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お知らせ

【報告】SPring-8 BL36XUビームライン竣工3周年記念成果公開シンポジウムの報告

2016年08月04日

2016年8月2日(火曜日)に、自然科学研究機構の岡崎コンファレンスセンターにて「SPring-8 BL36XUビームライン竣工3周年記念 成果公開シンポジウム」が開催されました。テーマは、「最先端放射光分析:構造反応リアルタイム&イメージング計測」で、BL36XUビームラインを利用した固体高分子形燃料電池の触媒の計測評価を中心に、合計7件の成果発表がありました。同シンポジウムには、高輝度光科学研究センター(JASRI)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、自然科学研究機構分子科学研究所、大学、さらには民間企業など、BL36XUビームラインの設置や活用などに関係する研究者約110名(定員は100名)が参加し、最新の研究成果の報告と活発な質疑応答が行われました。

開会の挨拶では、本学燃料電池イノベーション研究センターの岩澤康裕センター長が、SPring-8 BL36XUビームラインが設置された目的と背景、および重要性に加えて、次世代燃料電池の触媒開発への活用に対する期待が述べられました。
来賓の挨拶では、福田喬学長が本学とBL36XUビームラインの関係、および研究大学強化促進事業採択校としてのテーマの位置づけを紹介し、エネルギー研究のブレークスルーとしての役割に対する期待を述べたほか、高輝度光科学研究センター(JASRI)の土肥義治理事長および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の土屋宗彦理事からBL36XU竣工後の成果に基づく本シンポジウム開催への期待が述べられました。

講演では、まず初めに燃料電池イノベーション研究センター宇留賀朋哉特任教授より「BL36XUにおける固体高分子形燃料電池解析のための先端放射光計測技術」が、次いで岩澤康裕センター長より「固体高分子形燃料電池触媒の “in situ/operando”、“時間軸”、“空間軸”XAFS先端計測評価」と題する発表が行われ、固体高分子形燃料電池の触媒を対象とする世界初の計測評価の事例が紹介されました。

その後、名古屋大学物質科学国際研究センターの唯美津木教授、分子科学研究所物質分子科学研究領域の横山利彦教授、北海道大学触媒科学研究所長の朝倉清高教授、岩手大学工学部の竹口竜弥教授、横浜国立大学先端科学高等研究院の石原顕光特任教員(教授)より、それぞれBL36XUビームラインを利用した最新の研究成果が報告されました。

閉会の挨拶では、東北大学多元物質科学研究所の高田昌樹教授・総長特別補佐より、BL36XUビームライン設置における産学官連携の取り組みが報告されるとともに、イノベーション創出に向けて、さらなら連携強化への期待が述べられました。

岩澤康裕センター長の開会挨拶
福田喬学長の来賓挨拶