第123回研究開発セミナー【6月11日オンライン開催】
2021年04月26日
ポストコロナの未来社会は、「バーチャルとリアルが融合するDX時代」となります。また、「文理融合・総合知」の重要性は高まり、産業・経済社会のあらゆるシステムは急速に総合的視点でのデジタル改革が進められようとしています。それに伴い、システムの安定的な運用に向けて、サイバーセキュリティ戦略が益々重要となっています。
本セミナーでは、今、緊急に対応が必要となっている日本における「サイバーセキュリティの実態と課題」、「セキュリティ・バイ・デザイン」による新たなサイバーセキュリティの在り方、先端研究、先進モデル事例等を紹介いたします。今後のアカデミアや企業におけるイノベーション加速、ビジネス戦略に向けて、参考としていただければ幸いです。 企業、学生、大学関係者のご参加をお待ちしています。
文理融合による未来社会の創造とセキュリティ対策 | |||
日時 | 2021年6月11日(金曜日)14時00分から17時40分 | ||
開催方法 | オンライン形式(ZOOM) | ||
主催 | 電気通信大学 産学官連携センター | ||
共催 | 独立行政法人経済産業研究所(RIETI) 電気通信大学産学官連携センター事業協力会 |
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後援 | 一般社団法人目黒会(電気通信大学同窓会) | ||
企画 | 三角 育生 (産学官連携センター 客員教授、元・経済産業省サイバーセキュリティ・情報化審議官) |
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モデレータ | 安藤 晴彦 (産学官連携センター 客員教授、独立行政法人経済産業研究所 理事) |
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参加費 | 無料 | ||
お申し込み方法 | 参加ご希望の方は下記お申込みフォームに必要事項を記載してご登録ください。
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プログラム | 14時00分から14時15分 | 開会挨拶・「未来社会創造」 | 田野 俊一 (学長) |
14時15分から14時40分 | 「文理融合研究への期待」 | 矢野 誠 氏 (独立行政法人経済産業研究所 理事長) |
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14時40分から15時30分 | 基調講演 「DX時代における我が国のサイバーセキュリティの課題と対応」 |
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15時30分から16時20分 | 高橋 正和 氏 (株式会社Preferred Networks 執行役員、最高セキュリティ責任者) |
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<休憩> | |||
16時30分から17時00分 | 先端研究紹介1 「制御理論と暗号理論の革新的融合によるサイバーセキュリティ対策」 |
小木曽 公尚 (大学院情報理工学研究科 准教授) |
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17時00分から17時30分 | 先端研究紹介2 「IoT社会におけるインフラシステムのサイバーセキュリティ」 |
澤田 賢治 (i-パワードエネルギー・システム研究センター 准教授) |
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17時30分から17時40分 | 閉会挨拶 | 大須賀 昭彦 (産学官連携センター副センター長) |
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お問い合わせ先 | 電気通信大学産学官連携センター事務室 電話番号:042-443-5725 |
- (新しいウィンドウが開きます)電気通信大学 産学官連携センター 第123回研究開発セミナー
講演概要と講師紹介
基調講演「DX時代における我が国のサイバーセキュリティの課題と対応」
講演概要
ニューノーマル時代ではビジネスの革新を行うデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みがますます必須となってきています。企業などの組織では、一方、自然災害、パンデミックなどに加えてサイバー脅威への備えがリスク管理の一環として不可欠となりますが、サイバーセキュリティの取り組みが諸活動に対して抑制的なものととらえ、サイバーセキュリティの強化はビジネスの改革・革新を阻害する要因ではないかとの疑問を呈する方も多いようです。そこで、行政において、サイバーセキュリティや業務改革(DXに相当するもの)などの取り組みを行ってきた経験を踏まえ、この課題についてどう取り組むべきかについて解説します。
講師紹介
三角 育生(産学官連携センター 客員教授、元・経済産業省サイバーセキュリティ・情報化審議官)
2012年から内閣サイバーセキュリティセンター(改組前:情報セキュリティセンター)に、内閣審議官(2016~2020年)、内閣参事官(2012~2016年)、として勤務し、サイバーセキュリティ基本法制定・改正に内閣側として取り組み、同法に基づくサイバーセキュリティ戦略の立案や各種基準等の見直しを行った。また、日本年金機構を含む重大なサイバーセキュリティ事象への対応などインシデントレスポンスの指揮等も多数行った。また、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室長代理(副政府CIO)(2018~2020年)や、経済産業省でサイバーセキュリティ・情報化審議官、安全保障貿易審査課長等(1987~2020年)を歴任し、サイバーセキュリティガバナンスの推進や、行政におけるビジネスプロセスリエンジニアリングなども取り組んだ。2020年退官、同年から現職。博士(工学)、修士(MA in Management)。
講演「企業における情報セキュリティ実装とCISOの課題」
講演概要
サイバーセキュリティ経営といわれるように、企業におけるセキュリティ対策は、技術の問題から経営の問題へと変わっています。このため、経営陣の一員として、または、経営に近い立場でセキュリティ業務を執行責任者としてCISOが注目されています。CISOとしての業務は、単に専門的な知識や技術からの視点ではなく、事業レベルのリスクマネジメントに基づいた、事業の安全な発展に寄与する視点が求められます。本稿では、サイバーセキュリティ経営についての考察と、CISOに求められる具体的な取り組みを取り上げます。
講師紹介
高橋 正和 氏(株式会社Preferred Networks(Preferred Networks, Inc.)執行役員、最高セキュリティ責任者)
基本ソフト、製品企画開発、品質管理などの経験を経て、1999年7月にインターネットセキュリティシステムズに入社。当時、名人芸とされたセキュリティを、ソフトウェア工学のような合理的で再現性のあるプロセスにすることを目指した。プロフェッショナルサービス事業責任者、CIO、CTOを務める。
2006年Windows Vistaの発表を機会に、日本マイクロソフトChief Security Advisorに就任。日本におけるセキュリティの窓口として、脆弱性やインシデントの対応や、マイクロソフト社が提唱するセキュリティの啓発に努める。業界団体、公共団体とともに日本のセキュリティの向上を目指した取り組みも推進。
技術が大きく動いている時期でもあり、ユーザー企業のセキュリティ担当者としてフィールドに立つことを決心し、AI系のベンチャー企業Preferred Networksに入社。執行役員 最高セキュリティ責任者を務める ・CISSP(Certified Information Systems Security Professional) ・日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA) 副会長 ・日本リスク・マネジメント学会(JSSM) 執行理事 2021年「CISOハンドブック~業務執行のための情報セキュリティ実践ガイド」(JNSA CISO支援WG、技術評論社)」を出版
先端研究紹介1「制御理論と暗号理論の革新的融合によるサイバーセキュリティ対策」
講演概要
来るDXによる社会基盤技術を安全・安心なものとするためには、リアルとサイバーの両方をカバーするサイバーセキュリティ対策が重要となります。本講演では、ネットワーク化された自動制御システムに焦点を当て、秘密計算を自動制御システムに組み込んだ新しいセキュア制御技術(暗号化制御)を紹介します。この暗号化制御技術に基づいたリバースエンジニアリング対策やリアルタイム攻撃検知機能などの実応用事例を通してDX時代の制御システムセキュリティの在り方について議論します。
講師紹介
小木曽 公尚(大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授)
2014年電気通信大学大学院情報科学研究科機械知能システム学専攻准教授となり、現在に至る。博士(工学)。2010年から2011年まで米国ジョージア工科大学客員研究員。
計測自動制御学会、システム制御情報学会、日本機械学会、IEEEの会員。2005年システム制御情報学会奨励賞、2005年Finalist of SICE Annual Conference International Award、2006年Nomination for IEEE Multisensor Fusion and Integration Best Paper Award、民間企業共同研究感謝状(複数)。
先端研究紹介2「IoT社会におけるインフラシステムのサイバーセキュリティ」
講演概要
大規模なネットワークシステムとなったインフラシステムは、運用効率、接続性、可用性重視でセキュリティ面が片手落ちな状況が続いています。本講演では、インフラシステムにおけるサイバーインシデントの現状と取るべき対策に注目し、今必要となっている「サイバー攻撃の影響が発生した後のダメージコントロール」の基礎技術について紹介します。
講師紹介
澤田 賢治(i-パワードエネルギー・システム研究センター 准教授、大学院情報科学研究科 機械知能システム学専攻(兼任))
2015年電気通信大学i-パワードエネルギー・システム研究センター准教授となり現在に至る。博士(工学)。計測自動制御学会、システム制御情報学会、電子情報通信学会、電気学会、日本機械学会、IEEE会員。2015年度と2019年度にFA財団論文賞、2018年度油空圧機器技術振興財団論文賞、2018年度日本機械学会賞(論文)、2019年計測自動制御学会制御部門パイオニア技術賞を受賞。2016年より制御システムセキュリティセンター顧問。