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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
中村(淳) 研究室

ナノスケール構造体の物性研究、ナノマシンテクノロジー、
ナノデバイスのシミュレーション、物質設計

所属 大学院情報理工学研究科
先進理工学専攻
メンバー 中村 淳 教授
所属学会 日本物理学会、応用物理学会、日本表面科学会、アメリカ物理学会、アメリカ材料科学会
研究室HP http://himalayas.ee.uec.ac.jp/
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掲載情報は2015年8月現在

中村 淳 Jun NAKAMURA
キーワード

ナノエレクトロニクス、ナノマテリアルの電子物性、誘電特性、光学特性、磁気特性、電気伝導、カーボン系新材料開発、量子ドット、カーボン系触媒

研究概要

高度情報化社会の電子工学におけるナノテクノロジーの世界を総合的に探究

現在の高度情報化社会では、電子機器の多くは急速に小型化している。手のひらサイズのモバイルスーパーコンピュータ、原子・分子サイズの機能性デバイスを用いた多機能センサ、医療用機器など、近い将来に現れるかもしれない「夢の製品」の鍵を握るのが、電子工学におけるナノテクノロジーである。
当研究室では、計算科学と物理学の知識に基づき計算機シミュレーションを用いた理論計算の手法で、ナノテクノロジーの世界を探究している。
電子工学のナノテクノロジーは、究極的には原子1個単位の構造を作製し物性を制御する技術のことである。ただし、物質がナノメートルサイズ(ナノスケール)になると量子効果や強電界効果に付随した不思議な性質が現れてくるので、その不思議な現象そのものを、まず解析する必要がある。
当研究室では、こうした原子や分子の微小な世界(量子世界)を探究するとともに、①物質を小さくしていくとどうなるかというトップダウンの研究、②原子配列を制御することで、一定の物性を強化したり、あるいは新たな物性を発現させるというボトムアップの研究、の両方に重点を置いている。

ナノマシンテクノロジー

ナノスケールのマシンテクノロジーの研究としては、原子間で生じる摩擦機構の解明とその制御を課題としている。マシンが小さくなればなるほど、体積に対する表面積の割合が大きくなるため、物体間の摩擦力の影響が強く出てくる。したがって、ナノサイズのマシンをうまく動かすためには、原子と原子の間の摩擦を制御する技術が不可欠なのである。

ナノデバイス

ナノデバイスのシミュレーションとしては、特に超薄膜のトンネル効果や誘電特性を研究している。現在、シリコンを使った電子工学的デバイスのほとんどは、MOS構造を基本構造としている。こうした電子素子は、集積度を上げるとともに消費電力を抑えたいという要請からどんどん微細化しているが、どこまで微細化できるかは、絶縁性を保持したまま絶縁膜をどこまで薄くできるかで決まる。そこで、絶縁性を妨げる作用を及ぼす現象、つまり電子や正孔(ホール)がナノスケール厚さの障壁を擦り抜けていくトンネル効果を調べるとともに、超薄膜の誘電特性を評価している。

次世代デバイス用材料の探索

物質設計の立場から、次世代デバイス用材料の探索も手がけている。特に、カーボン系の新素材(カーボンナノチューブ、グラフェンとそれらの誘導物質)の構造や電子状態、光学的・磁気的・熱的性質の解析においては、世界トップレベルを走っている。最近では、白金などの高価な触媒に代わる、カーボン系触媒の設計、熱を電気に変える熱電変換素子の設計で成果を上げている。
量子コンピュータの素子として注目を集めている量子ドットについても、ドットの多電子状態で電子分布がどうなるか(電子相関)、電子のスピンの整列はどうなるか(スピン相関)などの問題を、量子モンテカルロ計算によって調査中である。

アドバンテージ

ミニスーパーコンピュータの導入、コンピュータ環境がさらに充実

NEC SX-6i

充実したコンピュータ環境が、当研究室のアドバンテージである。合計400コア以上の超高性能並列ワークステーションを完備しており、最近、ミニスーパーコンピュータ(超高性能ベクトルコンピュータ、NEC SX‐6i)も導入した。このレベルのコンピュータを1研究室として保有している例は、かなり珍しいと思われる。

広い人的ネットワーク

当研究室では理論や理論計算が中心的研究手法なので、理論に基づいて試みた計算結果やシミュレーションの有効性を検証する必要から、学内外の多くの実験系研究室と共同研究を幅広く手がけてきた。このように、学内に止まらない人的ネットワークを広く有していることも当研究室の強みであると考えている。

今後の展開

新しい機能性物質を見出すために基礎研究を幅広く行っていきたい

最近、ミニスーパーコンピュータの導入により計算機シミュレーションに飛躍的な成果が現れ始めたところでもあり、今後の展開を楽しみにしている。
特に、実験系研究室との情報共有が研究推進のモチベーションにもなっており、多くの共同研究を積極的に進めたいと考えている。
今後は主に、①ナノスケール物性測定理論の構築、②新奇ナノ物質の物性予測、に力を入れたいと考えており、各種材料開発系メーカー、ナノレベル測定機器開発メーカー等との共同研究を企画したいと考えている。
また、当研究室ではナノスケールの物性や相互作用の計算・解析のための独自ソフトウェアも順次開発しており、将来の公開を目指している。
こうしたシミュレーション技法(第一原理電子状態計算、分子動力学計算など)の材料開発への適用にご興味がおありの向きは、是非お問い合わせいただきたい。

研究室紹介マンガ(当研究室のウェブサイトで公開中)
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