基本方針
電気通信大学は、人類の持続的発展に貢献する知と技の創造と実践を目指し、三つの理念を掲げる。第一に、万人のための先端科学技術の教育研究。第二に、自ら情報発信する国際的研究者・技術者の育成。そして第三に、時代を切り拓く科学技術に関する創造的活動と、その実践を通しての社会との連携である。
21世紀のわが国が科学技術立国によって世界をリードするためには、何よりも総合的実践力のある高度な技術者・研究者の養成が不可欠である。教育力と研究力を両輪とする均衡の取れた教育機関・研究機関としての電気通信大学の従前の歩みを踏まえつつ、さらにその使命を強く自覚し、基礎学力・倫理観・国際性を兼ね備えた高度技術者・研究者を養成する国際的に卓越した大学としての責務を果たすことが社会からも強く期待されている。この目的を達成するために、教育水準と研究水準において世界的レベルを維持し、わが国のみならず国際社会に寄与する先導的大学としての役割を不断に果たし続けてゆく。本学の中長期における基本方針は、以下の通りである。
1. 学部教育
- 本学の特色を活かしながら、社会の要請を考慮した学習・教育目標を設定し、学生の主体性・国際性・倫理観を育成する教育を実践し、技術者として総合的実践力ある人材を育成する。
- 基礎学力の向上を重視し、進路目標に適応した教育プログラムを導入し、学生自らの目的意識と学習意欲を向上させる。そのための教育体制を整備・強化する。
- 学部教育と大学院教育の連携を強化し、学部学生の大部分が大学院に進学する教育環境を構築する。
2. 大学院教育
- 本学大学院の特色を活かしながら、社会の要請を考慮した学修・教育目標を設定し、国際的に通用する教育内容の強化を図り、「技術者力」のある高度技術者・研究者を養成する。
- 多様な履修コース・履修モデルを設定し、社会人ならびに本学学部以外からの大学院入学者にも広く開かれた教育プログラムを提供する。
- 教育研究組織を柔軟かつ横断的に活用する環境を構築し、学際的・複眼的な思考のできる人材を育成する。
- 他大学や企業との連携強化、および国際化を積極的に推進し、社会や技術を先導する人材を養成する。
3. 研究
- 本学の理念に基づく理工学関連諸分野において、社会から高く評価される国際的に卓越した大学にふさわしい知と技の創造を実践する。
- 自由で自主的な発想による研究を発展させ、新分野の芽を育てる研究環境を形成するとともに、教育研究分野を柔軟かつ不断に発展させる。
- 国際的な研究プロジェクト、企業などとの共同研究、国または民間からの受託研究などにより、国内外の組織と連携した研究を積極的に推進する。
- 科学技術に関する裾野の広い分野を担う人材を確保するとともに、社会的要請が高い研究プロジェクトを推進する。
- 研究の内容や成果を積極的に内外に情報発信するとともに、情報交換の場を作り、国内外の研究者の交流を強化する。
4. 社会貢献
- 国内外の学術的諸活動に積極的に参加し、学術を通して国際社会との連携を強めるとともに、自由と調和に基づく知的社会の発展に寄与する。
- 国内外の諸組織との産学官連携活動を通して社会の発展に寄与する。
- 開かれた大学として、地域の諸組織、個人との交流・連携を強化し、地域社会の発展に寄与する。
5. 大学運営
- 法人の意思決定を学長のリーダーシップの下に明確かつ、迅速に行う。あわせて、法人運営を継続的に改善し、合理的な運営体制を整備する。
- 教育研究の目標が効果的に達成できるように、教育研究体制の継続的な整備・改善ならびに適切な資源配分を行う。
- 教職員の任用と育成を含む人事、評価制度を継続的に改善し、教育研究活動をより一層活性化させる。
- 広報活動を積極的に行うとともに、高い透明性と幅広い公開性を原則として、社会的責任を果たす。