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国立大学法人 電気通信大学

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お知らせ

【ニュースリリース】産学官連携による市内保育園13施設113か所での空気環境のモニタリング調査を実施

2023年04月26日

国立大学法人電気通信大学(所在地:東京都調布市、学長:田野俊一、以下「本学」)、調布市(所在地:東京都調布市、市長:長友貴樹、以下 「調布市」)および株式会社UPDATER(所在地:東京都世田谷区、代表取締役:大石英司、以下「UPDATER」)は、調布市の所管する認可保育園(全76施設)の中から、IoT型の遠隔空気環境モニタリング装置の無償設置を希望した調布市立上石原保育園をはじめとする13施設に同装置を計113台設置し、約1か月の間(令和4年9月~10月頃)の空気質モニタリングを遠隔で実施しました。


その結果、収集したビッグデータを分析・評価することで、保育園における空気環境の状況を見える化することができ、空気清浄機の日々の手入れや同清浄機の転倒による園児の怪我の防止など、保育の現場に適した空気環境の維持の在り方を明確化することができました。

背景

保育の現場では、新型コロナウイルスに対する基本的な感染症対策は実施しつつも、心身ともに発達期にある園児に、過剰な警戒感を与えることなく感染の拡大を避けるための様々な感染症対策の試行錯誤が行われています。しかしながら、感染拡大期には、多くの保育園で休園者や施設の休園が相次いでおり、また今後感染症法上の位置づけが変更された後も、適切な空気環境を持続的に維持できるシステムの構築が不可欠となります。
そのため、園児はじめ保育職員および保護者も安心できる環境づくりをサポートすべく、最新のエビデンスに基づく感染症対策の提案と、データに基づく適切な空気環境管理を実施しました。

取り組みの内容と成果

本モニタリング調査では、UPDATERのみんなエアー事業が提供する空気環境モニタリングプラットフォームMADOを活用して各種のビッグデータ(温度、湿度、CO2濃度、tVOC濃度等)を収集し、本学の換気に関する専門家により、保育の現場における空気環境を分析・評価することで、換気が不足している居室などを明確化することに取り組みました。
その結果、今回モニタリング調査した保育園では、空気環境は総じて良好であったものの換気に関する問題のうち66%が機械換気設備に起因し、そのうち45%は設備の換気口を清掃することで改善できることが明らかになりました。また保育園特有の事象として、空気清浄機の転倒や園児のイタズラによる怪我のリスクを避けることに注力するあまり、換気設備が適切に使用されていない事例が18%あり、保育の現場における負担を増加させることなく、適切な空気環境を維持する方法などを今後検討していく予定です。

詳細はPDFでご確認ください。