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イベント情報

霜田光一先生(東京大学名誉教授)特別講演会【11月22日開催】

2016年11月14日

講師の霜田光一先生は、メーザー・レーザーの黎明期から、最先端の研究を牽引されてきた、量子エレクトロニクス分野の草分けの先生です。同時に、長年、物理教育分野にも力を入れてこられ、教科書「レーザー物理入門」、「歴史をかえた物理実験」、「エレクトロニクスの基礎」の著者としても有名です。
大変貴重な機会ですので、お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

メーザー・レーザーの原理 ~連成振り子による誘導放出、自然放出と量子コヒーレンス~
日時 11月22日(火)17時00分~18時30分
場所 東5号館241室
講演者 霜田光一先生(東京大学名誉教授)
要旨

原子分子による光の放出・吸収は2つの定常状態の間の量子跳躍によって光子が放出・吸収される現象であって、誘導放出において入射光と放出光の位相は無関係であると考えられていた。しかしメーザーの発明はこの概念を覆すものであった。
この講演では、定常状態の間の遷移によって誘導放出がどのようにして生じ、なぜ自然放出が起こるのか、連成振り子の実験を通して解明する。これによってレーザー光のコヒーレンス、すなわちレーザー光と普通の光との相違を理解することができる。
連成振動はタイプの違う2つの振動の共鳴によっても起こる。つるまきバネに重りと紐を付けた振り子では、振り子運動の周期が伸縮振動の周期の2倍に等しいとき連成振動が起こり、振り子運動の振動面に“自発的対称性の破れ”が観察される。

霜田光一名誉教授 ご略歴

1943年 東京帝国大学理学部物理学科卒業、大学院特別研究生
1948年 東京大学理学部助教授、59年教授、81年名誉教授
1960年

理化学研究所主任研究員兼任、81年名誉研究員

1981年 慶應義塾大学理工学部教授、86年客員教授、92年退職
1993年 東京都立科学技術大学客員教授、94年退職
1974年 東レ科学技術賞、79年米国光学会C. E. K. Mees Medal
1980年 日本学士院賞、1990年勲二等瑞宝章、2008年文化功労者

研究分野

マイクロ波分光、メーザー、レーザー、量子光学、レーザー分光、物理教育など

著書

「エレクトロニクスの基礎」、「レーザー物理入門」、「歴史をかえた物理実験」など