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概要

UEC WOMAN No6 Campus

UEC WOMAN in Campus子どもが親近感をもって遊べる「子育てお助けロボット」を開発。自身母となり、研究のアイデアをもらった私が在籍している長井研究室では、人間のように柔軟な知能をもち、人と自然にコミュニケーションできる知能システムの開発をめざしています。私は工学ともに、人間の「心」や「感性」に興味があり、この研究室を希望。修士1年のときから、子どもと遊ぶロボットの開発に取り組んできました。ロボットの見た目や振る舞いが人に与える印象も、評価のひとつです。たとえばロボットに会った子どもが「怖い」と感じて逃げるなら、なぜ怖いのか、どのように振る舞えば怖くないのかといったことを研究しなければなりません。保育士とロボットの大きな違いは、子どもの気持ちや表情を見ながら臨機応変に働きかけることができることです。そこで保育士の行動をロボットに応用。ロボットに子どもの気持ちを推定させつつ適切にふるまわせることで、子どもが友好感を抱きやすいロボットを実現しました。2014年9月、こうした研究をもとに誕生したのが、小さな子育てお助けロボットチカロ「ChiCaRo」です。想定としては遠方のおじいちゃん、おばあちゃんなどがスマートフォンやパソコンでロボットを安全に遠隔操作し、ビデオチャットで話しかけながら孫とコミュニケーションをとれるというもの。おもちゃを「どうぞ」と差し出したり、子どもの後を追いかけて一緒に遊ぶことができ、製品として実用化されれば核家族が抱える育児問題解決の一助になると考えています。じつは私自身、修士課程2年のときに結婚し、現在2歳の子どもがいます。昼間は大学内にあるUEC保育園「どんぐり」に子どもを預け、研究と育児を両立しています。子育ては想像以上にめまぐるしく、ハード。集中力も途切れそうになるので、必ずメモをとるとか、便利な家電製品を導入するなどして、研究も家事も徹底的に効率化を図りました。しかし効率化をいくらがんばったとしても、「無関心」な環境の研究室だったら両立は不可能でした。育児に理解を示してくれている先生、研究室のメンバーたちのおかげで両立できています。子どもが生まれたことで、たくさんの研究アイデアをもらいました。数年のうちに、ChiCaRoを実用化したいと考えています。歴代のロボットたちは身長が高く、ロボットに追いかけられて泣いてしまう子どもも。ChiCaRoはおもちゃと変わらない大きさで前と左右に動く。ディスプレイではビデオチャットができ、遠くに住む祖父母などとコミュニケーションが可能。阿部香澄さん大学院情報理工学研究科知能機械工学専攻先進ロボティクスコース博士後期課程3年電気通信学部卒業神奈川県立神奈川総合高等学校出身UEC WOMAN in Campus 11