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受賞・表彰

小林孝嘉特任教授(先端超高速レーザー研究センター)がHumboldt Research Award を受賞

2010年11月29日

ドイツのアレキサンダー・フォン・フンボルト財団は、小林孝嘉特任教授(先端超高速レーザー研究センター・センター長)へ本年度のHumboldt Research Awardを贈ることを発表しました。同賞は、ドイツ政府の国際的学術活動機関であるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設した賞であり、人文、社会、理、工、医、農学の各分野において、基本的な発見もしくは新しい理論によって後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるものです。
日本からはこれまでに2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大学特別栄誉教授や、元東大総長の有馬朗人東京大学名誉教授などが受賞しています。
授賞式は2011年3月24日から27日にドイツで行われ、同6月にはドイツ大統領官邸ベルビュー宮殿で大統領主催のレセプションに招待されています。

小林特任教授は長年にわたって超短パルスの開発及びそれを用いた基礎・応用研究を推進し世界をリードする成果をあげてきました。今回の受賞の対象となった研究は、 ” Development of ultrashort pulse laser and its applications to ultrafast spectroscopy”です。
それらは、以下の研究・開発と関連する分野に極めて大きなインパクトを与えました。

  1. 世界最短パルス幅可視光レーザーの開発
  2. 超高性能スペクトル特性紫外・深紫外超短パルス光の開発
  3. コヒーレント軟X線単一パルス発生用に重要な搬送波包絡位相(CEP)安定化レーザーの開発
  4. 超高感度同時測定分光法による振動実時間分光・遷移状態分光研究
  5. 同時観察レーザー顕微鏡高性能超短パルス多色レーザーの開発

さらに小林特任教授はこれらの研究成果を元に、科学技術振興機構(JST)のICORPプロジェクト(2006-2011:ドイツ・マックスプランク研のKrausz教授との国際共同研究)において、その成果である新奇多色レーザーを応用した同時多色超解像顕微鏡の開発に着手するところまで研究を推し進めました。新規に採択されたJSTのCRESTプロジェクト(2010-2015)では、引き続き同顕微鏡の開発を推進しています。