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概要

UEC WOMAN No6 Society

理工学の基礎から応用まで、世界的にも突出した研究力を認められている本学は、平成25年度から文部科学省が大学等における研究力強化の取り組みを支援することを目的として開始した「研究大学強化促進事業」の支援対象機関のひとつに採択されました(全22機関)。これを受け、本学はより研究力を強化するための手法のひとつとして「国際化」に注視して事業を進めています。たとえば、平成26年にスタートしたプロジェクトが「グローバル・アライアンス・ラボ」(GAL)の開設です。これは本学とつながりの深い外国の大学と連携し、相互に研究室を設置するというもので、すでにタイと台湾の大学で実施しています。外国の優秀な教員を本学に呼び込み、学生も含めボーダレスに活動できる環境を整えていきたいと考えています。日本のすべての分野における女性研究者の割合は現在30%未満。日本は研究者の層が厚いため、人数ではけっして少なくはないのですが、割合としては諸外国に比べて極端に低くなってしまいます。本学に在籍している女子学生の割合は年々増加傾向にありますが、まだまだ少ない。一方で、近年は理工系の優秀な女子学生は企業から強く求められ、就職は男子学生よりも早く決まる傾向にあります。こうしたことからも社会・産業界が、女性の技術者・研究者をいかに望んでいるかということがわかります。しかし、実際には女性研究者もその卵である女子学生の数も十分ではないという現状があります。アメリカの論客として知られるフランス・ヨハンソンが提唱した「メディチ・インパクト」という言葉があります。15世紀イタリア・フィレンツェで、大富豪のメディチ家が文化人や芸術家を保護し、画家、科学者、建築家などさまざまな才能のある人を集め、彼らの交流を図ったことでルネッサンス文化が勃興したというものです。つまり、新しい価値を生み出すためには「多様性」が必要だということ。性差はその根源であり、男性だけがある限られた業種を担っているという社会は正常とは言えません。社会・産業界のニーズはそのことに気づき始めていると言えるでしょう。本学でも理工系の専門分野に長けた女性層、女性研究者を増やしていくことに、より一層力を入れて取り組んでいきたいと考えています。環境整備の面では、子育て中の教員や学生のために、平成24年には学内に保育施設「UEC保育園どんぐり」を設置しましたが、今後は病児保育や一時保育も実施できるよう検討しています。また平成29年創設予定の100周年記念キャンパスには、新たに女子学生用の学生宿舎も新設する予定です。本学が提唱している「総合コミュニケーション科学」は、メディチ・インパクトのように、いろいろな領域が交差し、相互コミュニケーションによって今までにない価値の創造をめざそうとする新しい概念です。その役割を男性も女性もイーブンに、これからの学生たちに担ってもらいたいと思っています。UEC WOMAN in Society15世界最高レベルの突出した研究力を誇る理工系の単科大学新しい価値観の創出には、「性差」をはじめとした多様性が必要である科学技術に精通し、産業界を引っ張っていくパワフルな女子学生を育成していきます。学長からのメッセージ電気通信大学長福田喬昭和20年生まれ。昭和45年京都大学大学院理学研究科地球物理学専攻修士課程修了。同年より電気通信大学勤務。教授、本学附属菅平宇宙電波観測所長、理事などを経て平成26年度より学長に就任。