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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】囲碁AIの応用研究開発で目指す「人間の知の拡張」 ― ゲームAI技術の発展と実践的応用のための寄附金募集開始 ―

2021年10月21日

AI(人工知能)が人間のトッププレイヤを超えるようになった囲碁・将棋の世界では、藤井聡太三冠に代表されるように、AIと戦うという形からAIをパートナーとして活用しながら自らのレベルアップ(知の拡張)を図ることがすでに日常になってきています。
日本棋院と提携している国立大学法人電気通信大学の「エンターテイメントと認知科学研究ステーション」は、ミュージックセキュリティーズ株式会社と連携し、囲碁AIを題材とした人間の知を拡張する応用研究開発、そして、それを支える囲碁AIの技術交流を目的としたUEC杯コンピュータ囲碁大会運営のため、寄附金を募集します。

電気通信大学エンターテイメントと認知科学研究ステーションは、2006年の設立以来、囲碁AIを始めとする最先端のゲームAIの研究を行ってきました。その中で、近年特に力を入れているのが「ゲームAIを用いた人間の知の拡張」です。このプロジェクトでは、囲碁AIに代表されるゲームAI技術を用いて人間の知を拡張し、未だ到達しえない新たな境地へ到達する技術を切り拓くことを目指しています。また、このような教育研究活動を推し進めるために、毎年3月に開催の「UEC杯コンピュータ囲碁大会」をはじめとする囲碁AI技術の振興の場をコロナ禍でも絶やすことなく開催し続けています。「UEC杯」の特徴は、参加者の交流にあります。参加者同士が一同に会し、技術交流を行える場としては、世界的に見ても本大会が最大規模の大会です。今後もこの大会を継続的に開催することの意義を強く訴えていきます。

2015年にグーグルが開発したAlphaGo(アルファ碁)が、人間のプロ囲碁棋士を破って以降も、世界で囲碁AIは進化を続けています。クラウドを利用したハードウェアが比較的安価で入手できるようになり、ディープラーニング(深層学習)を応用した囲碁AIはAlphaGo以降も進化し続けており、開発者の裾野は広がっています。
この分野で得られた技術は囲碁AIにとどまらず、さまざまな分野に応用されています。特に、深層学習や膨大な探索に基づくAI技術は、必ずしも人間の思考過程とは相容れないものであることが多く、人間に理解しやすい表現で提示したり、学習支援に応用したりする技術は、今後人間を超えるAIがさまざまな分野に登場したときに重要な技術になると想像されます。この分野の研究を活用することで、近年中国や韓国に後塵を拝してきた日本の囲碁界全体の底上げが期待され、囲碁界だけでなくさまざまな競技分野で世界に伍する人材の育成に役立つものと考えます。

プロジェクトを統括する、エンターテイメントと認知科学研究ステーション長である電気通信大学大学院情報理工学研究科の伊藤毅志准教授は、「2045年にAIの能力が人間の能力を超えるというシンギュラリティ問題に人類が直面するときに、パートナーとしてのAIとの新しい関係を構築することが必要です。特にAIによる人間の知の拡張、つまり、人智を超える極みを、今、囲碁を題材とした分野で研究しておくことが、この分野のベンチマークとして重要になります。」と話しています。何卒、本プロジェクトへのご理解とご支援を、お願いいたします。

UEC杯囲碁コンピュータ大会の様子1
UEC杯囲碁コンピュータ大会の様子2

UEC杯囲碁コンピュータ大会の様子

ご寄附について

募集プロジェクト名: 人間の知を拡張させるゲームAIの研究開発
募集期間: 令和3年10月21日から令和4年2月28日まで

特典

5,000円以上   電気通信大学エンターテイメントと認知科学研究ステーションの2021年度活動レポート(寄附者様限定特別編集版)
10,000円以上   参加者とプロ棋士による懇親会へのご招待(抽選で10名様)
100,000円以上  UEC杯コンピュータ囲碁大会サポーター特典
1,000,000円以上 UEC杯コンピュータ囲碁大会協賛者特典
3,000,000円以上 UEC杯コンピュータ囲碁大会特別協賛者特典

詳細は下記PDFをご覧ください。