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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】ひまわり8号で夜光雲を観測する手法を開発 ~静止軌道からの高感度リアルタイムモニタリング、地球温暖化研究への貢献に期待~

2021年10月25日

概要

電気通信大学、情報通信研究機構、明治大学、国立極地研究所、九州大学らの研究グループは、静止気象衛星ひまわり8号による全球画像の地球周辺部に着目することで、高度80-85km付近に発生する夜光雲を高感度で観測する手法を考案、同手法をリアルタイムのひまわりデータに適用するシステムを構築しました。今回の研究成果は、「気候変動のカナリア」とも呼ばれる夜光雲を、高感度、且つリアルタイムで連続的にモニタリングする新手法として、地球温暖化など気候変動に関する研究への貢献が期待されています。

背景

夜光雲は、高度80-85km付近に発生する天然の雲で、その実態は氷粒子です。地球温暖化に伴う超高層領域の寒冷化に敏感に反応して、氷粒子である夜光雲の発生が促進されると考えられており、「気候変動のカナリア」とも呼ばれています。このように、超高層寒冷化や地球温暖化の指標となる夜光雲の変動を捉えるために、夜光雲を高感度で連続的にモニタリングするシステムが重要であると考えられています。

今回の成果

ひまわり8号による全球画像の地球周辺部に着目することで、高度80-85km付近に発生する夜光雲を検出する手法を考案、同手法をリアルタイムのひまわりデータに適用するシステムを構築しました。同手法による夜光雲観測は、超遠距離の静止軌道(軌道高度~36,000km)からの観測でありながら、米国NASAの夜光雲専用観測衛星(軌道高度~600km)と同等の感度を達成しており、夜光雲の変動を十分な感度で捉えられることも実証しました。

今後の展望

ひまわり8号による夜光雲の高感度リアルタイムモニタリングシステムは、電気通信大学のウェブサイトを通じて、一般公開されています。世界の研究者らによる地球温暖化研究への貢献だけでなく、一般の方にもご利用いただけます。例えば、全球的な夜光雲の現況情報を提供しておりますので、地上から夜光雲を見つける際にもお役に立てるかもしれません。なお、本研究結果の詳細については、2021年11月2日にオンラインで行われる「第150回地球電磁気・地球惑星圏学会 総会および講演会」で発表される予定です。

図

詳細は下記PDFをご覧ください。