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概要

UEC WOMAN No7 Society

1918年に創設された社団法人電信協会管理「無線電信講習所」をルーツとする本学が、電気通信大学としてスタートしたのは1949年です。それはちょうどウィーナー博士がサイバネティックスを、シャノン博士が情報理論を提唱するなど、非常に重要ないくつかの学問が提起された時期と一致しています。いわば、世界の科学技術界がようやく「通信」の本質に目覚めはじめた頃でした。そして現在、私たちは産業構造や社会構造までも変わっていく、大変革の時代を迎えています。画期的な新技術や新しい物事の仕組みが創造され、どんどん変化していく非常に重要な時期と言えるでしょう。2018年にルーツから数えて100周年を迎える本学は、そのような大変革を担うべき「中核」となる専門分野をカバーしていると自負しています。例えば、最近よく聞く「ⅠOT(インターネットオブシングス)」とは、従来はパソコンなどのIT関連機器が接続していたインターネットに、それ以外のさまざまな「もの」をつなげ相互作用を起こさせる技術です。社会インフラやビジネスの仕組みを大きく変えつつあるこの技術は、本学がテリトリーとしている情報理工学のど真ん中にあると言えます。本学が提唱している「総合コミュニケーション科学」とは、いろいろな領域が交差し、相互のコミュニケーションによって今までにない価値創出をめざそうとする新しい概念です。コミュニケーションとは、人と人の意思疎通だけではなく、学問領域の融合を含め、あらゆるつながりを意味するもので、そこにはⅠOTなども含まれると我々は分析しています。現在、本学では100周年記念事業のひとつとして新キャンパス「UECPort」の整備を進めています。コンセプトは、世界とつながる「電通大の港」。共同研究施設棟「UECアライアンスセンター」や、留学生と日本人学生が混住する学生寮を新設し、国内外の研究者や学生が集い、多様な価値が交差することで、ユニークな発想が生まれる環境を整えることをめざしています。また本学では、研究力を強化するための手法のひとつとして国際化に注力し、平成26年からは外国の大学と連携し、相互に研究室を設置する「グローバル・アライアンス・ラボ」を開設。現在、台湾、中国、タイ、フランス、ロシアの各国から6大学の研究室を誘致し、共同研究・共同教育を進めています。世界でも突出した研究力を認められている理工系の大学である本学の卒業生は、基礎教育がしっかりとなされているという高い評価を受けています。とりわけ近年、優秀な理工系の女子学生は企業から強く求められる傾向があります。しかし、本学の女子学生の割合は以前より増えてはいるものの、まだまだ少ないのが実情。女子学生のロールモデルとなるような女性研究者を育てるとともに、UECPortの女子学生寮の新設などの環境整備も進めて、理工系の専門分野に長けた女性を増やしていくことに、力を注いでいきたいと考えています。UEC WOMAN in Society11画期的な新技術や新しい物事の仕組みが創造される時期にあって。新しい価値観の創出には、「性差」をはじめとした多様性が必要である。今、理工系の専門分野に長けた優秀な女性が社会で求められています。学長からのメッセージ電気通信大学長福田喬昭和20年生まれ。昭和45年、京都大学大学院理学研究科地球物理学専攻修士課程修了。同年より電気通信大学勤務。教授、本学附属菅平宇宙電波観測所長、理事などを経て平成26年度より学長に就任。