【ニュースリリース】コロナ禍における新たな学園祭のスタイル ~公演中のCO2濃度をリアルタイムで可視化~
2021年11月18日
電気通信大学は、令和3年11月20日(土)~22日(月)に実施する第71回調布祭において、通常の新型コロナウイルス感染症対策に加え、公演会場内の二酸化炭素(CO2)濃度をリアルタイムに可視化し、来場者と演者が共有する実証実験を行います。
背景
新型コロナウイルスの感染拡大予防のためは、「接触」「飛沫」「飛沫核」といった感染経路毎に、複数の対策を講じることが重要とされます。昨今、室内の二酸化炭素(CO2)の濃度を計測・可視化することにより室内の換気状態を良好な状態に保ち、たとえ空気中に「飛沫核」が存在したとしても、これを逸早く排出させる手法が注目されています。
本学はこれまで、調布駅前商店街との共同実証実験により、飲食店・学習塾・スポーツジムなどのCO2濃度を可視化し、環境ナッジ行動を支援してきました。また本学の附属図書館内に設置するアクティブラーニングスペース「Ambient Intelligence Agora」では、CO2センサを含む194台の環境センサが常時配置されており、そこで蓄積された約3.5年分のビッグデータは室内環境の分析・予測の研究に活用されています。
また令和3年4月6日(火)開催の入学式においては、2,400人分に相当する100kgの固体CO2(ドライアイス)を気化させる予備実験を行った上で、挙行当日に20台のCO2センサを使った式場内のCO2濃度分布のリアルタイム可視化による換気対策を行いました。さらに、アイドルグループ「仮面女子」やヴィジュアル系バンド「えんそく」との実証実験ライブも支援して参りました。
これらの実証実験で得た小型センシング技術や可視化システムを、第71回調布祭の安全確保においても活用し、新しい学園祭の運営スタイルを実証して行きます。
具体的な内容
公演で使用するシステムは、横川慎二教授(i-パワードエネルギー・システム研究センター)、石垣陽特任准教授 (情報学専攻)が監修し、学生主導の元、本学講堂「アフラックホールUEC」及び「大学会館」の二か所でCO2の可視化を実施します。
アフラックホールUECでは、サークルによる多彩なパフォーマンスを披露し、その様子はYouTubeライブでも生配信する予定です。また、当日は本学関係者に限り講堂に入場可能です(要予約)。詳細は調布祭のホームページにてご案内いたします。
期待される効果と今後の予定
新型コロナウイルスの第6波への対策が求められる中、多人数が集まる場所では「換気の悪い密閉空間」を避けることが重要とされています。今回の取組みを契機として、入学式や学校行事、あるいは劇場やイベントスペースでの安全安心を支えるため、CO2の測定・可視化が広まり、適切な行動変容(ナッジ)に繋がることが期待されます。
学園祭におけるCO2可視化のイメージ(合成写真です)
詳細は下記PDFをご覧ください。