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電気通信学部:学部・大学院

教育方針

大学教育の目的は、高度の専門能力と幅広い教養を身につけ、柔軟な思考力・豊富な想像力にもとづく創造性豊かな、視野の広い人材を育成することにある。本学では、高度コミュニケーション社会に関わる科学技術の諸分野での教育・研究の実践を通して、平和で幸福な社会の進歩発展に寄与することを目標としている。そこで本学部では、高度コミュニケーション社会に関わる科学技術の諸分野において高度な専門能力を育み、幅広く深い教養を授け、人間性・国際性ならびに倫理意識を涵養し、社会に貢献する科学者・技術者を育成することを教育方針とする。

全学科に共通する学習・教育目標

上記の教育方針に基づき、「科学的思考能力の養成」、「科学者・技術者としての倫理意識および人間性・国際性の養成」、ならびに他人の考えを正しく理解し自分の考えを人に正しく伝える「論理的コミュニケーション能力の習得」を全学科に共通する学習・教育目標とする。各学科では、それぞれの教育目的に沿う専門的能力について、学科特有の学習・教育目標を設定している。

(1)科学的思考能力の養成

今日の科学技術は極めて精緻になり進歩もまた急速である。単に現在の先端的な知識・技術を習い覚えることだけを目指すと、習得したものが短期間で古くなり役立たなくなる。そこで科学技術の領域で一人前の科学者・技術者になるためには、学問を基礎から体系的に学び、応用力、柔軟性、創造性などの力を身につけることが重要となる。専門の道を極めるのは高い山を登るのに似ている。長い道のりを一歩一歩たゆみなく歩み続けるうちに、徐々に展望が開け、歩むことがますます楽しくなり、頂上に達することができるのである。本学部では、自然科学、数学などの基礎を十分に教育することによって、それらの知識を縦横に応用できる豊かで柔軟な科学的思考能力を持つ人材を養成する。

(2)科学者・技術者としての倫理意識および人間性・国際性の養成

社会に貢献する科学者・技術者としてその役割を果たすためには、深い教養と豊かな人間性を養わなければならない。20世紀後半にいたって、科学・技術は人間ないし環境との調和の面で深刻な問題を引き起こし始めた。特に科学者・技術者にとっては、グローバル化した科学・技術のもたらす人間・社会・環境への影響、それへの深い理解を持つことが従来にも増して重要な素養と考えられるようになった。21世紀に活躍する科学者・技術者には、自分の携わる科学・技術と国際社会との関わり方を意識し、高い倫理意識をもって自らの行動原理を自覚できることが求められている。本学部では、幅広く深い教養を育み、倫理意識および人間性・国際性を持つ人材を養成する。

(3)論理的コミュニケーション能力の習得

この人間社会においては、他人の考えを正しく理解し、また自分の考えを人に正しく伝える能力が不可欠である。そのような能力によって初めて、高度に発達したコミュニケーション手段・術が活かされ、社会に貢献できるようになる。具体的には、文書作成、口頭発表を通じて正確かつ論理的に情報を伝え、効果的な討論を行うなどの能力が求められる。本学部では、そうしたコミュニケーション能力を養うとともに、さらには国際的に通用するコミュニケーション基礎能力を持つ人材を養成する。

学習上の指針

本学部のカリキュラムは、人間性の陶冶に資する「総合文化科目」と、基礎から各学科の専門性へと系統的に展開する「専門科目」二つの科目分野から構成されている。大学における科目の履修にあたっては、高等学校までとは異なり、学生諸君の主体的・能動的な学習姿勢が期待されている。特に、実験・実習は、講義で学んだ事柄を体験・定着させ、技術・技法を確実に身につけるための重要な科目である。また、卒業研究は、教員の個別指導のもとに、はじめて自分で一つのテーマに取り組んで研究を行うもので、4年間の学習の総仕上げとして極めて重要な意義を持つものである。実験・演習・卒業研究において諸君が自ら積極的に行動しなければ成果を得られないことは言うまでもないが、その他の科目においても、単に与えられたものを受け取るだけでなく、自分で納得ゆくまで掘り下げ、徹底的に考えて物事の本質を捉えようとする姿勢が大事である。
学部の教育はそれ自体で一旦完結するものであるが、学問の道を深め一層高度な専門能力を習得したい者は、大学院においてさらに学習を続けることを強く勧める。

学習・教育目標

各学科における学習・教育目標を以下に示す。

情報通信工学科

情報通信基礎学講座、光・波動信号処理学講座、情報通信システム学講座、情報メディア工学講座

教育目的

情報通信は高度コミュニケーション科学の基盤をなす。その情報通信の研究・開発などに必要な幅広い素養と思考力を備えた専門家を養成することを目的とする。そのために、情報と通信の基本となる数理的および物理的な理論を教育し、それを基礎として、情報の生成・加工、伝送・制御などを行うためのハードウェアとソフトウェアに関する基礎的素養を育む。さらに多様な情報メディアと各種の情報通信システム・ネットワークに関する基本的な技術と概念を体得させ、社会性と倫理観を身につけた国際社会に貢献しうる人材を育成する。

学習・教育目標

本学科では、全学科に共通の3つの学習・教育目標、すなわち「科学的思考能力の養成」、「科学者・技術者としての倫理意識および人間性・国際性の養成」、「論理的コミュニケーション能力の習得」に加えて、専門的能力について以下の学習・教育目標を定めている。

情報工学科

コンピュータ学講座、ソフトウェア学講座、計算科学講座、計算機応用学講座

教育目的

計算機システムは、ますます複雑で巨大になっていく人間社会の情報システムを、その根幹で支えいる。本学科では、ハードウェアおよびソフトウェアの双方にバランスのとれた知識と経験を有し、計算機システムの応用のための情報と数理に関する基礎的素養と経験を積み、将来の情報技術や計算科学の発展を支え、かつ先導できる専門家を養成することを目的としている。

学習・教育目標

学部の教育方針として掲げられたもののほかに、本学科としては次のような学習・教育目標のもとに教育を行なう。

(A)情報技術活用能力の修得
コンピュータとそのネットワークを実践的に活用し、プログラミングや情報収集などを行う基本的な能力を身につける。
(B)専門知識とその応用力の養成
コンピュータのハードウェアとソフトウェアの双方にバランスのとれた知識と経験を身につけ、それらを利用して的確な問題分析とシステム設計を行ない、これに関して明晰な技術的説明ができる能力を養う。
(C)問題解決能力の養成
理工学のさまざまな分野の実際上の問題や未知の問題に対して、身につけた知識と能力を駆使して問題の分析・モデル化、解決方法の探究を行ない、実験等を計画的に実施して問題を解決する能力を養う。
(D)継続学習能力の養成
科学者・技術者として求められる新しい知識や技術の取得を自主的、継続的に行う力を養う。

電子工学科

マイクロエレクトロニクス講座、光エレクトロニクス講座、電子システム工学講座、電子情報工学講座

教育目的

本学科では、現代人の生活に欠かせない情報と通信の基礎として重要性を増しているエレクトロニクスに関する教育と研究を進めている。教育においては、電子工学の基礎的素養を身に付け、さらに、各種電子システム設計の基礎となる電子回路、計測制御技術にも精通した、企業の第一線で活躍できる専門家の養成を目的としている。
このため、1年次の始めに行われる各教員の研究紹介を中心にした基礎セミナー、電気数学、電磁気学、電気回路、電子回路、ディジタル回路、そして基礎電子デバイスなどを基礎科目として必修化している。これらの科目はまた、演習、実験とともに1年から2年次の早い時期に学べるようにしている。その後2年~3年次に幅広い専門科目の中から各自の興味に合わせ選択させ、各専門分野の知識と理解を深められるようにしている。4年次では各研究室に所属させ、それまで学んだ知識をもとに実践的な卒業研究を行えるようにしている。
本学科では、ハードウェアを学ぶことを基本としているが、現在のほとんどのハードウェアはソフトウェアに頼っていることから、ソフトウェアをも重要視した教育と研究を実施している。対象は広く、デバイス、機器、システムを始めとして、宇宙やロボット、生体にまで及んでいる。ものやシステムを作り上げ、測定して評価を行い、その根底にある現象、メカニズムの基本を解明することに興味を持つ学生が本学科で学ぶことを期待している。本学科は、単に技術ができるだけでなく、将来のエレクトロニクスがどのように社会と関わるかが考えられる技術者・研究者を育てるように心がけている。したがって、学生には広い視野を持って勉学することを望んでいる。

学習・教育目標

本学部としての教育方針(1)、(2)、(3)に加えて、本学科独自の更なる目標を以下に掲げる。

(A)電子工学技術の修得
高度コミュニケーション社会を支える情報や通信の基礎となる電子工学の広範な分野(マイクロエレクトロニクス、光エレクトロニクス、電子システム工学、電子 情報工学)の基礎的素養を充分に身に付け、駆使することができる技術者・研究者を養成する。
(B)高度コミュニケーション社会に対する対応
社会や技術の急激な変化や環境の変化に柔軟に対処する能力を有する技術者を育成するために、数学、自然科学、情報処理技術の基礎学力を十分に身に付けさせ、専門の電子工学の幅広い知識を習得させる。コンピュータやネットワークを実践的に活用し、プログラミングやシミュレーションなどを行う基本的な能力も養う。
(C)創造力豊かで、好奇心旺盛な技術者の育成
技術者として問題提起を行い、自ら考え判断・行動して問題を解決する能力を養う教育を行う。さらに、課題について多面的な視点から考え判断する、柔軟で創造的な思考能力を育てる。専門の電子工学技術にとらわれることなく、他分野の専門知識も積極的に吸収し、専門分野以外にも対応できる技術者の育成を行う。

量子・物質工学科

量子工学講座、物理工学講座、物質工学講座、生命情報工学講座

教育目的

本学科は、高度コミュニケ-ション社会で重要な役割を果たす量子工学、物理工学、物質工学、生命情報工学に関わる技術者として、社会的使命と責任を認識し、これらの工学分野での創造的活動を行なう人材を育成することを教育目的とする。上記工学が関わる幅広い科学技術分野において指導的役割を担う能力を有し、さらには急速に変転する科学・技術に対して、専門的な知識と国際的な視野に立った倫理観によって、正確な判断を下す能力を有する工学士を養成する。そのために、これらの工学分野の根幹をなす物理学、化学・生物学の基礎と応用、及びその工学的展開を教授する。
学部の教育はそれ自体で一旦完結するものであるが、本学科で学ぶ自然科学を基礎とする理工学は深淵であるので、学問の道を深め、技術者・科学者として一層高度な専門能力を習得したい者は、大学院においてさらに学習を続けることを強く勧める。

学習・教育目標

1・2年次に自然科学や工学の基礎を学んだ後、2年次以降の学科専門科目で、量子・物理工学関連科目や物質・生命情報工学関連科目を学ぶ。授業は、講義に加えて、実験や演習が用意されている。これらは、講義の理解のみならず、自然科学を基礎とする工学の研究手段の習得に不可欠である。昼間コースは2年次に物理・量子工学コースと物質・生命情報工学コースに分かれるが、将来の技術革新に対応するためには幅広い自然科学の基礎知識が必要であり、他コースの講議(実験、演習を除く)の受講も可能であり、推奨される。

基礎(1・2年次)
(A)量子・物質工学の基盤となる物理学、化学・生物学の基礎とその解析手法として不可欠な数学を習得する。【専門基礎能力】
(B)現代工学の基盤の1つである電気・電子回路の基礎的知識と技術を習得するとともに、コンピューターやネットワークを活用でき、プログラミング、シミュレーションなどを行う基本的な能力を身につける。【工学的基礎能力】
専門(2年次以上)
昼間コース:
専門科目を量子・物理工学関連科目を主とする物理・量子工学コースと物質・生命情報工学関連科目を主とする物質・生命情報工学コースに分かれる。
(物理・量子工学コース)
(C)電磁気学、統計熱力学、量子力学を学び、それらを基盤とする量子物理工学と物性物理工学の基本的な概念、理論、技術に関する知識を習得する。【専門の基礎能力】
(D)固体デバイス工学、光工学、量子エレクトロニクス等の物理学の応用を学び、その工学的展開を行う能力を養う。【応用力】
(物質・生命情報工学コース)
(E)物理化学、有機化学、基礎生物学を学び、それを基盤とする物質工学と生命情報工学の基本的な概念、理論、技術に関する基礎知識を習得する。【専門の基礎能力】
(F)電子物性工学、有機機器分析学、分子生物工学等の物質工学と生命情報工学の応用を学び、工学的展開を行う能力を養う。【応用力】
夜間主コース:
(G)量子・物質工学の基盤として、物理学、化学・生物学を学び、量子・物理工学と物質・生命情報工学の基本的な概念、理論、技術に関する基礎知識を習得する。【専門の基礎能力】
(H)光エレクトロニクス、半導体工学、材料物質科学、生命情報科学等の量子・物質工学の応用を学び、工学的展開を行う能力を養う。【応用力】
卒業研究(4年次)
卒業研究を行う研究室は昼間、夜間主両コースとも、本学科の全講座から選択できる。
(I)量子、物理、物質、生命情報工学の各領域先端での研究を実際に行ない、身につけた知識と能力を駆使して、問題の分析、解決方法の探求、実験や理論的予測や検証の計画と遂行によって問題を解決する能力を養う。さらには、新課題を発見する能力を磨く。【課題発見能力と問題解決能力】
そのために、卒業研究では、上記工学分野の文献調査、読解、整理を行い、自身の研究成果の評価とプレゼンテーションを卒業研究発表と卒業論文作製の形で行う。【専門知識の調査・整理、プレゼンテーション、レポート作製能力】
(J)技術者及び研究者として求められる新しい知識や技術の取得を自主的、継続的に行う力を養う。【継続学習能力】

知能機械工学科

機械科学講座、知的生産学講座、ロボティクス講座、人間・機械システム学講座

教育目的

来るべき高度コミュニケーション社会における機械系学科として、機械工学を基礎に、制御工学、情報工学、電子工学を融合した上で、知能化という新しい概念を取り入れ、人間や自然に調和する賢い機械システム(知能機械システム)を創造できる機械技術者、研究者の育成をする。そのため、機械工学を支える基礎的分野に加えて上記の融合を実現するための諸工学の基礎を学習するとともに、技術者としての社会貢献への姿勢や倫理についても学習し、幅広い知識と柔軟な思考力を持った技術者を育成することを目的にしている。

学習・教育目標

(A)機械工学関連の基礎・専門知識を充分に身につける学習をする。主要な科目では、講義だけでなく演習と対になった学習をすることにより充分な理解を得ることが出来る。
(B)専門系工学の知識に基づいて、技術者として自ら問題提起を行い、考え、判断・行動し、問題を解決する能力を養うために十分な学習を行う。つまり、機械設計製図、機械工学実験や卒業研究を学習し、多面的な視点から考え判断する柔軟な思考能力を身につける。
(C)自らの考えを分かり易く相手に理解させる能力を養うとともに、相手が伝えようとすることを理解する能力を学習する。機械工学セミナーなどにおいては、与えられる課題に対して発表が義務付けられている。また、4年次には輪講や卒業研究において発表の訓練を行う。以上によって、プレゼンテーション能力を向上させる。
(D)情報処理能力を向上させるために、コンピュータリテラシーや基礎プログラミング及び演習の科目を用意するとともに、その設備の充実を図っている。さらに、e-ラーニングによる専門科目の授業を推進し、高度コミュニケーション社会に対応出来る人材を育成する。
(E)ものづくりに対する興味を育て具現化するために、加工学演習やロボメカ工房(世にない全く新しいロボットを創製し、NHKのロボットコンテスト等に参加し、多くの賞を得ている)が用意されている。自ら考え、問題を解決する能力が養われる。卒業研究においても、同様な能力がさらに向上し、技術者としての自覚を育てる。
(F)技術者として守らなければならない倫理観を技術者倫理の科目において学ぶ。さらに、技術的な失敗例についても学ぶなどして、技術者としての責任を自覚し、技術の使われ方や、技術が社会や環境に与える影響を考慮し、人類・社会へ貢献することを価値基準とした倫理を有する技術者を育成する。

システム工学科

経営システム工学講座、数理システム工学講座、人間・知識システム工学講座

教育目的

本学科は、現在のますます複雑・大規模化するシステムに対応するため、情報・通信・制御技術をもとに、情報システム、ネットワークシステム、生産システム、金融システム、経営システム等のシステム全般に共通し、幅広く応用可能な概念・機能・特徴を論理的、科学的に捉え、システムを総合的な見地から解析し、かつ環境と調和する効果的なシステムとして機能するように、安全性、信頼性、効率性に優れたシステムを企画・設計・統合化してマネジメントするための工学的な理論と応用の両面を取り扱い、社会に有用な人材の輩出と研究の推進を行う。
大学院では、教員と一体となって国際協力・共同研究を推し進め、システム工学分野における世界水準の教育・研究拠点を目指す。

学習・教育目標

(A)技術者としての社会的責任を自覚して、良識ある多角的な視野を持ち、技術と社会の関係をわきまえ、技術者倫理を身につける。【技術者倫理】
(B)応用力のある自然科学と数学、特に数理的な解析能力の知識を身につけ、真理を追究する思考能力を養う。【科学的思考能力】
(C)国際的に通用する論理的な記述力、発表力、読解力、コミュニケーション能力を養う。【論理的コミュニケーション能力】
(D)コンピュータやネットワークを実践的に活用でき、プログラミングやシミュレーションなどを行う基本的な能力を身につける。【IT活用能力】
(E)システム工学関連分野の基盤的な技術・概念・理論に関する知識を身につけ、課題に対してそれらを駆使して、数理的に解析し、企画・設計・マネジメントすることができる能力を養う。【専門知識とその応用力】
(F)システム工学関連分野の実際上の問題や未知の問題に対して、身につけた知識と能力を駆使して、問題を分析・モデル化し、解決方法を探求し、実験等を計画的に実施し、問題を解決する能力を養う。【問題解決能力】
(G)技術者として求められる新しい知識や技術の取得を自主的、継続的に行う力を養う。【継続学習能力】

人間コミュニケーション学科

社会コミュニケーション学講座、メディアコミュニケーション学講座、科学技術コミュニケーション学講座

教育目的

本学科は、高度コミュニケーション社会の諸問題を、理工系技術と社会的側面の両面から教育・研究することを目的とする。そのためにコミュニケーションに関連するさまざまな学問分野の授業が用意されている。まず低学年では、共通の基礎として自然・社会・人文科学の知識と思考法ならびに英語によるコミュニケーションスキルを身につけることを重点に学習する。高学年では希望・適性に応じて、社会情報・メディア・情報技術の各分野における学習を進める。具体的には、コミュニケーションの社会的問題を考察し、あるいは各種メディア機器を自在に使いこなし、あるいは通信の先端技術を学びつつ、それらを通じて将来の研究・業務に必要な知識と手法を身につけた人物を養成する。

学習・教育目標

(A)技術と社会・文化との関係を深く把握し、良識ある多角的な視野を持ち、情報関連分野の技術者としての社会的責任を自覚して、技術者倫理を身につける。【技術者倫理】
(B)自然・社会・人文諸科学の基本的な知識および各科学で必要とされる論理的能力を身につけると同時に、それを応用的に展開し、真理を追究する思考能力を養う。【合理的思考能力】
(C)論理的に思考し、かつそれを他者および他文化に伝えるために論理的に表現し、文書・口頭発表・討論などにおいて効果的に展開することができるように、日本語および英語でのコミュニケーション能力を養う。【論理的コミュニケーション能力】
(D)コンピュータやネットワーク、各種デジタルメディア機器を実践的に活用し、プログラミングやコンテンツ制作、情報の収集と処理などをおこなう基本的な能力を身につける。【IT活用能力】
(E)情報メディアに関する技術とその文化的・社会的機能について十分な知識・認識を身につけ、課題にあたってそれらを駆使して、調査・分析や設計・制作を的確におこない、かつ説明することのできる能力を養う。【専門的知識とその応用力】
(F)情報関連分野の実際上の問題や未知の問題に対して、身につけた知識と能力を駆使して、データを調査・分析し、問題をモデル化し、解決方法を探求し、解決にいたる手順を計画・実行するための実践的な能力を養う。【問題解決能力】
(G)技術者として求められる新しい知識や技術の取得を、自主的・継続的に行う力を養う。【継続的学習能力】

総合文化講座

教育目的

1)本講座は、総合文化科目を担当する教員の組織であり、他学科のように学生は所属していない。教員の各々は、言語、価値(宗教、芸術、道徳など)、社会、技術の分野の研究者である。その研究と得た成果とを土台に、主として総合文化科目の、人文社会・言語の授業を通じて、本学の学生諸君すべてに、文化活動の主体である人間そのものへの深い理解をもってもらうことを目指している。希望者には、卒論指導も行っている。
2)全学科に共通する学習・教育目標、(1)科学的思考能力(2)科学者・技術者としての倫理意識および人間性・国際性(3)論理的コミュニケーション能力、を身につけるために教え、助言し、支える。

学習・教育目標

(A)科学的思考能力と言うときの科学は通常は自然科学を意味します。これはもちろん専門学科のそれぞれの訓練においても養われるが、もともとは、自然科学も哲学(ピィロソピィア)が専門化してできたものである。「科学」という翻訳語が示しているように、日本で科学という言葉ができたとき、すでにヨーロッパの学問はそれぞれの分科学問になっていた。そして今日、その科学の細分化はますます進んでいる。総合文化科目で学ぶ科学的思考はそうした歴史をも含め、科学的思考というものを成り立ちから考え、反省し、身につけることを目指す。
(B)現代社会は自然科学・技術の影響がきわめて大きい社会である。しかし、科学・技術自体の成果は常に人間にとって善いものとは限らない。用いようによっては社会にきわめて害をなすこともある。現代の科学者・技術者は常に自身の携わっている研究・開発に正しい倫理的判断を要求される理由である。正しい倫理的判断ができるためには、人類共同体としての世界に開かれた目をもって、一個の人間として自分を向上させてゆくことが必要である。そのためには自国の文化についての深い関心と理解をもっての多様な文化への理解が不可欠である。総合文化科目にはそうしたことを目指して設けられた科目もある。
(C)論理的思考には、数学的言語などによるものだけでなく、人間である限り、まず言葉によって筋道をたてて考え、それを伝える能力、そして相手の言葉を正しく理解する能力がもっとも必要である。これは特に、総合文化科目の中の言語文化関係の科目により訓練される。

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