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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
樋口 研究室

高度制御理論のパワーエレクトロニクス応用

所属 大学院情報理工学研究科
知能機械工学専攻
メンバー 樋口 幸治 准教授
梶川 竜義 学術技師
所属学会 計測自動制御学会、電気学会、電子情報通信学会、IEEE
研究室HP http://www.powercon.ee.uec.ac.jp/
印刷用PDF

掲載情報は2015年8月現在

樋口 幸治
Kohji HIGUCHI
キーワード

ロバスト制御、ディジタル制御、スイッチング電源、DSP、ディジタルシグナルプロセッサ、パワーエレクトロニクス

研究概要

高速・高機能のディジタルスイッチング技術で産業界の注目を集める

当研究室で行っている、高度制御理論のパワーエレクトロニクスへの応用の研究は、スイッチやモータ、アクチュエータ、フィルタなどの高度ディジタル制御に応用が可能だ。
特にスイッチング技術のディジタル化技術の最前線として、当研究室が行っている「ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を使った高ロバストな高度ディジタル制御技術」の研究は、産業界から大きな注目を集めている。
現在、製品化されているスイッチング電源のほとんどはアナログ制御が使われていた。だが、当研究室ではこれまで非常に高価だったDSPの低価格化に伴い、このDSPに高度ディジタル制御アルゴリズムを実装可能にする技術を開発した。
この技術を使えば、極めて迅速なスタートアップレスポンスを得られるだけでなく、電流推定、種々の負荷推定、バンプレス電圧・電流モード切換、システム全体の保護動作など、さまざまなタスクをスイッチング機器に持たせることができる。
すでに企業3社との共同研究も進んでいる。
「DC-AC電源の広帯域・高ロバスト化を、高度ディジタル制御をDSPに実装することで実現する」共同研究を、電源機器メーカーA社やスイッチングレギュレータメーカーB社と行った。
「ΔΣ変調を用いた1ビットディジタルフィルタに高度ディジタル制御」を適用することを、音響機器メーカーC社には提案している。
また、スイッチングレギュレータメーカーB社とはスイッチング電源、ディジタル制御技術の開発において、電通大の技術移転機関(TLO)であるキャンパスクリエイトを介して、コンサルタント業務委託の契約を交わした経緯もある。
TLOとは、1998年に大学等技術移転促進法で可能になった、大学や研究機関の研究成果を産業界に移転するための仲介機関で、当研究室は技術的な先進性だけでなく、産学連携においても電通大をリードしている。

アドバンテージ

独自のディジタルフィードバック理論を実システムで実証

当研究室の最大のアドバンテージは、ディジタル制御の設計に「近似的2自由度ディジタル積分形制御系」という独自の方式を採用している点にある。負荷変動と電源電圧変動を、離散時間制御対象のパラメータ変動と見なし、そのパラメータ変動を等価外乱に置き換えるという考え方だ。
この方式に加えて、さらに負荷範囲が広い場合には複数の制御器をバンプレスに使う「バンプレス切換」を使う。これも当研究室のオリジナルのアイデアである。
こうした新しいアイデアを常に実システムで実証し、企業との共同研究によってより実用性の高い技術に磨き上げていくことが、当研究室ならではの独自性であるといえる。

今後の展開

ディジタル制御スイッチング電源へのニーズが飛躍的に高まる

DSP実装ディジタルコントローラ1

今後、1キロワットを超える大電力や、通信機器電源に代表されるような高機能電源の需要は急激に増加すると予測されている。その一方でDSPの低価格化はさらに進み、DSPを応用した多機能ディジタル制御スイッチング電源に対するニーズは間違いなく高まるだろう。
こうした時代の流れの中で、当研究室がいちはやくDSPを応用してスイッチングのディジタル制御の研究に着手し、その過程でさまざまな理論や技術を生み出してきたことに対して、各方面からの大きな注目を集めることは確実である。

DSP
DSP実装ディジタルコントローラ2
DSP実装ディジタルコントローラ3
DC-AC実装ディジタルコントロールシステム
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