脳・医⼯学研究センター研究セミナー【2⽉24⽇オンライン開催】
2021年02月08日
聴覚についてはじめて学ぶとき、音の情報を神経に伝えるだけのしくみがどうしてこれほど複雑な構造となっているのだろうとだれもが感じると思います。すべての生物はひとつの細胞から進化を経た結果現在に至っており、その過程は今も母体の中で出生するまでに繰り返されています。したがって聴覚の仕組みをよく理解するには、聴覚器がどのように進化して今に至っているのかを知ることは不可欠であり、同時に進化という名のイノベーションがいかにして生じてきたのかを知ることは、工学を学び研究されている人たちにとってヒントになることが少なからずあると思います。
今回のセミナーでは、脊椎動物における聴覚系の進化を主に扱います。はじめての脊椎動物となった魚類において平衡覚をつかさどる前庭器を用いて水中音響の聴取が可能になったこと、生物の陸上化に伴い出現した両生・爬虫類において中耳構造が出現したこと、鳥類においてこれがさらに発展しより高度な機能を持つようになったこと、他方で哺乳類において顎構造の変化から異なる中耳構造と特有の聴覚器官である蝸牛を持つに至ったことなどを中心とした、進化の過程を解説して参ります。それらの途中でなにが得られ、何が失われたのか、何に促されて進化は起きたのか、そしてそれぞれの生物はどのような方略をとった結果、進化につながっていったのか、これらについても一緒に考えてゆきたいと思います。
第89回 CNBE研究セミナー | ||
日時 | 2021年2月24日(水)14時40分 から16時10分 | |
場所 | Zoomによるオンライン開催 | |
講師 | 原田 竜彦 氏(国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科 教授) | |
司会 | 小池 卓二 教授(機械知能システム学専攻) | |
題目 | 生物進化から見た聴覚のメカニズム | |
参加費 | 参加費無料 下記のGoogle Formからお申し込みをお願い致します。
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問い合わせ先 | 田中 嘉法(脳・医工学研究センター) 電話:042-443-5586 メールアドレス:tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp |
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