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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
上野 研究室

超高速デジタル光信号処理、超高速光通信機能デバイス、
超高周波の光クロックパルス発生

所属 大学院情報理工学研究科
先進理工学専攻
メンバー 上野 芳康 教授
所属学会 Optical Society of America (OSA)、IEEE/LEOS、応用物理学会
研究室HP http://www.ultrafast.ee.uec.ac.jp/
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掲載情報は2015年8月現在

上野 芳康 Yoshiyasu UENO
キーワード

超高速光通信システム(OTDMシステム)、光ロジック、光トランジスタ、SMZ-DISC型半導体全光ゲート(光信号波長変換)、DISC-Loop型光クロックパルス発生器、超短光パルス信号(幅2ピコ秒以下)、光3R再生ゲート、光バッファーメモリー、光半導体集積回路技術(省エネルギー・超小型・共通基盤技術)

研究概要

超高速・大容量で省エネルギー、未来の光情報通信技術を研究開発

高速・大容量かつ省エネルギーを可能とする未来の光情報通信技術(OTDMシステム)を研究開発している。
具体的には、半導体光増幅器の中で起きる超高速現象を利用した、高速光信号の直接制御や信号処理を研究している。
現代の高度情報化社会を支えている全世界の光通信網では、世界最高速の電子トランジスタが使われており、今最も高速の通信ビットレートは、毎秒40ギガビットである。しかし、その電子トランジスタは毎秒80ギガビットで実用限界に達すると言われている。
また、現時点での光通信技術は光ケーブル内の行き来のみが光信号で行われており、ルーティングなどの信号処理は、全て低周波電気信号に変換して行われる。これを低周波電気信号に変換せずに、高周波の光信号のままやり取りできるようになれば、情報通信速度は飛躍的に高まるわけである。この「光信号同士の通信」こそ、過去30年間、誰もが実現を夢見ながら果たせなかった大目標なのである。

光トランジスタ(光ロジック)

そのために不可欠となるのが「光トランジスタ」(光ロジック)である。現在の電子トランジスタでは、前述のように毎秒80ギガビットのラインで、材料(シリコン)上の、あるいは動作効率・発熱などの回路設計上の限界にぶつかってしまう。したがって100ギガビット以上の高速通信を目指すには、どうしても光ロジックが必要になるのである。

アドバンテージ

光ロジックの研究で、世界の最先端を走るリーディンググループである

光ロジックの研究は1990年代半ばに始まった、新しい先端工学分野である。専門に研究している機関も、まだ世界で10カ所程度である。その中でも、先駆的研究成果を上げているのが日本の研究機関であり、当研究室は、日本のトップグループの1つである。
当研究室では、毎秒160~640ギガビットの超高速通信の実現を目指して、光ロジックに関連した様々な研究を行っている。当面の目標は、160ギガビットの相互光通信である。
そのために光ロジックゲート速度の限界要因(信号ビットレート制限要因)や、ゲート動作効率の将来ビジョンを探るとともに、実際に超高速光ロジックゲートを開発している。
特に、超高速SMZ︲DISC型半導体全光ゲート等で、半導体光増幅器とハイブリッド光回路を組み合わせた独自方式を開発している。上野は、企業時代に超高速・広帯域な光ロジックの研究成果として、SMZ︲DISC型半導体全光ゲート、DISC︲Loop型光クロックパルス発生器を開発している。
2001年には世界最高速の光3Rゲートの実証実験も行っており、この分野で先駆的な成果を多く上げている。こうした経験と成果の蓄積を有することが、当研究室の大きなアドバンテージである。

今後の展開

毎秒400ギガビット超の未踏領域を目指す企業とより積極的な研究交流を図りたい

高速通信では、入力信号としてどれくらい多くの光信号を詰め込めるかということが重要なキーポイントである。これは、基本的に、短い時間にどれだけのデジタル信号を詰め込むか(時間多重)と、どれくらい多くの波長を重ねるか(波長多重)により決まる。

200Gbps光信号発生器周辺

当研究室では、短い時間にどれだけ多くのデジタル信号を詰め込み、どれだけ高機能な光信号処理を行うかを研究開発している。今後の研究過程でさらに新しい特許性のある成果も生まれると考えている。

160ギガビット級の超高速動作に伴って発生すると思われる出力波形の歪みや信号パターンのノイズ発生のメカニズムを解明し、第2世代のゲートを設計することも、現在の研究目標の1つである。こうした研究の積み重ねにより、毎秒400ギガビットを超える「未踏領域」に挑戦していく予定である。

超高速光材料特性評価システム

当研究室では、現時点でも、産学連携共同研究、総務省やNEDOからの委託研究、21世紀COEプログラムなど、官民との共同研究を多数行っている。今後は、さらに積極的に企業との共同研究を推進し、デバイス設計など研究成果の実用化を考えていきたい。知恵を貸していただける企業のお申し出を待っている。

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