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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
植野 研究室

知識社会に対応できるシステムの開発

所属 大学院情報システム学研究科
社会知能情報学専攻
メンバー 植野 真臣 教授
所属学会 日本行動計量学会、日本教育工学会、教育システム情報学会、電子情報通信学会、統計学会、日本テスト学会、人工知能学会
研究室HP http://www.ai.is.uec.ac.jp/
印刷用PDF

掲載情報は2015年8月現在

植野 真臣
Maomi UENO
キーワード

AI、eテスティング、eラーニング、SAMURAI、SVM、Web推薦システム、Webマイニング、アダプティブテスティング、エキスパートシステム、教育工学、協調フィルタリング、グラフィカルモデリング、人工知能、人材開発手法、知識マイニング、知識マネジメント、知的LMS、知的学習支援システム、テキストマイニング、テスト理論、データ解析システム、データマイニング、ベイジアンネットワーク、メンタリング、ユーザモデリング、履歴

研究概要

知識社会に対応するシステムの研究開発

インターネットを取り巻く環境は大きく変わり、インフラ整備の時代は終わりつつある。今後は膨大な知識と情報の海から、いかにうまく有益なデータを見つけ出し解析し、利用するかが重要課題になってくるだろう。知識と情報が社会変革の戦略資源になる、知識社会の時代がやってきたのだ。
当研究室では、この知識社会に関連し対応するさまざまな研究、知識や価値を発見し創造するシステムの開発を行っている。

eラーニングシステム

多くのeラーニングシステムが、コンテンツを学習者に見せるだけのものだった頃、植野は世界に先駆けて、教えるのではなく学ぶことにフォーカスしたまったく新しいシステム「SAMURAI」を創った。SAMURAIは自然に学習を誘発し学習をマネジメントする革新的な知的LMS(学習管理システム)だ。
具体的には、SAMURAIのラーニング・エージェントが、学習者の成績や傾向などを把握し、似た特性を持つ過去の学習者の履歴データを参考にして、学習者に適したメッセージを自動的に投げかけ、より身近な学習方法で学ばせる。履歴データには学習方法、学習過程、最終的な就職先まで登録され、学習者の目標や希望進路にも配慮した学習の指導ができる。
また、SAMURAIには学習者同士の交流ができるようにSNSの機能があり、学習者同士のコミュニケーションからより良い学習方法を教え合うことができ、それも履歴データとして蓄積する。そのため、学習者数が増えるほど多様な学習方法を提供でき、さらに学習者間のつながりも育める発展性のあるシステムとなっている。

eテスティング

学力や成果を測定するテストを作る際、同じレベルの問題を複数作ることは非常に難しい。しかも、毎回同じ難易度、同じ尺度を維持し、違うテストでも同一尺度で能力を測れる問題を作ることはかなり困難である。
当研究室のeテスティングは、いつでも誰でも同一尺度で作られた異なる問題を出題することが可能となる。これは、統計学+心理学+数学(コンピュータ科学)を融合させたシステムで、問題のパラメータ(媒介変数)を推定して、受験者の反応を見ながら毎回テスト精度の高い問題を出していくアダプティブテスティング(コンピュータ適応型テスト)と呼ばれる手法で実現している。

ベイジアンネットワーク

冒頭にも述べたとおり、これからは大量のデータをいかにうまく解析し利用できるかが重要課題だ。ただ、これまでのデータマイニング手法は、データ推論が曖昧だった。
植野が研究しているベイジアンネットワークは、正確な予測をするための最適な数理モデルだ。これはネットワーク構造に仕組みがあり、各パラメーターの因果的な特徴を矢印を用いたリンク(有向グラフ)で表示し、個々の依存関係は定義される条件付き確率によってグラフから数学的に一番正しいとされるモデルを選んで正しい予測をする。当研究室では、このベイジアンネットワークを推論アルゴリズムの中核と位置づけて研究を行っている。

アドバンテージ

国内外の学会や業界をリードし続けている研究実績

当研究室では、先進的な問題の研究にいち早く取り組んできたことで、国内外の学会や業界をリードするさまざまな成果を挙げている。

eラーニングシステム

eラーニングについては、この言葉自体がない頃から研究しはじめてきた。2004年度文部科学省高等教育改革政策の柱である「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に採択された。世界最大のeラーニングの国際学会(E-Learn)で「SAMURAI」の研究が2004年、2005年、2007年に論文賞を受賞し、800件近い論文の中からベストペーパー賞も受賞した。日本でも教育システム情報学会より、2005年に優秀賞を受賞した。

eテスティング

eテスティングの分野では、ISOによる国際標準化に協力をしており、さらにJIS規格の策定も行っている。また、日本最大の国家試験であるIPA(情報処理推進機構)主催の「ITパスポート試験」では、当研究室のeテスティングシステムが採用されている。これはCBT(Computer Based Testing)方式と呼ばれ、コンピュータを利用していつでも試験を実施できる方法だ。他にも、リクルートの人事測定プログラム(適性検査)「SPI」のエンジンも当研究室の技術を利用している。

ベイジアンネットワーク

ベイジアンネットワークの分野では、1994年にヘッカマン(D. Heckerman)が発表した学習スコアがこれまでの最も優れた理論だったが、2011年に植野が発表した理論がそれに取って代わった。現在、当研究室が世界最高性能・最速のベイジアンネットワークのシステムを持っているのだ。
既に、この理論を応用してリクルートと共同で「ISIZE:イサイズ」を研究している。これは、Webサイトのページと履歴を使って、会員に最適な情報を提供するというサービスだ。当研究室では、推論エンジン部分にベイジアンネットワークのアルゴリズムに近似したシステムを使って完成させている。

オリジナル・ベイジアン・ネットワーク・ソフト Bayesian Discovery
大量データのWeb推薦システム リクルートISIZEシステム(産学共同)

今後の展開

最高性能のベイジアンネットワークを利用した推論エンジンを開発し実装実用化したい

誰にも真似されない技術を磨いて身に付け、その技術でニーズがあるものを見つけることに特化することを常に心がけている。当然、このような研究をするときは教科書と呼べる書籍はほとんど無く苦労も多いが、研究者が少ないベイジアンネットワークの研究を進めて、当研究室の世界最高性能かつ最高速のベイジアンネットワークを利用した推論エンジンを開発したいと考えている。これを実現してネットワーク上のさまざまな知的サービスに実装し、実用化できるようにしていきたい。

ベイジアンネットワークの推論技術で生命科学を研究したい

これまで植野が研究してきたことは全て自身が学生時代に勉強して得た知識の延長線上にある。今後は、社会に出てから勉強したことを研究してみたい。それは生命科学だ。世の中に役立つインパクトが大事だと思うので、できればベイジアンネットワークの推論技術を使って、生命の謎を解明するようなシステムを研究してみたいと考えている。

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