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情報理工学部:学部・大学院

教育方針

総合情報学科情報・通信工学科知能機械工学科先進理工学科

教育方針

大学教育の目的は、幅広い教養と高度の専門能力を身に付け、柔軟な思考力と豊富な想像力に基づく創造性豊かな、視野の広い人材を育成することにある。また、電気通信大学では、高度コミュニケーション社会を支える総合科学を「総合コミュニケーション科学」と称し、「人と人」、「人と社会」、「人と自然」、「人と人工物」の全てのコミュニケーションを対象に置き、基礎から応用に至る研究を有機的に連鎖させて総合的な学術の発展を図り、平和で幸福な社会の進歩発展に寄与することを目標としている。
そこで本情報理工学部では、「総合コミュニケーション科学」に関わる科学技術の諸分野において高度な専門能力を育み、幅広く深い教養を授け、主体性・国際性・倫理意識を育成する教育を展開し、科学者・技術者として総合的実践力ある人材を育成することを教育方針とする。
この方針に基づき、情報理工学部のカリキュラムは、人間性の陶冶に資する「総合文化科目」と、入学直後から始める「実践教育科目」、基礎から各学科(課程)・コース(プログラム)の専門性へと系統的に展開する「専門科目」の三つの科目群から構成され、1から2年次の間は学部共通教育、学科(課程)教育によって、勉学に取り組む十分な意欲と能力、基礎学力、学科(課程)共通の専門基礎力に重点をおいた幅広い学びを行い、併せて、学科(課程)内の各専門コース(プログラム)の内容を解きほぐして提示する俯瞰授業等によって専門分野に関する理解を深め、3年次から自己の資質、目標に即して柔軟に進路を選択しコース(プログラム)に所属して専門性を極める体系となっている。先端工学基礎課程(夜間主コース)には、さらに、就労経験(企業内研修や長期インターンシップによる労働経験)に基づいた課題研究を大学と企業の連携指導の下で進め、専門分野における現実的技術あるいは課題について、工学的に読み解き、解決できる応用力・実践力を育成する科目を配置している。

全学科・課程に共通する学習・教育目標

「科学的思考能力の養成」、「科学者・技術者としての倫理意識および人間性・国際性の養成」、ならびに他人の考えを正しく理解し自分の考えを人に正しく伝える「論理的コミュニケーション能力の習得」を全学科・課程に共通する学習・教育目標とする。各学科・課程では、それぞれの教育目的に沿う専門的能力について、学科・課程特有の学習・教育目標を設定している。

(1)科学的思考能力の養成

今日の科学技術は極めて精緻になり進歩もまた急速である。単に現在の先端的な知識・技術を習い覚えることだけでは、習得したものは短期間で古くなり役立たなくなる。科学技術の領域で自立した科学者・技術者となるためには、学問を基礎から体系的に学び、応用力、柔軟性、創造性などの力を身に付けることが重要である。専門の道を極めるのは高い山を登るのに似ている。長い道のりを一歩一歩たゆみなく歩み続けるうちに、徐々に展望が開け、歩むことがますます楽しくなり、目指す頂上に達することができるのである。本学部では、自然科学、数学などの基礎を十分に教育することによって、それらの知識を縦横に応用できる豊かで柔軟な科学的思考能力を持つ人材を養成する。

(2)科学者・技術者としての倫理意識および人間性・国際性の養成

社会に貢献する科学者・技術者としてその役割を果たすためには、深い教養と豊かな人間性を養わなければならない。20世紀後半にいたって、科学・技術は人間ないし環境との調和の面で深刻な問題を引き起こし始めた。特に科学者・技術者にとっては、グローバル化した科学・技術のもたらす人間・社会・環境への影響、それへの深い理解を持つことが従来にも増して重要な素養と考えられるようになった。21世紀に活躍する科学者・技術者には、自分の携わる科学・技術と国際社会・環境との関わり方を意識し、高い倫理性をもって自らの行動原理を自覚できることが求められている。本学部では、幅広く深い教養を育み、高い倫理意識および人間性・国際性を持つ人材を養成する。

(3)論理的コミュニケーション能力の習得

人間社会においては、他人の考えを正しく理解し、自分の考えを人に正しく伝える能力が不可欠である。そのような能力によって初めて、高度に発達したコミュニケーション手段・技術が活かされ、社会に貢献できるようになる。具体的には、文書作成、口頭発表等を通じて正確かつ論理的に情報を伝え、効果的な討論を行うなどの能力が求められる。本学部では、そうしたコミュニケーション能力を養うとともに、さらには国際的に通用するコミュニケーションスキルを持つ人材を養成する。

学習上の指針

大学における科目の履修にあたっては、高等学校まで以上に、学生諸君の主体的・能動的な学習姿勢が強く期待されている。特に、実験・演習は、講義で学んだ事柄を体験し定着させ、技術・技法を確実に身に付けるための重要な科目である。また、昼間コースで必修となっている卒業研究は、教員の個別指導のもとに、はじめて自分で一つのテーマに取り組んで研究を行うもので、4年間の学習の総仕上げとして極めて重要な意義を持っている。実験・演習・卒業研究においては、諸君が自ら積極的に行動しなければ成果を得られないことは言うまでもないが、その他の科目においても、単に与えられたものを受け取るだけでなく、自分で納得ゆくまで掘り下げ、徹底的に考えて物事の本質を捉えようとする姿勢が大事である。
学部の教育はそれ自体で一旦完結するものであるが、学問の道を深め一層高度な専門能力を習得したい者は、大学院においてさらに学習を続けることを強く勧める。大学院博士前期課程には学部各学科の専門コースがそのままの構造で継続されており、そこで展開されている「連携専門科目」を介して学部と大学院のカリキュラムの連続性が図られており、その科目は学部生にも開放されている。

学習・教育目標

課程における学習・教育目標を以下に示す。

総合情報学科

メディア情報学コース、経営情報学コース、セキュリティ情報学コース

教育目的

社会における情報の遍在性、情報形態の多様化、情報への脅威、情報活用領域の拡大、といった情報環境の変遷に対応して、「人と人」、「人と社会」等のコミュニケーションの高度化を通した社会の発展を目指し、情報の応用・活用分野を発展させることができる技術者の養成を目的とする。そのために、情報分野における基礎知識とその運用について教育した上で、情報を応用・活用するという側面に重点をおいた実践的教育を行う。特に、「工学的な情報」のみならず、「人間や社会に関する情報」も教育の対象に取り込み、3年次以降には「メディア情報学コース」、「経営情報学コース」、「セキュリティ情報学コース」の3つの専門コースを設置して教育を展開し、社会を支える新たな情報技術の創成を担う人材を育成する。

学習・教育目標

3つの専門コースの学習・教育目標について述べる。

メディア情報学コース
本コースは、技術の発展を前提とし、より豊かで快適なメディアおよび、それを用いた新しいコミュニケーションや社会活動の方法を教育・研究する。具体的には、映像、音響、圧力などの情報処理を用いた五感メディア、人工知能やエージェント技術を用いる知的メディア、いつでもどこでも安心して使える社会的メディア、これらのメディアを駆使したコミュニケーションや芸術作品の制作などを教育する。さらに、メディア論、コミュニケーション論など、人文社会科学の観点からも、メディアと人間との関わりを多面的に教育する。本コースが育成を目指す人材は、メディア技術の高度な専門家である。加えて、メディアを用いた社会システムの提案・運用、芸術作品などの企画・制作において、社会のリーダーとなる人材を育成する。このような人材の育成にあたっては、授業だけでなく、実験や制作、グループ討論を重視し、知識の習得だけでなく、自ら発想し行動する能力を養成する。 カリキュラムの特徴は以下のようである。
  1. 総合情報学科共通の「専門基礎科目」を厳選して配置し、実社会における諸問題を情報処理技術によって分析、解析する方法が理解できるようにしている。
  2. メディアとその創造・解析に関わる情報処理技術、コミュニケーションに関する科学的、人文社会科学的な解析についての基礎を修得できる科目を用意している。学部の「専門科目」で情報メディアに関する専門性を修得し、意思ある学生には大学院の「連携専門科目」でより深い専門性と応用性が修得できるようになっており、学部と大学院教育の連携による基礎から応用への学習発展を図っている。
  3. 「専門実験」、「専門の演習科目」によって、実践的なメディア情報処理技術、解析法を用いて問題を解決する能力を育成する。
経営情報学コース
経済がグローバル化するなかで巨大化していく企業における経営の舵取りを最適化するためには、全世界の現場より発信されるデータに基づく数理モデルを利用するマネジメント科学(Management Science)によるアプローチが必要欠くべからざるものとなっている。また、コンピュータの出現や情報通信技術の発展によってマネジメント科学をプラクテイスすることが可能となり、このための現場の実体とニーズに基づく情報システムを設計・開発・運用することは経営の根幹にかかわる役割を担っている。さらに、社会と顧客に満足を与えるシステム開発のため、また、社会/環境・顧客・従業員の三者の満足度を追究する企業の経営に向けて、人間についての深い理解も欠かせない。本コースでは、上記の数理、情報、人間という3つを専門教育の柱として位置づけ、これら3分野の高度専門知識を身に付けた論理的で創造性があり広い視野を持つ人材の育成を目指す。
本コース卒業生は社会のほとんどすべての領域で必要とされるが、特に期待されているのは、社会/環境・顧客・従業員の三者の満足度を高めるジョブデザイン、開発・生産・マネジメントのためのマネジメント科学、ハード・ソフト・ネットワークを総合的に企画しうる人材の育成により、社会に貢献することである。カリキュラムの特徴を以下に示す。
  1. 理工学的アプローチで企業経営をマネジメントできる人材の育成における3本柱である数理、情報、人間に関する基礎知識を習得する。また、単に基礎知識の習得に留まらず将来の進路を見据えることができるようオムニバス形式で研究紹介を行い、学習意欲を喚起するよう配慮している。
  2. 本コースの専門科目群では、数理、情報、人間と広範囲な経営システム工学分野の専門知識を習得できるように科目を配置している。加えて、現実に経営に携わっている企業の方々を講師として招き、生きた経営に触れる機会も設けている。
  3. 各自の興味や進路に応じて研究室に所属し卒業研究を行うことで、学習した知識や技術を自由自在に使えるようになることを目指す。
セキュリティ情報学コース
情報システムは、コンピュータ、ネットワークおよびコンテンツ(メディア)から構成され、情報システムの安全性はコンピュータセキュリティ、ネットワークセキュリティ、コンテンツセキュリティと呼ばれる。具体的には、コンピュータセキュリティではハードウェア・ソフトウェア設計手法によるシステム保護、ネットワークセキュリティでは安全な運用方式による個人情報保護、コンテンツセキュリティでは情報処理によるプライバシー保護、著作権保護などが重要である。 本コースでは、情報社会の実現に伴って新たに生じた「情報に対する脅威」に対して、安全性向上技術、および各種のシステムやサービスの設計能力と運用能力を備えた人材育成のための教育と研究を、基礎から応用まで幅広くカバーする。本コースが育成を目指すのは、情報セキュリティの基盤となっている暗号・認証技術などの安全性評価法、セキュリティシステム設計法、各種ネットワークの設計・開発・運用方法、マルチメディア情報の処理・運用方法などを教材として、安心・安全な社会生活において、情報と人間との快適な関わりを保証できる情報ネットワーク社会の実現に寄与する人材を育成することである。特に、実践力を備えた技術者、システム開発・運用者を育成する。カリキュラムの特徴は以下のようである。
  1. 多岐にわたる情報化社会におけるセキュリティの諸問題を解明し、解決する手法について理解できるように、情報セキュリティ工学の「専門基礎科目」を選んでいる。
  2. 情報セキュリティにおける安全性の評価と強化のための基礎固めから、応用システムにおける設計・開発・運用方法への応用学習にいたるまで幅広い知識の修得を図る。
  3. 専門実験、専門科目の演習により、実践的な情報セキュリティ技術者を育成する。

情報・通信工学科

情報通信システムコース、電子情報システムコース、情報数理工学コース、コンピュータサイエンスコース

教育目的

本学科では、高度コミュニケーション社会の基盤となる情報通信技術の分野において、幅広い素養と思考力を備え、実践力をともなう確かな専門基礎力と継続的学習能力をもつ技術者を養成することを目的とする。この目的の達成のために、まず1、2年次において、情報と通信を学ぶ上での基礎となる数理的および物理的思考能力を養う。次いで3年次で「情報通信システムコース」、「電子情報システムコース」、「情報数理工学コース」、「コンピュータサイエンスコース」の4つの専門コース(専門プログラム)に分かれ、これらのコースの専門性に特化した電子情報・通信機器・コンピュータなどのハードウェアおよびソフトウェアの知識と操作・設計・応用技術、ならびにネットワーク化する情報通信システムおよび多様化する情報メディアに関する基本技術を実験・演習を通して体得させ、社会性と倫理観をもつ実践的技術者となる人材を育成する。

学習・教育目標

本学科のカリキュラムは次のような特長を持っている。

  1. 1年次の「初年時導入科目」および「理数基礎科目」により、すべての専門分野に求められる数理的思考力と実践的基礎力を養うとともに、「キャリア教育科目」を通して技術者としての職業観を身につける。
  2. 2年次の「学科専門基礎科目」により、各コース共通の専門基礎を養うとともに、「情報・通信演習1&2」を通して幅広い分野に対応し得る技術者・研究者としての土台を築く。
  3. 各コースに分かれた3年次以後の「専門科目」では、各分野の学修において必要な知識を学ぶ。特に、豊富に用意された実験・演習により、学生自らの目的意識と学習意欲を向上させつつ専門的実践力を鍛える。同時に、コース・学科間の壁を越えた科目履修を一定の範囲で許容することにより、個性を伸ばす教育を行う。
  4. 3年次以降にも「キャリア教育科目」を用意するとともに「技術英語科目・上級科目」を充実させることにより、特定の専門性に限定されない幅広い視野と社会性・倫理観を備えた技術者を育成する。4年次の「輪講・卒業研究」により、実践的技術者育成の総仕上げを行う。

3年次以降、本学科所属の学生がより専門性の高い知識を習得するために配属されるコースの概要を以下に示す。

情報通信システムコース
本コースでは、情報通信システムを原理的に学ぶために数理および電気・電子・システムの基礎的素養を身につけ、その上でワイヤレスおよび光伝送のためのシステム・デバイス・回路の基本設計や、通信ネットワークの構築技術を習得する。また、情報理論、通信理論、符号化技術、ネットワーク理論、暗号技術など、情報通信システムの基盤技術を修得するとともに、実験実習などの実践教育を通して情報通信社会で活躍できる技術者を育成する。
電子情報システムコース
本コースでは高度コミュニケーション社会において今後ますます多様化・大量化する波形情報を含めた多用なメディア情報を扱うために不可欠な電子、計測、情報の基本科目を学ばせ、さらに、これら多くの要素技術の集合体であるシステムを数理的に捉える制御について学習させる。専門要素技術を確実に身に付けつつ、全体を俯瞰できる能力を養う。学習したこれら基本技術を実験・演習を通して物理的意味を体得させ、実践的技術者を育成する。
情報数理工学コース
本コースでは、(1)理工学の扱う現象に対する理解を深めること、(2)数理モデルの構築に必要な解析手法を学ぶこと、(3)最新のコンピュータ科学を基盤とするハイパフォーマンスな計算技術を身に付けることを柱とし、現象を記述するモデルを創り出し高度なプログラミング技法を用いてそれを実装する能力を養う。これらに基づいて、現象の総合的な解析方法としてのシミュレーション科学の 基礎と応用を身に付け、理工学のさまざまな領域で活躍する技術者を育成する。
コンピュータサイエンスコース
高度情報ネットワーク社会の発展の基幹をなすコンピュータの基礎と応用についての教育を行い、コンピュータの持つ新しい可能性を追求し、ハードウェアとソフトウェア双方にバランスのとれた知見と実践的開発力を有した技術者を育成する。具体的には、離散数学やオートマトン理論などのコンピュータサイエンスに関する理論的基礎を習得した上で、コンピュータアーキテクチャ、コンピュータネットワーク、プログラミング言語とその処理系、ソフトウェア工学、データベース論などのコンピュータサイエンスの分野の基盤となる知識体系をバランス良く身に付けた視野の広い技術者を育成する。

知能機械工学科

先端ロボティクスコース、機械システムコース、電子制御システムコース

教育目的

現代社会における生産・輸送・流通・通信・情報などの多くの産業は、電子化・情報化された高度な機械システム:メカトロニクスによって支えられ発展を続けている。本学科は、進化を続ける知能メカトロニクス分野において、設計・製造・開発の先端を担う人材を育成することを目的としている。そのために、先端ロボティクス・機械システム・電子制御システムの3コースを設け、基盤となる共通工学分野:機械工学・電子工学・情報工学の基礎から応用までを幅広く学び、新しい機械システムを解析・設計できる総合的な能力を養成するとともに、各自の得意な専門分野を十分に修得できる教育プログラムを用意している。

学習・教育目標

1、2年次に自然科学・数学の基礎を学び、2年次以降、機械工学・電子工学・情報工学の専門教育を行う。講義に加えて、実験・演習が用意されている。3年次から先端ロボティクス・機械システム・電子制御システムの3コースに分けて専門教育を行う。それぞれのコースの概要は以下のとおりである。

先端ロボティクスコース
社会生活の向上・安心安全の確保・人類の活動領域の拡張を目指して、ロボットの機構・力学、インタフェース技術、知能化・自律化の分野に貢献できる人材を育成する。
機械システムコース
複雑化する機械をシステムとして捉え、機械工学を基礎にしたデザイン手法、最適設計、自然環境・都市・生命と調和のとれたものづくりを実現できる人材を育成する。
電子制御システムコース
電子技術、計算機技術を駆使した制御工学を基礎として自動車・航空宇宙機・プラント・情報機器などの高度なメカトロニクス分野に貢献できる人材を育成する。

それぞれのコースには代表となる必修科目を設けているが、知能機械工学の基盤となる主要な科目は、全てのコースの学生が履修するものであり、講義と演習を一体化した講義科目の他、実験・製図・演習科目を用意して、学生の理解を深めることができるよう配慮している。学習目標は以下のとおりである。

1.基礎(1、2年次)
  • 専門科目の十分な理解に必要な、数学・物理学・情報の基礎科目を学ぶ。
  • 基礎科目を発展させた数学・力学・電磁気学・情報工学を修得する。
  • 実験・演習を通して理解を深める。
2.専門(2年次以上)
  • 機械工学の基礎である材料力学・機械力学・流体力学・熱力学を学ぶ。
  • 制御工学・計測工学およびそれを実現する電気・電子回路について修得する。
  • 基礎科目を発展させた高度なロボット工学・機械工学・電子制御工学を学ぶ。
  • 実験・製図・演習科目を通して理解を深め実践力を身に付ける。
3.卒業研究(4年次)
卒業研究を行う研究室は、所属するコースに関わらず、本学科の教員の全ての研究室の中から選択できる。配属された研究室の教員の指導のもとに輪講・研究を行う。これまで身に付けた知識を用いて、課題の分析・問題解決の能力、創造性を養う。また文献調査・論文作成・プレゼンテーションなど技術者としての総合力を高める。

本学科は以下を教育目標とする。

  1. 機械工学ばかりでなく計測・制御のための電子工学・情報工学の基礎・専門知識を十分に身につけ、実習を通じて実践力をもたせる教育を行う。
  2. 専門知識に基づいて、自ら問題提起を行い、考え、判断し、解決する能力を修得させる。
  3. 自らの考えを人に理解させるコミュニケーション能力を養う。
  4. 技術者としての倫理を学び、その責任を自覚し、人類・社会に貢献する人材を育成する。

先進理工学科

電子工学コース、光エレクトロニクスコース、応用物理工学コース、生体機能システムコース

教育目的

先進科学技術は自然界の真理・原理を知る「理学」とその真理・原理の技術への展開を図る「工学」の統合から創出される。先進理工学科は、先進科学技術を創出する理工学の中で「高度コミュニケーション科学」の重要な要素である「電子工学」、「光エレクトロニクス工学」、「応用物理工学」、「生体機能システム工学」に関わる技術者として、社会的使命と責任を認識し、これらの工学分野での創造的活動を行なう人材を育成することを教育目的とする。上記工学が関わる幅広い科学技術分野において指導的役割を担う能力を有し、さらには急速に変転する科学・技術に対して、専門的な知識と国際的な視野に立った倫理観によって、正確な判断を下す能力を有する工学士を養成する。そのために、これらの工学分野の基盤をなす物理学、化学・生物学の基礎を教授し、さらにその「電子工学」、「光エレクトロニクス工学」、「応用物理工学」、「生体機能システム工学」への工学的展開を教授する。

学習・教育目標

情報理工学部として共通する学習・教育目標の他に、先進理工学科の更なる目標を以下にあげる。

1.先進理工学技術の習得
高度コミュニケーション社会を支える先進理工学の分野「電子工学」、「光エレクトロニクス工学」、「応用物理工学」、「生体機能システム工学」の基礎的素養を充分に身に付け、駆使することができる技術者・研究者を養成する。
2.高度コミュニケーション社会への対応
社会や技術の急激な変化や環境の変化に柔軟に対処する能力を有する技術者・研究者を育成するために、数学、自然科学、電気・電子回路等の技術者としての基礎学力を充分に身に付けさせた上で、専門の知識を習得させる。コンピューターやネットワークを実践的に活用し、プログラミングやシミュレーションなどを行う基本的な能力も養う。
3.想像力豊かで、好奇心旺盛な技術者・研究者の育成
技術者・研究者として問題提起を行い、自ら考え、判断・行動して問題を解決する能力を養う教育を行う。さらに、課題について多面的な視点から考え判断する、柔軟で創造的な思考能力を育てる。他分野の知識も積極的に吸収し、専門分野以外の問題にも対応できる能力を育てる。

学習のプロセス

1、2年次には、物理学、化学、生物学の基礎等の専門基礎能力と、電気・電子回路の基礎的知識と技術、コンピューター・ネットワーク活用等の工学的基礎能力を習得する。
3年次以降は「電子工学」、「光エレクトロニクス」、「応用物理工学」、「生体機能システム」の4コースに別れてそれぞれの専門分野を学ぶ。将来の技術革新に対応するためには幅広い理工学の基礎知識が必要であり、他コースの講議(実験、演習を除く)の受講も可能であり、推奨される。授業は、講義に加えて・実験や演習が用意されている。これらは、講義の理解を深め、自然科学を基礎とする工学の研究手段の習得に不可欠である。
4年次では研究室に所属して、輪講・卒業研究により実践的な問題解決能力を養うと共に、より専門性の高い内容を大学院連携科目として学ぶ。
学部の教育はそれ自体で一旦完結するものであるが、本学科で学ぶ理学と工学を統合した「理工学」は深淵であるので、学問の道を深め、技術者・科学者として一層高度な専門能力を習得したい者は、大学院においてさらに学習を続けることを強く勧める。

プロセスの目標

(1)基礎(1、2年次)
  • 先進理工学の基盤となる物理学、化学・生物学の基礎とその解析手法として不可欠な数学を習得する。【専門基礎能力】
  • 現代工学の基盤の1つである電気・電子回路の基礎的知識と技術を習得するとともに、コンピューターやネットワークを活用でき、プログラミング、シミュレーションなどを行う基本的な能力を身につける。【工学的基礎能力】
(2)専門(3年次以上)【専門の基礎能力と応用力】
●電子工学コース:
現在の高度コミュニケーション社会を支える電子・光デバイス(素子)とそれらの集積回路の設計・開発を学ぶ。半導体を中心とする電子・光材料、電子・光デバイスの動作原理、デバイスを組み合わせて機能する電子回路、多数の電子回路からなる集積回路の設計を学び、研究開発現場で通用する電子工学の基礎力と応用力を習得する。
●光エレクトロニクスコース:
光エレクトロニクス技術はブロードバンドネットワーク社会や基礎自然科学、医学、エネルギー、ナノテクノロジー、加工・プロセス等の分野で大きな役割を果たす。光エレクトロニクス技術の基盤となる光機能材料、光デバイス、光通信・情報処理システムに関した幅広い専門技術の基礎力と応用力を習得する。
●応用物理工学コース:
先端材料・デバイス開発に必要となる原子・分子や電子の性質をミクロな観点から理解し、新しい機能を持つ先端材料・デバイスの発見や創造する能力を習得する。そのために、物理学の基本的な概念、理論を習得し、それらを固体デバイス工学、光工学、量子エレクトロニクス等に展開する応用物理工学の基礎力と応用力を習得する。
●生体機能システムコース:
分子から個体までの諸階層での生体システムについての生命科学(分子生物学、生物化学、細胞生物学、神経科学など)と、その物質的基盤としての化学(物理化学、無機化学、有機化学)を学ぶ。さらにその工学的発展として、有機物質・高分子材料工学、生体分子・細胞工学、生体工学、生命情報工学などを学び、機能性材料・電子材料、バイオ・医工学分野での先端的研究・開発において必要となる応用力を習得する。
(3)卒業研究(4年次)
  • 「電子工学」、「光エレクトロニクス」、「応用物理工学」、「生体機能システム」の各領域先端での研究を実際に行ない、身につけた知識と能力を駆使して、問題の分析、解決方法の探求、実験や理論的予測や検証の計画と遂行によって問題を解決する能力を養う。さらには、新課題を発見する能力を磨く。【課題発見能力と問題解決能力】
    そのために、卒業研究では、上記工学分野の文献調査、読解、整理を行い、自身の研究成果の評価とプレゼンテーションを卒業研究発表と卒業論文作製の形で行う。【専門知識の調査・整理、プレゼンテーション、レポート作製能力】
  • 技術者及び研究者として求められる新しい知識や技術の取得を自主的、継続的に行う力を養う。【継続学習能力】
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