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総合コミュニケーション科学とは

電気通信大学の提唱する「総合コミュニケーション科学」は、科学技術の新しい概念です。人 ・ モノ ・ 社会 ・ 自然の間で 円滑なコミュニケーションを行い、社会に存在する様々な境界線を超えようという哲学でもあります。より良い未来と新しい科学技術の創出を目指す「総合コミュニケーション科学」についてご紹介します。

すべてのもののコミュニケーションから生まれる新しい視座

 

電気通信大学は、人間・社会・自然の秩序を形成する物・エネルギー・情報の相互作用をコミュニケーションと捉えます。通信による情報交換のみならず、生命活動を維持する細胞間の物質交換、経済活動を促す貨幣の交換、自然界でのエネルギー交換も、すべてコミュニケーションと考え、これを研究対象とする科学を、総合コミュニケーション科学として提唱します。
文明の発達した現代では人工物が媒介するコミュニケーションが増え、人工物が適切に機能することで円滑になるコミュニケーションが少なくありません。地球環境を健全に持続させ、安全安心な社会を構築し、人々が心豊かに暮らしていくため、人間· 社会· 自然、そして人工物の相互のコミュニケーションが円滑であることが重要になってきています。そこで総合コミュニケーション科学は人間・社会・自然に人工物を加え、それらの間に存在する「相互作用=コミュニケーション」の本質と意義を正しく理解し、機能的に向上させることを目的とします。
総合コミュニケーション科学は、科学・技術を基盤とした学問の新しい概念であり、その領域は従来の自然科学はもとより、人文・社会科学も包括します。こうした広大な概念を発展させるためには、未来志向の自由な発想が求められます。2015年度に実施した「総合コミュニケーション科学 読書コンクール作品募集」は新しい学問の在り方を次世代の担い手に問うた本学からのコミュニケーションの一環です。

「相互作用」に着目した科学の広がりは無限大

 

左図では、総合コミュニケーション科学を構成する既存の情報理工学分野を、人間・社会・自然との関わりに応じて配置しました。その大半が、人間・社会· 自然の複数に関わることが分かります。
ここに挙げた知識と概念、技術や経験を活用して生み出されたものが人工物です。総合コミュニケーション科学では、人工物は人間· 社会· 自然の間を仲介するだけでなく、人工物それ自体が、人間・社会・自然、および別の人工物と「相互作用」の関係(コミュニケーション)を結んでいると考えます。
「人間」「社会」「自然」は、それぞれを研究対象とする学問領域があります。それら既存の学問領域の対象とのコミュニケーションに着目し、その向上を目指す総合コミュニケーション科学は、必然的に複合的・融合的な色彩を帯びます。

ユニークで特出した専門性とコミュニケーション能力を兼ね備えた人材を

 

学問分野の専門特化が進んだ現代、一人で多くの学問に精通するより、専門的知識を持つ個人が協働するほうが、多様な視点で問題解決に臨めます。そうした連携に求められるのは、自分の専門知識を専門外の人に理解してもらうとともに、専門外の知識を他の専門家から教えてもらうためのコミュニケーション能力であり、異分野間連携における “のりしろ” になる周辺領域に関する知識や教養です。とはいえ、異分野との協働は、確固たる専門性があってのこと。強い個人が集まってこそ難問を解決する強いチームが結成でき、革新的な技術も生まれるからです。
本学が理想とする人間はユニークで特出した専門性と幅広い興味・関心を持ち、コミュニケーション能力を備えていること。そうしたカを持つことによって世界で活躍できる人材を育成する教育を体系化しています。

「多元的多様性」の意義

総合コミュニケーション科学では、あらゆる仕切りを取り払うことが肝要であると考えます。つまり、老若男女の区別や民族や国籍の違いだけでなく、既存の学問分野のセクショナリズムも乗り越えた連携や協働を重要視しています。従来異質であると考えられていたもの同士の相互作用によって、様々な人、事物、事象、概念の間に多元的なネットワークを構築することで産み出される多様性こそがイノベーションの源泉です。
傑出した専門性を持ち、「多元的多様性」を是とする個々の研究者たちが、文化や分野の壁を越えて連携・協働し、人々が心豊かに暮らせる持続可能な社会の構築に寄与する。それこそが、電気通信大学が目指す「総合コミュニケーション科学を創出する」ことなのです。

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