本学は、無線通信技術者の養成を目的として大正7(1918)年に創設された社団法人電信協会無線電信講習所を起源とし、昭和24(1949)年に国立大学「電気通信大学」としての歩みを開始しました。特定の地名を冠さない大学名には、日本全国、さらには世界に開かれた大学であろうとする創設以来の精神が込められています。
本学は、電気・通信・情報を中核としながら、経営工学、機械工学、物理工学、光・量子科学、材料科学など、多様な分野へ研究・教育領域を広げてきました。時代の要請に応じて分野の枠を越えた発展を重ねており、例えば近年ではデザイン&データサイエンスに特化した教育プログラムを新たに設置し、専門性と分野横断性を兼ね備えた人材の育成にも力を入れています。こうした取り組みは、社会や技術の変化に応答する本学の姿勢を表すものです。
本学における教育研究分野の広がりや進化が進む中で、近年急激に進んでいるAIの発展は、大学のさまざまな活動の前提条件を大きく変えつつあります。知の創出や意思決定の在り方そのものがAIベースへと変化する中で、大学における教育や研究の進め方に加え、組織や運営の在り方についても、従来の枠組みを見直すことが求められています。
このような認識のもと、本学は時代の変化に柔軟に対応して参ります。その際、AIを含む先端技術を単に活用するにとどまらず、その原理や限界を理解し、人間が責任をもって利活用するための知の拠点として、自らも進化を続ける大学となります。これを我々は「共創進化スマート大学」と呼んでいます。共創進化スマート大学の実現に向けた基盤として、本学は「D.C.&I.戦略」を推進しています。分野や人材の多様性を尊重するダイバーシティ、異なる価値観をつなぐコミュニケーション、そしてそこから生まれるイノベーションという考え方を軸に、時代にふさわしい教育、研究、社会連携の姿を模索し、実践していきます。
本学は、学術的基盤と多様な知の蓄積を礎として、社会のさまざまな分野で活躍する人材の育成に取り組んできました。また、基礎から応用に至る幅広い研究を通じて、新たな知の創出や技術の発展・社会実装に貢献してきました。こうした教育・研究の歩みを大切にしながら、社会との対話を通じて新たな価値を創出し、次の時代においても信頼され、必要とされる大学であり続けることを目指していきます。