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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
内海 研究室

Web情報検索支援システムの開発、言語理解の認知メカニズムの解明

所属 大学院情報理工学研究科
総合情報学専攻
メンバー 内海 彰 教授
所属学会 日本認知科学会、人工知能学会、情報処理学会、言語処理学会、日本語用論学会
研究室HP http://www.utm.se.uec.ac.jp/
印刷用PDF

掲載情報は2015年8月現在

内海 彰
Akira UTSUMI
キーワード

言語情報処理、言語認知科学、Web情報検索支援、情報組織化、認知科学、認知心理学、修辞表現、意味空間

研究概要

人間の情報伝達の中枢は「言語」。その言語認知メカニズムの解明を目指す

世の中のほとんどの情報は言葉によって伝達される。この事実は、通信技術がどれほど高度化されようと、社会のネットワーク化がさらに進展しようと、変わらない。
むしろ、インターネットを通じて膨大な情報が簡単に手に入るようになった現在、言葉で表現された情報をコンピュータ処理することや、コンピュータによる言語処理の背後にある人間の言語認知メカニズムを解明することが、ますます重要になってきている。
当研究室では、言葉の工学的処理(言語情報処理)と、言語認知の科学的探究(言語認知科学)を2本の柱として、言葉やその背後に潜むヒトの知能に関する学際的な研究を行っている。

言語情報処理

この領域では、内容、ジャンル、見た目といった様々な観点に基づくWebページの自動分類を中心としたWeb検索支援システムの開発を主に研究している。
日頃、何らかの事柄をインターネットで検索したとき、膨大な項目が羅列された検索結果画面を見て、うんざりした経験をお持ちの方も多いであろう。検索結果が、もっと分類されていれば、あるいは何らかの見やすい小見出しが付いて表示されるなら、ネットでの調べものは格段に容易になり、所要時間も短縮できるはずだ。
当研究室では、そのために、Web情報の検索支援システムを開発しているところである。
具体的には、Webページの自動分類はもとより、Webページで提供される情報の「新しさ」や「信頼性」をコンピュータに自動推定させ、それらの情報をもとに膨大な情報をフィルタリングしてユーザーの必要とする情報を提示するシステムを考案中である。また、電子化された文書の自動要約技術についても研究している。

言語認知科学

この領域では、計算機シミュレーションと心理実験を用いて、人間が比喩やアイロニーといった高度な修辞表現をどのように理解・鑑賞しているかを調査し、修辞表現の生成と認知メカニズムの解明を試みている。
また、小説や新聞記事などの大量の電子化テキストから、様々な言葉の出現の仕方や頻度、複数の言葉が近くに出現する(共起関係)頻度などを統計的手法によって処理し、言葉の意味を多次元ベクトルとして表現する「意味空間」といったものを構築し、これを用いて言語の認知過程をコンピュータ上で再現する試みも行っている。
さらに、こうした言葉相互の関係性や複数の「言葉群」が喚起する言語空間イメージがどのようなものであるのかを詳細に検討し、その結果を、①の研究に代表されるコンピュータによる言語情報処理技術の発展に、フィードバックすることも可能となる。

アドバンテージ

言語の工学的処理と科学的探究の両方を行っている学際的研究室。修辞表現のメカニズム研究では既に世界的評価

検索支援システムに代表されるコンピュータによる言語の工学的処理と、人間の実際の心理の動きを探る認知科学と心理学研究の両方を行っている珍しい研究室である。
言語の工学的処理は情報工学の分野で、言語認知の方は心理学や言語学といった分野で、理系と文系に分かれてまったく別個に研究されているのが通常である。1つの研究室で、この2つを同時に研究・実践しているのは、日本ではまだ非常に珍しいケースであり、そこに当研究室の独自性があると考える。こうした2つの方向性から物事を考えることにより、研究の視野も広がり、より実効性のある研究が実現できると思っている。
また、人間の認知システムの研究に、工学的視点を導入していることも、新しい点である。
さらに、修辞表現の認知メカニズムの研究では既に世界的レベルにあり、高い評価を受けている。

今後の展開

研究の実用的側面への適用を目指す。Webページ自動分類と検索支援システムは試作品段階に

Webページの自動分類と検索支援システムについては、自動分類を実現するプログラム自体は、かなりのものが完成している。現在の課題は、分類結果を画面上でユーザーにわかりやすく提示するには、どういった形にすればよいかであり、その方法を摸索しているところである。このシステムはできればユーザー側のシステムに、ソフトウェアとして実装したいと考えており、1、2年後の完成を目処に試作品の製作に入る予定でいる。興味をお持ちの企業があれば、是非お声をかけてみてほしい。
今後は、②言語認知科学の研究成果を、Web検索をはじめとして、実用的な方向へ還元させていきたいとも考えている。こうしたジャンルに興味のある企業の共同研究のお申し出などは、大歓迎である。実用性という視点からは、コストや一般的利便性といった厳しい評価をくぐり抜ける必要があるので、是非、一般企業の皆さんからの有意義な示唆を受けたい。
また、より研究的な側面においては、レトリック、ユーモア、ジョークなどの生成や、広く「お笑い」といったジャンルの分析研究も行っていきたい。
そのうちに「お笑いのわかるコンピュータ」や「短編ミステリを執筆するコンピュータ」ができる日も来るのではないか。そんな大きな夢を抱いて、その夢の一端を担える研究を目指している。

研究・産学連携