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研究者情報:研究・産学連携

研究室紹介OPAL-RING
寺田 研究室

プログラミング、ユーザインタフェース、
ネットワークソフトウェアにおけるさまざまな研究

所属 大学院情報理工学研究科
情報・通信工学専攻
メンバー 寺田 実 准教授
所属学会 情報処理学会、日本ソフトウェア科学会、ACM
研究室HP http://pr.cei.uec.ac.jp/~terada/
印刷用PDF

掲載情報は2015年8月現在

寺田 実
Minoru TERADA
キーワード

プログラムソフト、プログラミング、電子ホワイトボード、ユーザインタフェース、ネットワークソフトウェア、可視化、デバッグ、手書き入力、タブレットPC、推薦、P2P、Wiki、教育、エンタテインメント、ものづくり支援、思いつき

研究概要

面白くて役に立つプログラムを、3つのテーマを柱にして作る

当研究室では「プログラミング」「ネットワークソフトウェア」「ユーザインタフェース」の3つの研究テーマを柱にして、ジャンルごとに自由な発想でさまざまなプログラムを作成している。

プログラミング分野

プログラムが実際にどう動いているか、どうやって間違いを探すかということをターゲットに研究を行っている。
その成果として、プログラム実行の様子を視覚的につぶさに表示するためのプログラミング支援ツール「ETV(Execution Trace Viewer)」がある。
つまり、各々の行で何をやっているのかが一目で分かるのだ。この機能を使うことで、問題箇所を見つけるデバッグ作業のほかに、新たに出てくる関数や手続きを別に表示したり、変数値の変化の内容も表示できるので、プログラム学習にも利用できる。このことが既存のデバッガ(デバッグ支援ソフト)やエミュレータ(機能再現動作ソフト)などとの大きな違いとなっている。

ネットワーク分野

インターネットをより便利に利用するためのさまざまなアイデアを研究している。現在行っているものは、面白いホームページを推薦してホームページ閲覧に利用する「推薦」、エンドユーザのPCがネットワークを構成するP2P(Peer to Peer)を利用した情報共有技術、Wikiなどの知識共有・編集ベースのシステムなどだ。

ユーザインタフェース分野

手書き入力など自由な入力手法による「電子ホワイトボード」に、今最も力を入れている。タブレットPCにスタイラス(ペン)を使って手書き入力した文字や図を、データとしてもサーバに自動的に保存できる。このソフトの優れている点は、端末を持っているユーザ全員に同じものを配信できるということだ。例えば、教授が授業の説明をこのタブレットPCに文字を書き込みながらすると、学生の端末にも同じものが表示されるので、黒板を見る必要はないし、学生は必要に応じてWebから自由にデータを取り出せ、ノートをとる必要がなくなる。
さらに、このソフトの大きな特徴は、随所にリンクを張れることだ。書き込んだ文字の特定箇所に水色の枠をつけて、その箇所をクリックすると、Webのハイパーリンクのように、対応するページへジャンプする。つまり、指定した文字をより詳しく説明したり、文章の流れに応じて別のページへジャンプできるのだ。
この機能をうまく使えば、長文や企画を作成するときに利用するアイデアプロセッサのように、骨子から枝葉を作って1つのドキュメントを作り上げることができる。さらに、プログラムのデータは通信を使って転送できるので、遠隔地でのネット会議、通信教育などさまざまな分野で応用できる。

アドバンテージ

大学の自由な発想で、重要なプログラムやテクノロジーを生み出す

タブレットPC上で手書き入力
リンク付けの様子

寺田はもともと、LISP(関数型言語)、Smalltalk(オブジェクト指向言語)といったプログラム言語の開発を行っており、プログラミング言語に関しては、その仕組みまで熟知している。そのため、プログラムの流れをトレースしたり、デバッグを行うためのノウハウを豊富に持っており、研究にフィードバックすることができる。同様にユーザインタフェースに関しても、機械系学科で人間との実世界的なかかわりを見聞してきたので、「電子ホワイトボード」のようなユニークなインタフェースを作り出すことができた。
また、当研究室では、企業で研究できないようなアイデアやプログラムソフトの内容に着目して、自由な発想で研究対象を見つけていることも、大きなアドバンテージだ。インターネットが発達したことで、たくさんの情報やツールが自由に手に入れられようになり、一般のユーザ個人が作ったものがキラーコンテンツになるということもある。その中で、当研究室は、大学人として中間的な位置を保ちながら研究を行うことができるという意識で一緒に研究する多くの仲間がいるほかに、大学間や学会間のアカデミックなつながりがあることからも、より有用で健全なものが生み出せる環境にあると言えるだろう。
当研究室のアイデアやプログラムソフトを提供して研究開発・製品化に結びつけることにより、短期間で収益につながるものを研究開発の対象とする企業にも、新しい提案ができると考えている。

今後の展開

思いつきを大事にして、ものづくりに役立てたい

当研究室のポリシーとして「思いつき」を大事にするということがある。実は今メインで研究している「電子ホワイトボード」の発想も思いつきの賜物なのだ。今後も前記の3つのテーマをベースに、さまざまなものにチャレンジし「思いつき」を大きく育てたいと思う。将来的にはこのアイデアを、プログラミング、教育、エンタテインメントなどの分野の「ものづくり」を行う人たちに提供できるようにしていきたい。
 「電子ホワイトボード」についても、いろいろなアイデアや機能を追加して、もっと使いやすくしていきたいと思っている。既に大学の講義で活用しているが、まだ一方通行だ。これを、参加しているみんなが楽しく書けるようにしたり、遠隔地でも利用できるようにするなど、まだまだ多くの「思いつき」が要る。これらを工夫や技術により追加することで、より面白く使いやすいものに高めていきたい。

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