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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
石橋(孝) 研究室

低電力集積エレクトロニクス研究室
―低電力集積デバイス技術と高機能アプリケーションの創造―

所属 大学院情報理工学研究科 先進理工学専攻、
先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター
メンバー 石橋 孝一郎 教授
所属学会 電子情報通信学会、IEEE Fellow
研究室HP http://mtm.es.uec.ac.jp/
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掲載情報は2015年8月現在

石橋 孝一郎
Koichiro ISHIBASHI
キーワード

低電力集積エレクトロニクス、LSI設計技術、ウエイクアップレシーバ、MEMS、SOI、SOTB、電力センサ、センサネットワーク、エネルギーハーべスティング、ビッグデータ

研究概要

極低電力集積デバイス設計技術とエネルギーハーべスティングネットワークシステム

キャプションキャプションキャプションキャプション

LSIはムーアの法則により2年で2倍のペースで高集積化されるとともに、飛躍的な低電力化、低コスト化も実現してきた。 LSIを中心としたエレクトロニクス技術と情報処理技術の進展により、スマートホンに代表されるようなデジタル情報機器のパーソナルレベルでの普及が実現されて、クラウドサーバーとインターネットで結ばれたICT社会を実現している。
さらに全ての物(Things)がInternetでつながるIoT(Internet of Things)の時代が訪れようとしている。10年後には1兆個のセンサが夜空の無数の星々のように環境中にばらまかれてインターネットにつながるTrillion Sensor Universeが実現されている。無数のセンサーから得られる無数の情報をビッグデータの情報処理技術を用いて処理して活用することにより、安心安全で持続可能な社会が実現されるだろう。
このようなTrillion Sensor Universeを実現するためには、環境中のエネルギーを用いてセンサの動作と無線通信を行うエネルギーハーべスティングセンサネットワーク技術を開発する必要がある。
当研究室は、低電力集積エレクトロニクスをテーマとし、 LSIの低電力設計技術やRF用MEMS等の極低電力集積デバイスの研究と、低電力LSIやMEMSデバイスを用いてエネルギーハーべスティングセンサネットワーク等の新しい概念のアプリケーションを創造する。

アドバンテージ

バッテリレス永久動作を実現する極低動作エネルギーで動作する LSIを開発

エネルギーハーべスティングセンサネットワークを実現するためには、通常はトレードオフの関係にある動作電力とスリープ時の電力の両方を削減するLSIが必須である。そこで、NEDOからの委託を受けて超低電圧デバイス技術を推進したコンソーシアム研究組合である「超低電圧デバイス技術研究組合:LEAP」と共同でこの課題に取り組んだ。SOTB(Silicon on Thin Buried Oxide)と呼ばれるまったく新しいCMOS技術を用いて、0・35Vの極低電力動作を実現するとともに、SOTBで基板バイアスを印加できる構造を活用してスリープ時のリーク電流を3桁以上低減する設計技術を開発した。この技術を用いることにより、1サイクルあたりの消費エネルギーが13・4pJ、スリープ時のリーク電流が0・14uAと動作時とスリープ時の両方を低電力化した32ビットCPUを実現した。これらの値は世界最高レベルの低電力性能である。

世界最高レベルの低電力性能を示した32bit CPUとシステム図

カード型エネルギーハーべスティング電力センサを開発

エネルギーハーべスティング技術を用いて、カード型の電力センサを開発した。大きさはクレジットカードサイズ大で、家庭にある電源コンセントに電気機器のプラグで挟み込むようにして用いる。電気機器を使用するとコンセントに電流が流れるが、これを電磁誘導の方式でエネルギーとして取り出す。この取り出したエネルギーを電源として電力の測定とデータの無線送信を行うことができる。
この電力センサは小型で家庭内の各コンセントに工事なしで設置できる上に、電気機器が動作した時しかエネルギーを取り出さないので、どんなにたくさんセンサを設置しても電力が増加しないという、センサを多数個用いるTrillion Sensor Universeの時代には重要な特長がある。

ベトナムのエビ養殖場におけるセンサネットワーク活用技術

ベトナムでは、エビの養殖は外貨獲得のために重要な産業であるが、大規模化の進展とともに、突然死による歩留まりの低下が大きな社会問題になっている。当研究室ではセンサネットワークをエビの養殖場の水質モニターに用いることにより、この課題を解決しようとしている。ベトナムのホーチミン工科大学と協業し、現在ではベトナム国内の数箇所のエビ養殖場にセンサを設置して水質を日本からも24時間オンタイムでモニターできるようになっている。
本研究室では、エビ養殖場の水質モニターをエネルギーハーべスティングセンサネットワーク技術を開発するビークルアプリケーションとして活用するとともに、センサネットワークで社会の課題を解決する実例を示すことの意義を感じている。

カード型電力センサ

今後の展開

現在エネルギーハーべスティングに必要な極低電力電源回路、及び極低電力RF技術設計技術に取り組んでいる。また、MEMS技術を用いて、スリープ状態にあるセンサノードを起こすためのウェイクアップモジュールの開発も行っている。これらのデバイスと、極低電力CPUと組みあせてエネルギーハーべスティングセンサを実現することが可能になる。
また、電力センサや、エビ養殖場に適用した低電力ネットワークシステムを多方面のアプリケーションに適用したい。

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