大型で高価であったが、本システムは小型で安価であるため、地方自治体レベルでの大量導入が実現可能となる。
当研究室はPPGにさまざまなセンサを搭載し、センサ情報を用いた高度制御、方向制御を行っている。ポイントは、風などの外乱の影響を受けても墜落しない、安定な制御器を理論的に導出している点だ。提案制御器を用いることで、人間の手動操作では電波が届かない目標地点までの往復1kmの自動レスキューミッションフライトを達成した。離着陸のみ手動で行ったが、その他は自動で目標地点を経由し元の場所まで帰還することができた。
現在は自動離着陸制御、風向やバッテリー残量を考慮した経路計画を導入し、離陸から着陸までを完全自動で行うことを目指している。

ヘビ型ロボットの制御

ヘビ型ロボット

ヘビ型ロボットは関節の数が非常に多く、操作が大変難しい。人間が操作できる限界を超えているのだ。当研究室ではヘビ型ロボットを「賢く動かす」ための制御について研究している。人間が「前に進め」「右に曲がれ」と指令を与えたとき、それを実現するための関節の動きをロボットが自動計算し、実行する。生物が行っている「荒地環境での前進」「木登り」だけでなく、生物が行わないような「運搬作業」への応用などを試みている。

ファジィ制御理論、産業応用

ファジィ制御理論には2つのアプローチがある。「熟練技をファジィ理論によってコンピュータ化」するアプローチと、「ファジィ推論プロセスの非線形を利用」したアプローチだ。
前者のアプローチでは、ラジコンヘリコプターの熟練操作者の巧みな操縦をデータにとってコンピュータで解析し、自動的にルールを作って制御すると、熟練者と同等かそれ以上の結果が得られることがわかった。
後者のアプローチでは、ラジコンヘリコプターの動きを非線形な数学モデルで表現し、この数学モデルから安定に飛行するようなコントローラを設計することで、実際のラジコンヘリコプターも安定飛行が可能になる。
当研究室では、産業応用として、クリーンルームの恒温恒湿制御、石油精製プラントの制御、高層用高速エレベータのモーション制御、ごみ焼却プラントの制御、などを試みている。

脳波の工学的応用

パラグライダーロボットの実験の様子

異色な研究としては、脳波を工学的に応用する研究を行っている。「点滅するLEDを見る」ことで生じる脳波を計測し、車椅子や飛行ロボットを動かす実験に取り組んでいる。人間は点滅する光を見ると、その点滅周期に依存した脳波が生じる。異なる周期で点滅するLEDを複数用意することで、脳波からどのLEDを見ているかを判断できるのだ。実験段階では四択問題に対して95%の識別率を達成しており、実用化の可能性が見えてきたところである。

アドバンテージ

簡単に、自然に、効果的に

脳波による車椅子操作

研究開発に関するモットーは「簡単に、自然に、効果的に」だ。このモットーが当研究室の強みでもある。
PPGの制御では、本質を捉えた簡単な数式モデルを構築することで、複雑なモデルを用いることなく効果的に高度と方向を制御することができた。もし複雑なモデルを用いれば、制御に必要な計算量が大きくなる。結果、機体に搭載するコンピュータが大型化して重くなってしまい、飛行ロボットは飛べなくなる。本質を捉えて簡単なモデル化を行うことで、大きな効果が得られるのだ。
ファジィ理論の非線形制御への活用も同じだ。線形制御に比べてより難しい非線形制御にファジィ理論を用いることで、扱いが簡単になる。これはエンジニア側には大歓迎だ。
ヘビ型ロボットの制御では「前に進む」「右に曲がる」際の関節の動きを工夫することで、同時に転倒の回避やエネルギーの最小化などを実現している。制御というアプローチを用いることで、人間では思いつかないような効果的な動作が可能となる。

今後の展開

有事への備え、民間企業への積極的な技術移転を目指す

鎌首をシミュレーション

当研究室は「使える理論」「役に立つ技術」を心がけている。技術移転にも積極的だ。飛行ロボットおよびヘビ型ロボットの制御研究は、レスキューロボットへの応用を目指す。災害時以外でも、飛行ロボットは巨大構造物の外観検査、ヘビ型ロボットは配管検査といった作業に有効である。以上の応用例に対し、実用化を意識した制御技術の開発を目指す。
脳波の工学的応用研究では、車椅子だけでなくアミューズメントへの技術移転も提唱している。例えば、念じることでTVゲームの主人公を動かすといった遊びができる。これにも大手ゲームメーカーが興味を示しているようだ。

研究・産学連携