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受賞・表彰

太田・岩本研究室、﨑山研究室(総合情報学専攻)らがInternational Workshop on Security (IWSEC2012)でBest Paper Awardを受賞

2012年11月27日

太田・岩本研究室、﨑山研究室(総合情報学専攻)らによる論文が2012年11月7日から11月9日に福岡市で開催されたInternational Workshop on Security (IWSEC2012)でBest Paper Awardを受賞しました。

    本論文は、以下の点が評価されたものです。
  • 韓国国内で実際に利用されている標準技術を評価した
  • 圧縮関数の非理想性という実利用に影響のある研究結果を達成した
  • 理論研究に留まらず、攻撃の実現性を計算機実験により確認した
表彰状

【論文タイトル】
Boomerang Distinguishers for Full HAS-160 Compression Function

【著者名】
Yu Sasaki, Lei Wang, Yasuhiro Takasaki, Kazuo Sakiyama, and Kazuo Ohta

【成果概要】
本研究は、韓国政府により韓国国内で標準化されているハッシュ関数HAS-160に対し、その基幹部品である圧縮関数が理想的な安全性を持たないことを世界で初めて示したものである。具体的には、HAS-160に対して、通常の衝突(出力の一致)に準ずる発見困難さを有する二次衝突(注1)を、理想的な関数よりも高速に発見できることを示す。ハッシュ関数を用いたいくつかのプロトコルでは、その安全性を圧縮関数の理想的な安全性に帰着している。従って、今後HAS-160をそのようなプロトコルで用いることは避けるべきである。本研究の理論的評価は、部分実験により検証されており、理論の正しさは裏付けられている。

注1:二変数(x,y)を入力とするハッシュ関数hに対する二次衝突とは、
h(x,y) xor h(x+a1,y+a2) xor h(x+b1,y+b2) xor h(x+a1+b1,y+a2+b2)=0
を満たす{(x,y),(a1,a2),(b1,b2)}のことです。