このページの先頭です

メニューを飛ばして本文を読む

国立大学法人 電気通信大学

ここから本文です

お知らせ

【ニュースリリース】多数同時接続と超低遅延を実現する新たな通信技術(Beyond 5G/6Gの実現に向けて) ―圧縮センシングを活用したグラントフリー非直交伝送法の開発―

2021年03月02日

石橋功至准教授(電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター)と原郁紀さん(大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻博士後期2年)は、5G高度化・次世代の6Gに向けた多数同時接続・低遅延を実現する新たな通信技術について、特許出願を行いました。

2020年から日本でも5Gのサービスが開始され、今後、自動運転やドローンによる荷物配送、リアルタイムヘルスケアといった低遅延性を要求するIoT製品が急増することが見込まれています。データ需要の大幅な増加により、ネットワークへの負担がますます増大し、5Gシステムでは、これらのIoT製品の通信要求に対応できなくなることが予想されています。
既存システムでは、データ送信の際には、通信の許可である「グラント」を基地局から取得する必要があり、これが10ミリ秒程度の遅延を発生させていました。一方、今回の提案では、この手続きを省略し、端末がグラントなしで自由にデータを送信することができます。その際、各端末を特定するリファレンス信号を時間・周波数軸上に配置し、データ信号を周波数軸で繰り返し符号化した上で、送信することで、基地局において、圧縮センシングに基づいた効率的な情報復元を可能にします。

5Gの導入が進む中、既に5Gの高度化および6Gの研究開発が、世界中の研究機関やメーカーによって急速に進められています。本研究も、総務省「第5世代移動通信システムの更なる高度化に向けた研究開発」の委託を受け、株式会社KDDI総合研究所や株式会社構造計画研究所と共に実施している研究の中で開発されました。

本研究により、多数の端末と基地局の間の無線通信を、低遅延でかつ効率よく行うことが可能となりました。

出願番号(出願日):特願2021-029542(2021年2月26日)

伝送のイメージ図

伝送のイメージ図