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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】人工知能を利用して磁石の磁気パラメータの推定に成功 ―スピントロニクスの研究を人工知能で効率化

2021年01月28日

仲谷栄伸教授(情報・ネットワーク工学専攻)、河口真志助教(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻)らの共同研究グループは、材料の測定が難しい特性を、人工知能による画像認識技術によって推定することに成功しました。一枚の磁区画像から磁石の磁気特性を複数種類推定できたのは世界で初めてです。

社会の情報化が急激に進展する中で、省エネルギー・高効率な情報デバイスの開発が大きな課題となっています。新たな材料や物理原理を用いた次世代デバイスの開発には、対象となる材料やデバイスの特性評価が重要な位置を占めています。しかしながら、これまでそのような特性評価には特殊な測定や微細加工が必要であり、大きな労力が割かれてきました。仲谷教授らのグループは、人工知能を利用して画像から磁石の磁気特性を推定することに世界に先駆けて成功しました。この研究では、次世代情報デバイスの材料候補とも考えられているナノ多層膜の磁石について、人工知能分野で大きく発展を遂げている機械学習とコンピュータによるシミュレーションを組み合わせることで、磁石の磁区画像一枚から、それ以上の微細加工や測定を行うことなく、複数の磁気特性を推定しました。

この成果によって、革新的な次世代情報デバイス実現に向けた材料研究・開発が大きく加速されることが期待されます。

発表雑誌
雑誌名:「npj Computational Materials」
論文タイトル:Determination of the Dzyaloshinskii-Moriya interaction using pattern recognition and machine learning
DOI番号:10.1038/s41524-020-00485-2

磁区模様の例

磁区模様の例

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