「機械知能システム学専攻」では、高度に電子化・情報化された機械システム、すなわちメカトロニクスの研究・開発に求められる多様な基礎知識と、それらを総合してシステムを設計できる能力を養います。
現代社会の基盤であるエネルギー、生産、輸送、流通、通信、情報などに係わる産業は、ロボット、自動車、航空機、情報機器、家電、発電システムなどのメカトロニクスに支えられています。
絶えず進化し続けるメカトロニクス分野の研究・開発を担うためには、機械工学、計測・制御工学、電子・情報工学などの基礎知識を身につけるとともに、これらを総合して優れたシステムを設計する能力が求められます。本専攻の教育は、そのような能力を身につけた高度専門技術者を育成することを目的とし
ています。
Pick Up Laboratory
- 風洞実験。キャンパス内の設備は小型だが、特殊な条件で実験できる工夫が施されている。
独自の研究環境で、高速移動物の周囲に起こる
乱流をとらえる
前川 博研究室(機械システムプログラム)
長い歴史をもつ流体力学は18世紀〜19世紀に方程式がオイラーやストークスによって確立されましたが、数学的解析可能な問題は極めて限られていて、目の前に起こる非定常な流体現象をとらえる厳密な方法は皆無でした。当研究室は解析的手法によって独自に開発した高精度計算スキームや最新の実験計測装置を用いて、高速で移動する物体の周囲で起こる空気の乱流の実態や、高速流で起こる音、熱輸送や化学反応を明らかにしています。時には音速の5倍など過酷な条件下での研究により、流体現象がもつ新たな課題を発見しその解決法を提案しています。環境適応型の次世代高速鉄道や低燃費で環境適合性をもつ航空機への応用が期待されます。学生にもオリジナリティのある研究を求めており、大学院生は国際会議で、学部生は日本機械学会の学生会で優れた成果を発表しています。