本学では、文部科学省による若手研究者のための自立的環境促進事業の採択を受けて、平成19年度から、テニュア・トラック制度を中核とする新しい人事システム「先端領域若手研究者グローバル人材育成」プログラムを進めています(教員採用は平成22年度で終了)。本「UECテニュア・トラック准教授制度」は、そのプログラムで確立した若手研究者育成機能を学内に定着させるために平成23年度から導入する恒常的人事システムです。この制度では、年に1~2名のテニュア・トラック准教授を採用する予定で、採用した教員に対して特別な教育研究環境を提供し、テニュア獲得に向けてのインセンティブを与えることによって、優れた教育研究を行う能力・資質の向上と、将来の指導者として必要な、リーダ-シップ、マネージメント能力等の開発を図ることを目的としています。
テニュア・トラック終了時の審査に合格した場合には、本学のテニュア教授として任用することとしています。
本学では、全ての教員は学術院に所属し、それぞれの専門分野に最も適合する学科、専攻等に配置されます。テニュア・トラック准教授についても、またテニュア獲得後の教員についても同様です。
テニュア・トラック准教授は、基本的に独自の立場で研究を推進しますが、本制度では、各准教授に対して経験・実績豊富なメンター教員を配置し、「テニュア取得のため」や、「優れた教育者・研究者になるため」、加えて「指導者として必要な、リーダ-シップ、マネージメント能力等の涵養のため」の指導・アドバイスを積極的に行い、その育成を図ります。指導・アドバイスを効果的に進めるために、テニュア・トラック准教授には、1年ごとに研究活動や教育活動等に関する自己評価シートを実績データとともに提出していただきます。
テニュア・トラック期間とは、テニュア・トラック准教授として採用されてからテニュアを獲得するまでの期間をいい、本学では5年としています。
採用後、3年目にテニュア中間評価を行います。中間評価は、学外有識者を含めた「テニュア中間評価委員会」が行います。評価は、本学での研究計画・方向性、進捗状況、教育研究実績、将来の指導者としての資質等について行われ、評価結果に基づいて必要な助言が与えられます。評価の結果が良好でない者に対しては、他機関への異動も含め、各人の適性に合った進路について幅広く検討し助言する場合があります。
テニュア審査とは、本学における教育研究活動実績に関する厳正な評価に基づいて、本学のテニュア教授としての適格性を判定する資格審査であり、テニュア・トラック期間の最後の年(5年目)に行います。
テニュア審査は、学外有識者を含めた「テニュア審査委員会」が行います。審査にあたっては、その研究活動が国際的な視点から極めて高く評価されること、その教育活動が本学の教育への質の高い貢献として評価されること、将来の指導者として必要なリーダ-シップ、マネージメント能力等が十分に備わっていると評価されること、その上で、教授公募人事を想定した場合の人事評価に十分耐え得る人材であることを基準とします。
テニュア審査で不可とされた場合、転出準備等のためにテニュア・トラック期間終了後も在籍したい旨の本人からの申し出が認められれば、2年を限度として雇用契約を更新することが可能です。