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お知らせ

牧昌次郎助教(先進理工学専攻)が世界最長波長の発光材料の実用化を達成

2011年11月01日

牧昌次郎助教(先進理工学専攻)が、ホタル生物発光系では世界最長波長の試薬を開発し、実用化を達成しました。

ホタル生物発光は有機分子である発光基質とタンパク質である酵素から生じる肉眼には黄色く見える光(約560ナノメートル)で、ライフサイエンス分野では、この仕組みを利用した可視化材料が実用化されています。ライフサイエンス関連分野の急成長により、生体深部の可視化が腫瘍関連と再生医療の研究分野で世界的に求められており、血液などの生体物質の吸収が少ない長波長発光材料(650~1000ナノメートル:生体の窓領域)の材料に対する国際ニーズが高まっています。

今回、発光基質の化学構造類縁体を有機合成的に創製し、市販酵素と反応させることで、生体深部可視化に資する(約675ナノメートル)の波長を実現し、これを世界で初めて事業化しました。

これまで生体の窓領域に自発光する標識材料は市販されておらず、本材料は世界最長波長かつ、世界最先端技術の実用化となり、本学発の化学技術が工業化される最初のケースとして、本学が推進している「総合コミュニケーション科学」の実現例ともなるでしょう。また本事業化は、電気通信大学発ベンチャー・事業化シーズ創出支援事業と科学技術コモンズ試験費・技術移転調査費の支援を受けています。

和光純薬工業株式会社から製品化された近赤外発光ルシフェリンアナログ「アカルミネTM